Cosminexus システム運用ガイド
サービス閉塞は,クライアントから見てリクエストの受け口になる要素(フロント)に対して実行します。フロントを閉塞すると,クライアントから新しいリクエストを受け付けることなく,すでに受け付けたJ2EEアプリケーション内のリクエストを継続実行できます。
Webフロントシステムの場合やCTMを使用したバックシステムの場合,J2EEアプリケーションのフロントに,負荷分散機,WebサーバまたはCTMなどがあります。J2EEアプリケーションを直接停止する前にこれのフロントに当たる要素を閉塞すると,確実なサービス閉塞が実行できます。
なお,サービス閉塞後に実行するJ2EEアプリケーションは,運用管理コマンド(mngsvrutil)で停止してください。
Webフロントシステム,バックシステムなどのシステムの種類の意味については,マニュアル「Cosminexus システム設計ガイド」のCosminexusのシステム構成の分類に関する説明を参照してください。
Webフロントシステムとは,フロントエンドであるWebブラウザから送信されるリクエストを受け付けて,そのリクエストを処理するシステムです。
サービス閉塞の対象は,J2EEアプリケーション内のWebアプリケーションです。
このシステムでは,次の表に示す方法でサービス閉塞を実行できます。J2EEアプリケーションの停止を実行する前にほかの方法でサービス閉塞を実行することで,サービスを確実に閉塞できます。
サービスの閉塞方法 | 説明 | 手段 | 参照先 |
---|---|---|---|
負荷分散機のリクエストの振り分け先を変更する※ | 負荷分散機の設定を変えて,J2EEアプリケーションを停止するJ2EEサーバにリクエストを振り分けないようにします。これによって,J2EEサーバはリクエストを受け付けなくなります。 | 負荷分散機の機能 | 4.5.3 |
負荷分散機を停止する※ | 負荷分散機を停止して,J2EEサーバへのリクエストの転送を停止します。これによって,J2EEサーバはリクエストを受け付けなくなります。 | 負荷分散機の機能 | 4.5.3 |
J2EEアプリケーションを通常停止する | J2EEアプリケーションを通常停止すると,そのJ2EEアプリケーションは新たなリクエストを受け付けなくなります。ただし,実行中の処理が終了するまで,停止は完了しません。 | サーバ管理コマンド | 4.5.5 |
バックシステムとは,Webフロントシステムの背後などで動作する,複数の業務システムに共通な業務サービスを実行するためのシステムです。
CTMを使用しているシステムの場合,CTMのスケジュールキューを対象にしたサービス閉塞を実行できます。
このシステムでは,次の表に示す方法でサービス閉塞を実行できます。J2EEアプリケーションの停止を実行する前に,ほかの方法でサービス閉塞を実行することで,サービスを確実に閉塞できます。
表4-13 バックシステム(CTMを使用している場合)で実行できるサービス閉塞
サービスの閉塞方法 | 説明 | 手段 | 参照先 |
---|---|---|---|
CTMの機能を使用してサービス閉塞を実行する | CTMの機能を使用してスケジュールキューを閉塞して,J2EEサーバへのリクエストの転送を停止します。これによって,J2EEサーバはリクエストを受け付けなくなります。 | 運用管理コマンド | 4.5.4 |
J2EEアプリケーションを通常停止する | J2EEアプリケーションを通常停止すると,そのJ2EEアプリケーションは新たなリクエストを受け付けなくなります。ただし,実行中の処理が終了するまで,停止は完了しません。 | サーバ管理コマンド | 4.5.5 |
CTMを使用していないバックシステムの場合,サービス閉塞の対象は,J2EEアプリケーション内のフロントのEnterprise Bean(フロントEJB)です。
このシステムでは,次の方法でサービス閉塞を実行できます。
表4-14 バックシステム(CTMを使用していない場合)で実行できるサービス閉塞
サービスの閉塞方法 | 説明 | 手段 | 参照先 |
---|---|---|---|
J2EEアプリケーションを通常停止する | J2EEアプリケーションを通常停止すると,そのJ2EEアプリケーションは新たなリクエストを受け付けなくなります。ただし,実行中の処理が終了するまで,停止は完了しません。 | サーバ管理コマンド | 4.5.5 |
なお,システム構築時にあらかじめフロントEJBを定義しておく必要があります。
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