JP1/Performance Management - Agent Option for BEA WebLogic Server
ここでは,PFM - Agent for WebLogic Serverを運用するための,セットアップについて説明します。
は使用する環境によって必要になるセットアップ項目,またはデフォルトの設定を変更する場合のオプションのセットアップ項目を示します。
- <この項の構成>
- (1) LANG環境変数の設定
- (2) PFM - Agent for WebLogic Serverの登録
- (3) インスタンス環境の設定
- (4) ネットワークの設定
- (5) ログのファイルサイズ変更
- (6) パフォーマンスデータの格納先の変更
- (7) PFM - Agent for WebLogic Serverの接続先PFM - Managerの設定
- (8) 動作ログ出力の設定
PFM - Agent for WebLogic Serverで使用できるLANG環境変数を次の表に示します。
なお,これらのLANG環境変数を設定する前に,設定する言語環境が正しくインストール・構築されていることを確認しておいてください。正しくインストール・構築されていない場合,文字化けが発生したり,定義データが不当に書き換わってしまったりすることがあります。
- 注意
- 共通メッセージログの言語は,サービス起動時やコマンド実行時に設定されているLANG環境変数によって決まります。そのため,日本語や英語など,複数の言語コードの文字列が混在することがあります。
表3-2 PFM - Agent for WebLogic Serverで使用できるLANG環境変数
OS 言語種別 LANG環境変数の値 Solaris 日本語 Shift-JISコード
- ja_JP.PCK
EUCコード
- ja
- japanese(jaへのシンボリックリンク)
UTF-8コード
- ja_JP.UTF-8
英語(日本語なし)
- C
Linux 日本語 Shift-JISコード (該当なし) UTF-8コード
- ja_JP.UTF-8
- ja_JP.utf8(ja_JP.UTF-8へのシンボリックリンク)
英語(日本語なし)
- C
(2) PFM - Agent for WebLogic Serverの登録
PFM - ManagerおよびPFM - Web Consoleを使ってPFM - Agentを一元管理するために,PFM - ManagerおよびPFM - Web ConsoleにPFM - Agent for WebLogic Serverを登録する必要があります。
PFM - Managerのバージョンが08-50以降の場合,PFM - Agentの登録は自動で行われるため,ここで説明する手順は不要です。ただし,PFM - Managerのリリースノートに記載されていないデータモデルバージョンのPFM - Agentは手動で登録する必要があります。なお,PFM - Agent for WebLogic Serverのデータモデルのバージョンについては,「付録H バージョン互換」を参照してください。
PFM - Agentの登録の流れを次の図に示します。
図3-3 PFM - Agentの登録の流れ
- 注意
- PFM - Agentの登録は,インスタンス環境を設定する前に実施してください。
- すでにPFM - Agent for WebLogic Serverの情報が登録されているPerformance Managementシステムに,新たに同じバージョンのPFM - Agent for WebLogic Serverを追加した場合,PFM - Agentの登録は必要ありません。
- バージョンが異なるPFM - Agent for WebLogic Serverを,異なるホストにインストールする場合,古いバージョン,新しいバージョンの順でセットアップしてください。
- PFM - Managerと同じホストにPFM - Agentをインストールした場合,jpcagtsetupコマンドが自動的に実行されます。共通メッセージログに「KAVE05908-I エージェント追加セットアップは正常に終了しました」と出力されるので,結果を確認してください。コマンドが正しく実行されていない場合は,コマンドを実行し直してください。コマンドの実行方法については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のコマンドの章を参照してください。
- PFM - Agent for WebLogic Serverの情報を登録する作業では,PFM - Web Consoleの[レポート階層]画面および[アラーム階層]画面に「WebLogic Server」という名前のディレクトリが作成されます。[レポート階層]画面で,すでに独自に「WebLogic Server」という名前のディレクトリまたはファイルを作成していた場合には,名前を変更してから作業を始めてください。
(a) PFM - Agent for WebLogic Serverのセットアップファイルをコピーする
