JP1/Performance Management - Agent Option for Service Response
ディスク占有量は,パフォーマンスデータを収集するレコード数によって変化します。
PFM - Agent for Service Responseのディスク占有量の見積もりについて説明します。
- <この項の構成>
- (1) システム全体のディスク占有量
- (2) Storeデータベース(Storeバージョン1.0)のディスク占有量
- (3) Storeデータベース(Storeバージョン2.0)のディスク占有量
(1) システム全体のディスク占有量
システム全体のディスク占有量の見積もりを次に示します。
表A-1 システム全体のディスク占有量
PFM - Agent for Service Responseの状態 ディスク占有量(単位:メガバイト) インストール時 15 運用時 150+(8*R)+W
- (凡例)
- W:Storeデータベースで使用するディスク占有量
- R:計測条件数
Storeデータベースで使用するディスク占有量は,PIレコードタイプのレコードのディスク占有量とPDレコードタイプのレコードのディスク占有量の合計で計算されます。
レコードタイプごとのディスク占有量の見積もり式については,次で説明します。
(2) Storeデータベース(Storeバージョン1.0)のディスク占有量
Storeデータベース(Storeバージョン1.0)のディスク占有量について説明します。
(a) 見積もり式
Storeデータベースでは,各レコードは,レコードタイプごとに一つのファイルに格納されます。Storeデータベース(Storeバージョン1.0)のディスク占有量について,レコードタイプごとに次の表に示します。
表A-2 レコードタイプごとのStoreデータベースのディスク占有量
レコードタイプ ディスク占有量の見積もり式(単位:バイト) PIレコードタイプ X1+.....+Xa+3,500*a PDレコードタイプ Y1+.....+Yb+700*b
- (凡例)
- X:PIレコードタイプのレコードで履歴データを収集する各レコードのディスク占有量
- Xの算出式を次に示します。
- X={d*e+(c+1,900)*{(d*e)/(65,250-c)+1}※1}*f*1.5
- Y:PDレコードタイプのレコードで履歴データを収集する各レコードのディスク占有量
- Yの算出式を次に示します。
- Y={d*g+(c+1,900)*{(d*e)/(65,250-c)+1}※1*(g/e)※2}*1.5
- a:PIレコードタイプのレコードで履歴データを収集するレコード数
- b:PDレコードタイプのレコードで履歴データを収集するレコード数
- c:履歴データを収集する各レコードの固定部のサイズ※3
- d:履歴データを収集する各レコードの可変部のサイズ※3
- e:履歴データを収集する各レコードのインスタンス数※4
- f:履歴データを収集する各レコードの保存レコード数(インスタンス数は考慮しません)※5
- g:履歴データを収集する各レコードの保存レコード数の上限値※6
- 注※1
- {(d*e)/(65,250-c)+1}の計算結果は,小数点以下を切り捨ててください。
- 注※2
- (g/e)の計算結果は,小数点以下を切り捨ててください。
- 注※3
- 各レコードの固定部および可変部のサイズについては,「9. レコード」を参照してください。
- 注※4
- 各レコードのインスタンス数は次のとおりです。
- HTTP(PI_HTP),HTTPS(PI_HTPS),SMTP(PI_SMTP),POP3(PI_POP3),IMAP4(PI_IMP4),DNS(PI_DNS),DHCP(PI_DHCP),FTP(PI_FTP),TCP(PI_TCP)の場合
- 各サービスを計測する計測条件数
- Web Transaction(PI_WT)の場合
- Webトランザクションを計測する計測条件数×9
- Web Transaction Overview(PI_WTO)の場合
- Webトランザクションを計測する計測条件数
- User Defined Service(PI_UDEF)の場合
- ユーザー定義サービスを計測する計測条件数
- Service Summary Interval(PI_PI)の場合
- すべての計測条件数
- 注※5
- PIレコードタイプのレコードの場合,収集したデータがある一定の区分(時,日,週,月,および年単位)に自動的に要約されるので,分,時,日,週,月,および年の部分の保存レコード数を考慮して計算する必要があります。デフォルトの保存期間と保存レコード数を次の表に示します。
