JP1/Performance Management - Agent Option for IBM WebSphere MQ
ここでは,PFM - Agent for IBM WebSphere MQを運用するための,セットアップについて説明します。
は使用する環境によって必要になるセットアップ項目,またはデフォルトの設定を変更する場合のオプションのセットアップ項目を示します。
- <この項の構成>
- (1) PFM - Agent for IBM WebSphere MQの登録
- (2) インスタンス環境の設定
- (3) ネットワークの設定
- (4) ログのファイルサイズ変更
- (5) パフォーマンスデータの格納先の変更
- (6) PFM - Agent for IBM WebSphere MQの接続先PFM - Managerの設定
- (7) 動作ログ出力の設定
(1) PFM - Agent for IBM WebSphere MQの登録
PFM - ManagerおよびPFM - Web Consoleを使ってPFM - Agentを一元管理するために,PFM - ManagerおよびPFM - Web ConsoleにPFM - Agent for IBM WebSphere MQを登録する必要があります。
PFM - Managerのバージョンが08-50以降の場合,PFM - Agentの登録は自動で行われるため,ここで説明する手順は不要です。ただし,PFM - Managerのリリースノートに記載されていないデータモデルバージョンのPFM - Agentは手動で登録する必要があります。なお,PFM - Agent for IBM WebSphere MQのデータモデルのバージョンについては,「付録I バージョン互換」を参照してください。
PFM - Agentの登録の流れを次に示します。
図2-3 PFM - Agentの登録の流れ
- 注意
- PFM - Agentの登録は,インスタンス環境を設定する前に実施してください。
- すでにPFM - Agent for IBM WebSphere MQの情報が登録されているPerformance Managementシステムに,新たに同じバージョンのPFM - Agent for IBM WebSphere MQを追加した場合,PFM - Agentの登録は必要ありません。
- バージョンが異なるPFM - Agent for IBM WebSphere MQを,異なるホストにインストールする場合,古いバージョン,新しいバージョンの順でセットアップしてください。
- PFM - Managerと同じホストにPFM - Agentをインストールした場合,jpcagtsetupコマンドが自動的に実行されます。共通メッセージログに「KAVE05908-I エージェント追加セットアップは正常に終了しました」と出力されるので,結果を確認してください。コマンドが正しく実行されていない場合は,コマンドを実行し直してください。コマンドの実行方法については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のコマンドの章を参照してください。
- PFM - Agent for IBM WebSphere MQの情報を登録する作業では,PFM - Web Consoleの[レポート階層]タブおよび[アラーム階層]タブに「IBMWebSphereMQ」という名前のフォルダが作成されます。[レポート階層]タブで,すでに独自に「IBMWebSphereMQ」という名前のフォルダまたはファイルを作成していた場合には,名前を変更してから作業を始めてください。
(a) PFM - Agent for IBM WebSphere MQのセットアップファイルをコピーする
PFM - Agent for IBM WebSphere MQをインストールしたホストにあるセットアップファイルをPFM - ManagerおよびPFM - Web Consoleをインストールしたホストにコピーします。手順を次に示します。
- PFM - Web Consoleが起動されている場合は,停止する。
- PFM - Agent のセットアップファイルをバイナリーモードでコピーする。
ファイルが格納されている場所およびファイルをコピーする場所を次の表に示します。
表2-2 コピーするセットアップファイル
PFM - Agent の
セットアップファイルコピー先 PFMプログラム名 OS コピー先フォルダ インストール先フォルダ\setup\jpcagt9w.EXE
インストール先フォルダ\setup\jpcagt9u.ZPFM - Manager Windows PFM - Managerのインストール先フォルダ\setup\ UNIX /opt/jp1pc/setup/ インストール先フォルダ\setup\jpcagt9w.EXE
インストール先フォルダ\setup\jpcagt9u.ZPFM - Web Console Windows PFM - Web Consoleのインストール先フォルダ\setup\ UNIX /opt/jp1pcwebcon/setup/ (b) PFM - Managerホストでセットアップコマンドを実行する
PFM - ManagerでPFM - Agent for IBM WebSphere MQをセットアップするための次のコマンドを実行します。
jpcagtsetup agt9
- 注意
- コマンドを実行するローカルホストのPerformance Managementのプログラムおよびサービスが完全に停止していない状態でjpcagtsetupコマンドを実行した場合,エラーが発生することがあります。その場合は,Performance Managementのプログラムおよびサービスが完全に停止したことを確認したあと,再度jpcagtsetupコマンドを実行してください。
PFM - ManagerホストにあるPFM - Agentのセットアップファイルは,この作業が終了したあと削除してもかまいません。
(c) PFM - Web Consoleホストでセットアップコマンドを実行する
PFM - Web ConsoleでPFM - Agent for IBM WebSphere MQをセットアップするための次のコマンドを実行します。