PFM - Agent for WebLogic ServerをインストールしたホストにあるセットアップファイルをPFM - ManagerおよびPFM - Web Consoleをインストールしたホストにコピーします。手順を次に示します。
- PFM - Agentのセットアップファイルをバイナリーモードでコピーする。
ファイルが格納されている場所およびファイルをコピーする場所を次の表に示します。
表3-3 コピーするセットアップファイル
PFM - Agentの
セットアップファイルコピー先 PFMプログラム名 OS コピー先ディレクトリ /opt/jp1pc/setup/jpcagtsw.EXE PFM - Manager Windows PFM - Managerのインストール先フォルダ\setup /opt/jp1pc/setup/jpcagtsu.Z UNIX /opt/jp1pc/setup/ /opt/jp1pc/setup/jpcagtsw.EXE PFM - Web Console Windows PFM - Web Consoleのインストール先フォルダ\setup /opt/jp1pc/setup/jpcagtsu.Z UNIX /opt/jp1pcwebcon/setup/ (b) PFM - Managerホストでセットアップコマンドを実行する
PFM - ManagerでPFM - Agent for WebLogic Serverをセットアップするためのコマンドを実行します。手順を次に示します。
- PFM - Managerが起動されている場合は,停止する。
- jpcagtsetupコマンドを実行する。
次のように指定して実行します。
jpcagtsetup agts
- 注意
- コマンドを実行するローカルホストのPerformance Managementのプログラムおよびサービスが完全に停止していない状態でjpcagtsetupコマンドを実行した場合,エラーが発生することがあります。その場合は,Performance Managementのプログラムおよびサービスが完全に停止したことを確認したあと,再度jpcagtsetupコマンドを実行してください。
PFM - ManagerホストにコピーしたPFM - Agentのセットアップファイルは,この作業が終了したあと,削除してもかまいません。
(c) PFM - Web Consoleホストでセットアップコマンドを実行する
PFM - Web ConsoleでPFM - Agent for WebLogic Serverをセットアップする手順を次に示します。
- PFM - Web Consoleが起動されている場合は,停止する。
- jpcwagtsetupコマンドを実行する。
次のように指定して実行します。
PFM - Web ConsoleホストにコピーしたPFM - Agentのセットアップファイルは,セットアップが終了したあと削除してもかまいません。
インスタンス環境の設定では,次の項目を実施します。複数のインスタンス環境を設定する場合は,この項目を繰り返し実施します。
- インスタンス情報の設定
PFM - Agent for WebLogic Serverで監視するWebLogic Serverのインスタンス情報を設定します。インスタンス情報の設定は,PFM - Agentホストで実施します。
設定するインスタンス情報を次の表に示します。セットアップの操作を始める前に,次の表の情報をあらかじめ確認してください。WebLogic Serverのインスタンス情報の詳細については,WebLogic Serverのドキュメントを参照してください。
- 注意
- インスタンス環境を設定していない場合,PFM - Agent for WebLogic Serverのサービスを起動できません。
表3-4 PFM - Agent for WebLogic Serverのインスタンス情報
項目 説明 設定できる値 デフォルト値 WebLogic Server Installation Directory WebLogic Serverのインストール先ディレクトリ。
設定例
/opt/bea/weblogic901〜512バイトの半角文字列。 なし Listen Port Number WebLogic Serverの非SSLリスンポート番号。 1024〜65535の数値。 7001 User Name※1,※2 WebLogic Serverに接続するためのユーザー名。 1〜512バイトの半角文字列。 なし Password※1 WebLogic Serverに接続するためのユーザーパスワード。 1〜512バイトの半角文字列。 なし Store Version※3 使用するStoreバージョン。※4 「1.0」または「2.0」。 2.0
- 注※1
- 「User Name」または「Password」に設定した値が正しくない場合,WebLogic Serverへの接続に失敗し,「User Name」に指定したユーザーがロックアウトされる場合があります。ロックアウトの詳細については,WebLogic Serverのドキュメントを参照してください。
- 注※2
