JP1/Performance Management - Analysis
電子商取引の普及やインターネット・イントラネットの利用拡大などによって,企業は安定したサービスの提供を強く求められています。そのためには,システム全体の稼働性能状況の把握,および問題点の早期発見・解決が欠かせません。また,問題発生を防ぐための予防管理も重要です。
PFM - Analysisは,システムのサービス,アプリケーション,OS,ネットワーク機器などの稼働性能情報を分析するプログラムです。性能低下の原因を分析して,問題の早期解決を支援します。また,将来の稼働性能を予測することで,障害を予防できます。PFM - Analysisを使用して,分析と予測の観点からシステムを監視することで,システムの信頼性を向上させます。
PFM - Analysisを使用したシステムの特長を次に示します。
- <この節の構成>
- (1) システムの稼働性能情報の収集・管理
- (2) ボトルネックの分析
- (3) プロアクティブ管理の実現
- (4) レポートの作成
- (5) JP1/IM連携
PFM - Analysisでは,システムの稼働性能を次の二つの視点から監視できます。
- 利用者の使用感を想定したインターネットサービスの応答時間など
- システムの管理者から見たWebサーバ,APサーバ,DBサーバ,ネットワーク機器,アプリケーションなどの稼働性能
これらの稼働性能情報は,採取ツールと呼ばれる監視プログラム(PFM - Analysisが標準サポートするプログラム)を使って収集します。収集した情報はPFM - Analysis専用のデータベースであるPAMDBで一元管理し,稼働性能の将来値や危険な状態になる時期を予測したり,障害発生時などに情報を分析して原因調査に役立てたりできます。また,PFM - Analysisがサポートしていないプログラムが収集した稼働性能情報についても,データをインポートすることによってPAMDBで管理できます。
収集した稼働性能情報から,システムの稼働性能を分析します。PFM - Analysisで稼働性能を分析すると,次のようなことができます。
- システム全体の稼働状況の把握
- システムの稼働状況を把握するには,システム構成,およびシステムを構成する機器の情報を統合的に監視する必要があります。PFM - Analysisでは,監視対象の稼働性能をしきい値で判定し,その結果を危険度として表示します。危険度は,アイコンで表示されるため,システムのどの部分に問題があるのかをすぐに把握できます。また,時刻を指定すると過去のシステム構成や危険度などの情報も表示できるため,時間の経過によって稼働状況がどのように変化したかを確認することもできます。
- 問題点の切り分け支援
- システムで障害が発生した場合に,システム構成や稼働性能情報の相関性などから,障害の原因になっている可能性が高い個所を絞り込み,問題点の一次切り分けに有効な情報を提供します。
収集した稼働性能情報から将来の値や稼働性能が危機的状況になる時期を予測できます。予測によって問題発生の可能性が高い個所が把握でき,また,複数の監視対象の稼働性能を比較できるため,ボトルネックとなる可能性が高い個所を相対的に把握できます。これによって,性能の低下や問題発生が予測される個所から重点的にチューニングしたり,システムを補強したりなど,プロアクティブなシステム管理が実現できます。
システムの運用では,利用者の問題を把握し,最適な状態でシステムを稼働できるような対策・改善を続ける必要があります。
PFM - Analysisでは,収集した稼働性能情報や分析結果をレポートとして保存できます。これらの情報は,システム改善に向けた設備投資を検討する際に役立ちます。
PFM - Analysisは,JP1/IMと連携して運用できます。JP1イベントや,オブジェクト,メトリックの状態を表すアイコンを使って,PFM - AnalysisとほかのJP1製品を,同じ画面で監視できるようになります。
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