jpcwagtsetupPFM - Web ConsoleホストにあるPFM - Agentのセットアップファイルは,この作業が終了したあと削除してもかまいません。
インスタンス環境の設定では,インスタンス情報を設定します。複数のインスタンス環境を設定する場合は,繰り返し実施します。
PFM - Agent for IBM WebSphere MQのインスタンス情報を設定します。インスタンス情報の設定は,PFM - Agentホストで実施します。
設定するインスタンス情報を次の表に示します。セットアップの操作を始める前に,次の情報をあらかじめ確認してください。
表2-3 PFM - Agent for IBM WebSphere MQのインスタンス情報
項目 説明 設定できる値 デフォルト値 QManager_Name 監視対象となるIBM WebSphere MQのキューマネージャー名 48バイト以内の半角文字列
指定できる文字
- アルファベット
[a-z] [A-Z]
- 数字
[0-9]
- 次の記号
「.」「/」「_」「%」
jpcinssetupコマンドの-instオプションで指定した値 log_size エージェントログの1ファイルの最大サイズ※1 1〜32(単位:メガバイト)
ただし,推奨は16以上16 Store Version 使用するStoreバージョンを指定する※2 {1.0|2.0} 2.0
- 注※1
- エージェントログは,1インスタンスにつき最大4ファイルが採取されます。log_sizeの値は,次の条件を満たすことを確認して指定してください。
- log_pathに指定したドライブの空き容量(MB) > log_sizeの値×4
- 注※2
- Storeバージョンについては,マニュアル「JP1/Performance Management システム構築・運用ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。
ハードディスクに十分な空き容量がない場合,エージェントログが出力エラーとなります。エージェントログについては,「8.3 ログ情報」を参照してください。
- 注意
- インスタンス情報で指定するキューマネージャー名(QManager_Name)に,IBM WebSphere MQ上に存在しない名称を指定した場合でも,インスタンス環境の生成コマンドは正常に終了します。しかし,そのインスタンス環境で,レコードの収集を開始すると,パフォーマンスデータが収集されません。この場合の対策については,「8.2.4 パフォーマンスデータの収集と管理について」の「(3) PFM - Agentを起動してもパフォーマンスデータが収集されない」を参照してください。
インスタンス環境を構築するには,jpcinssetupコマンドを使用します。インスタンス環境の構築手順を次に示します。
- jpcinssetupコマンドを実行する。
PFM - Agent for IBM WebSphere MQでは,インスタンス名として監視対象のキューマネージャー名を指定することを推奨します。例えば,キューマネージャー名がMQinstであるインスタンス環境を構築する場合,次のように指定してコマンドを実行します。
jpcinssetupコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Managementリファレンス」の,コマンドについて説明している章を参照してください。
jpcinssetup agt9 -inst MQinst
- PFM - Agent for IBM WebSphere MQのインスタンス情報を設定する。
表2-3に示した項目を,コマンドの指示に従って入力してください。各項目とも省略はできません。デフォルトで表示されている値を,項目の入力とする場合はリターンキーだけを押してください。
すべての入力が終了すると,インスタンス環境が構築されます。構築時に入力したインスタンス情報を変更したい場合は,再度jpcinssetupコマンドを実行し,インスタンス環境を更新してください。インスタンス環境の更新については,「2.4.2 インスタンス環境の更新の設定」を参照してください。
構築されるインスタンス環境を次に示します。
- インスタンス環境のフォルダ構成
次のフォルダ下にインスタンス環境が構築されます。
物理ホストの場合:インストール先フォルダ\agt9
論理ホストの場合:環境フォルダ※\jp1pc\agt9
構築されるインスタンス環境のフォルダ構成を次に示します。
- 注※
- 環境フォルダとは,論理ホスト作成時に指定した共有ディスク上のフォルダです。
表2-4 インスタンス環境のフォルダ構成
フォルダ名,ファイル名 説明 agent インスタンス名 jpcagt.ini Agent Collectorサービス起動情報ファイル jpcagt.ini.model※ Agent Collectorサービス起動情報ファイルのモデルファイル log ログファイル格納フォルダ store インスタンス名 jpcsto.ini Agent Storeサービス起動情報ファイル jpcsto.ini.model※ Agent Storeサービス起動情報ファイルのモデルファイル *.DAT データモデル定義ファイル dump エクスポート先フォルダ backup バックアップ先フォルダ partial 部分バックアップ用フォルダ import インポート用フォルダ log ログファイル格納フォルダ
- 注※
- インスタンス環境を構築した時点の設定値に戻したいときに使用します。
- インスタンス環境のサービスID
インスタンス環境のサービスIDは次のようになります。
プロダクトID 機能ID インスタンス番号 インスタンス名 [ホスト名]
PFM - Agent for IBM WebSphere MQの場合,インスタンス名にはjpcinssetupコマンドで指定したインスタンス名が表示されます。サービスIDについては,マニュアル「JP1/Performance Management システム構築・運用ガイド」の,付録に記載されている命名規則を参照してください。
- インスタンス環境のWindowsのサービス名
インスタンス環境のWindowsのサービス名は次のようになります。
- Agent Collectorサービス:PFM - Agent for IBMWebSphereMQインスタンス名[論理ホスト名]