- このユーザーにはMonitorセキュリティロールが与えられている必要があります。なお,管理ポートを有効にしている場合は,Adminセキュリティロールが与えられたユーザーを指定しないでください。セキュリティロールの詳細については,WebLogic Serverのドキュメントを参照してください。
- 注※3
- PFM - Agent for WebLogic Serverと同一ホスト上のPFM - ManagerまたはPFM - Baseが08-10以降で,インスタンス環境を新規に設定する場合に必要です。インスタンス環境を更新するときは指定できません。
- 注※4
- Storeバージョンについては,マニュアル「JP1/Performance Management システム構築・運用ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。
インスタンス環境を構築するには,jpcinssetupコマンドを使用します。インスタンス環境の構築手順を次に示します。
- サービスキーおよびインスタンス名を指定して,jpcinssetupコマンドを実行する。
例えば,PFM - Agent for WebLogic Serverのインスタンス名APSVのインスタンス環境を構築する場合,次のように指定してコマンドを実行します。
インスタンス名には,WebLogic Serverのサーバ名など,監視対象のWebLogic Serverのインスタンスを一意に識別できる任意の名称を指定してください。jpcinssetupコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,コマンドについて説明している章を参照してください。
jpcinssetup agts -inst APSV
- WebLogic Serverのインスタンス情報を設定する。
表3-4に示した項目を,コマンドの指示に従って入力してください。省略はできません。デフォルトで表示されている値を入力する場合は,リターンキーだけを押してください。
すべての入力が終了すると,インスタンス環境が構築されます。構築時に入力した内容を変更したい場合は,再度jpcinssetupコマンドを実行し,インスタンス環境を更新してください。インスタンス環境の更新については,「3.4.2 インスタンス環境の更新の設定」を参照してください。
構築されるインスタンス環境を次に示します。
- インスタンス環境のディレクトリ構成
次のディレクトリ下にインスタンス環境が構築されます。
物理ホストの場合:/opt/jp1pc/agts
論理ホストの場合:環境ディレクトリ※/jp1pc/agts
構築されるインスタンス環境のディレクトリ構成を次に示します。
- 注※
- 環境ディレクトリとは,論理ホスト作成時に指定した共有ディスク上のディレクトリです。
表3-5 インスタンス環境のディレクトリ構成
ディレクトリ名・ファイル名 説明 agent インスタンス名 jpcagt.ini Agent Collectorサービス起動情報ファイル jpcagt.ini.model※ Agent Collectorサービス起動情報ファイルのモデルファイル log ログファイル格納ディレクトリ store インスタンス名 jpcsto.ini Agent Storeサービス起動情報ファイル jpcsto.ini.model※ Agent Storeサービス起動情報ファイルのモデルファイル *.DAT データモデル定義ファイル dump エクスポート先ディレクトリ backup バックアップ先ディレクトリ import 標準のデータベースインポート先ディレクトリ(Storeバージョン2.0の場合) log ログファイル格納ディレクトリ partial 標準のデータベース部分バックアップ先ディレクトリ(Storeバージョン2.0の場合) STPD PDレコードタイプのパフォーマンスデータ格納先ディレクトリ(Storeバージョン2.0の場合) STPI PIレコードタイプのパフォーマンスデータ格納先ディレクトリ(Storeバージョン2.0の場合)
- 注※
- インスタンス環境を構築した時点の設定値に戻したいときに使用します。
- インスタンス環境のサービスID
インスタンス環境のサービスIDは次のようになります。
PFM - Agent for WebLogic Serverの場合,インスタンス名にはjpcinssetupコマンドで指定したインスタンス名が表示されます。
プロダクトID 機能ID インスタンス番号 インスタンス名 [ホスト名]
サービスIDについては,マニュアル「JP1/Performance Management システム構築・運用ガイド」の,付録に記載されている命名規則を参照してください。
Performance Managementを使用するネットワーク構成に応じて行う設定です。
ネットワークの設定には次の二つの項目があります。
- IPアドレスを設定する
Performance Managementを複数のLANに接続されたネットワークで使用するときに設定します。複数のIPアドレスを設定するには,jpchostsファイルにホスト名とIPアドレスを定義します。設定したjpchostsファイルはPerformance Managementシステム全体で統一させてください。