- Agent Storeサービス:PFM - Agent Store for IBMWebSphereMQインスタンス名[論理ホスト名]
Windowsのサービス名については,マニュアル「JP1/Performance Management システム構築・運用ガイド」の,付録に記載されている命名規則を参照してください。
また,論理ホストで運用する場合のWindowsのサービス名については,マニュアル「JP1/Performance Management システム構築・運用ガイド」の,クラスタシステムでの構築と運用について説明している章を参照してください。
Performance Managementを使用するネットワーク構成に応じて,変更する場合にだけ必要な設定です。
ネットワークの設定では次の二つの項目を設定できます。
- IPアドレスを設定する
Performance Managementを複数のLANに接続されたネットワークで使用するときに設定します。複数のIPアドレスを設定するには,jpchostsファイルにホスト名とIPアドレスを定義します。設定したjpchostsファイルはPerformance Managementシステム全体で統一させてください。
IPアドレスの設定の詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management システム構築・運用ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。
- ポート番号を設定する
Performance Managementが使用するポート番号を設定できます。運用での混乱を避けるため,ポート番号とサービス名は,Performance Managementシステム全体で統一させてください。
ポート番号の設定の詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management システム構築・運用ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。
Performance Managementの稼働状況を,Performance Management独自のログファイルに出力します。このログファイルを「共通メッセージログ」と呼びます。共通メッセージログは,デフォルトで2,048キロバイトのファイルが2ファイル使用されます。このファイルサイズを変更したい場合にだけ,必要な設定です。
詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management システム構築・運用ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。
PFM - Agent for IBM WebSphere MQで管理されるパフォーマンスデータを格納するデータベースの保存先,バックアップ先またはエクスポート先のフォルダを変更したい場合にだけ,必要な設定です。
パフォーマンスデータは,デフォルトで,次の場所に保存されます。
- 保存先:インストール先フォルダ\agt9\store\インスタンス名\
- バックアップ先:インストール先フォルダ\agt9\store\インスタンス名\backup\
- 部分バックアップ先:インストールフォルダ\agt9\store\インスタンス名\partial\
- エクスポート先:インストール先フォルダ\agt9\store\インスタンス名\dump\
- インポート先:インストールフォルダ\agt9\store\インスタンス名\import\
- 注意
- 論理ホストで運用する場合のデフォルトの保存先については,「インストール先フォルダ」を「環境フォルダ\jp1pc」に読み替えてください。
詳細については,「2.4.1 パフォーマンスデータの格納先の変更」を参照してください。
(6) PFM - Agent for IBM WebSphere MQの接続先PFM - Managerの設定
PFM - Agentがインストールされているホストで,そのPFM - Agentを管理するPFM - Managerを設定します。接続先のPFM - Managerを設定するには,jpcnshostnameコマンドを使用します。
- 注意
- 同一ホスト上に,複数のPFM - Agentがインストールされている場合でも,接続先に指定できるPFM - Managerは,一つだけです。PFM - Agentごとに異なるPFM - Managerを接続先に設定することはできません。
- PFM - AgentとPFM - Managerが同じホストにインストールされている場合,接続先PFM - ManagerはローカルホストのPFM - Managerとなります。この場合,接続先のPFM - ManagerをほかのPFM - Managerに変更できません。
手順を次に示します。
- Performance Managementのプログラムおよびサービスを停止する。
セットアップを実施する前に,ローカルホストでPerformance Managementのプログラムおよびサービスが起動されている場合は,すべて停止してください。サービスの停止方法については,マニュアル「JP1/Performance Management システム構築・運用ガイド」の,Performance Managementの起動と停止について説明している章を参照してください。
jpcnshostnameコマンド実行時に,Performance Managementのプログラムおよびサービスが起動されている場合は,停止を問い合わせるメッセージが表示されます。
- 接続先のPFM - Managerホストのホスト名を指定して,jpcnshostnameコマンドを実行する。
例えば,接続先のPFM - Managerがホストhost01上にある場合,次のように指定します。
jpcnshostname -s host01
PFMサービスの起動・停止時や,PFM - Managerとの接続状態の変更時に動作ログを出力したい場合に必要な設定です。動作ログとは,システム負荷などのしきい値オーバーに関するアラーム機能と連動して出力される履歴情報です。
設定方法については,「付録J 動作ログの出力」を参照してください。
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