詳細についてはマニュアル「JP1/Performance Management システム構築・運用ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。
- ポート番号を設定する
Performance Managementが使用するポート番号を設定できます。運用での混乱を避けるため,ポート番号とサービス名は,Performance Managementシステム全体で統一させてください。
ポート番号の設定の詳細についてはマニュアル「JP1/Performance Management システム構築・運用ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。
Performance Managementの稼働状況を,Performance Management独自のログファイルに出力します。このログファイルを「共通メッセージログ」と呼びます。共通メッセージログは,デフォルトで2,048キロバイトのファイルが2ファイル使用されます。このファイルサイズを変更したい場合にだけ,必要な設定です。
詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management システム構築・運用ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。
PFM - Agent for WebLogic Serverで管理されるパフォーマンスデータを格納するデータベースの保存先,バックアップ先,エクスポート先,またはインポート先のディレクトリを変更したい場合にだけ,必要な設定です。
パフォーマンスデータは,デフォルトで,次の場所に保存されます。
- 保存先:/opt/jp1pc/agts/store/インスタンス名/
- バックアップ先:/opt/jp1pc/agts/store/インスタンス名/backup/
- 部分バックアップ先※:/opt/jp1pc/agts/store/インスタンス名/partial/
- エクスポート先:/opt/jp1pc/agts/store/インスタンス名/dump/
- インポート先※:/opt/jp1pc/agts/store/インスタンス名/import/
- 注
- 論理ホストで運用する場合のデフォルトの保存先については,「/opt/jp1pc」を「環境ディレクトリ/jp1pc」に読み替えてください。
- 注※
- Storeバージョン2.0使用時だけ設定できます。
詳細については,「3.4.1 パフォーマンスデータの格納先の変更」を参照してください。
(7) PFM - Agent for WebLogic Serverの接続先PFM - Managerの設定
PFM - Agentがインストールされているホストで,そのPFM - Agentを管理するPFM - Managerを設定します。接続先のPFM - Managerを設定するには,jpcnshostnameコマンドを使用します。
- 注意
- 同一ホスト上に,複数のPFM - Agentがインストールされている場合でも,接続先に指定できるPFM - Managerは,一つだけです。PFM - Agentごとに異なるPFM - Managerを接続先に設定することはできません。
- PFM - AgentとPFM - Managerが同じホストにインストールされている場合,接続先PFM - ManagerはローカルホストのPFM - Managerとなります。この場合,接続先のPFM - ManagerをほかのPFM - Managerに変更できません。
手順を次に示します。
- Performance Managementのプログラムおよびサービスを停止する。
セットアップを実施する前に,ローカルホストでPerformance Managementのプログラムおよびサービスが起動されている場合は,すべて停止してください。サービスの停止方法については,マニュアル「JP1/Performance Management システム構築・運用ガイド」の,Performance Managementの起動と停止について説明している章を参照してください。
jpcnshostnameコマンド実行時に,Performance Managementのプログラムおよびサービスが起動されている場合は,停止を問い合わせるメッセージが表示されます。
- 接続先のPFM - Managerホストのホスト名を指定して,jpcnshostnameコマンドを実行する。
例えば,接続先のPFM - Managerがホストhost01上にある場合,次のように指定します。
jpcnshostname -s host01
(8) 動作ログ出力の設定
アラーム発生時に動作ログを出力したい場合に必要な設定です。動作ログとは,システム負荷などのしきい値オーバーに関するアラーム機能と連動して出力される履歴情報です。
設定方法については,「付録I 動作ログの出力」を参照してください。
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