データの種類 保存期間 保存レコード数
(収集間隔が1分の場合)分単位 1日 1,440 時単位 7日 168 日単位 1年 366 週単位 1年 53 月単位 1年 12 年単位 制限なし (収集年数)*1
- 注※6
- 保存レコード数については,「付録E.1 Agent Storeサービスのプロパティ一覧」を参照してください。
(b) 見積もり例
ここでは,次の前提条件を持つPIレコードタイプのHTTP(PI_HTP)の見積もり例を示します。
- PI_HTP以外のPIレコードタイプを保存設定していないこと。
- 表A-2の凡例に示した変数a〜gが,次の値であること。
a=1 c=681 d=360 e=2 f=2,039
- (fの求め方)
- PI_HTPの収集間隔を1分,年単位の収集年数を1年として,保存期間の設定が表A-3の注※4のとおりである場合。
1,440+168+366+52+12+1=2,039レコード g=2,039この場合,表A-2のXの算出式は,次のとおりとなります。
X={d*e+(c+1,900)*{(d*e)/(65,250-c)+1}}*f*1.5 ={360*2+(681+1,900)*{(360*2)/(65,250-681)+1}}*2,039*1.5 ={720+2,581*{720/64,569+1}}*2,039*1.5 ={720+2,581*1}*2,039*1.5 =3,301*2,039*1.5 =10,096,108.5(バイト) =約9.6(MB)
(3) Storeデータベース(Storeバージョン2.0)のディスク占有量
Storeデータベース(Storeバージョン2.0)のディスク占有量について説明します。
(a) 見積もり式
ディスク占有量,ファイル数,およびディレクトリ数の見積もりについて説明します。
●ディスク占有量
Storeデータベースのディスク占有量は,レコードタイプごとのディスク占有量の総和となります。PIレコードタイプについては,さらに要約区分ごとのディスク占有量の総和となります。
- 注意
- パフォーマンスデータがStoreデータベースに格納される際,幾つかのフィールドが追加されます。追加されるフィールドは,ディスク占有量に含まれるため,新たに容量を見積もる必要はありません。各レコードに共通して追加されるフィールドはStoreバージョン1.0と同じです。詳細については,「(2) Storeデータベース(Storeバージョン1.0)のディスク占有量」を参照してください。
- レコードタイプごとのディスク占有量Xの見積もり式(単位:バイト)
X={(e+2)*f+(d+60)*{((e+2)*f)/(65,250-d)+1}※1}*a/b*(c+1)*1.1- a:レコードタイプ,要約区分ごとに値が異なります。表A-3を参照してください。
- b:レコードタイプ,要約区分ごとに値が異なります。表A-3を参照してください。※2
- c:履歴データの保存期間設定値※3。レコードタイプ,要約区分ごとに指定する単位が異なります。単位については表A-3を参照してください。
- d:履歴データを収集する各レコードの固定部のサイズ※4
- e:履歴データを収集する各レコードの可変部のサイズ※4
- f:履歴データを収集する各レコードのインスタンス数(単数インスタンスレコードの場合は1)※5。インスタンス数が2以上の場合,4の倍数に丸め込みます。例えばインスタンス数が2の場合は,f=4となります。インスタンス数が13の場合は,f=16となります。インスタンス数が1の場合は,f=1となります。
表A-3 a,b,およびcに設定する値
レコードタイプ 要約区分 a b c PI 分 1,440 1+(g-1)/60※2 保存期間(単位:日) 時 24 1+(g-1)/3,600※2 保存期間(単位:日) 日 7 1+(g-1)/86,400※2 保存期間(単位:週) 週 1 1+(g-1)/604,800※2 保存期間(単位:週) 月 1 1+(g-1)/2,592,000※2 保存期間(単位:月) 年 1 1+(g-1)/31,622,400※2 保存期間(単位:年) PD − 1,440 g/60 保存期間(単位:日) PL − 1,440 g/60 保存期間(単位:日)
- (凡例)
- g:履歴データの収集インターバル設定値(単位:秒)
- −:該当しない
- 注※1
- {((e+2)*f)/(65,250-d)+1}の計算結果は,小数点以下を切り捨ててください。
- 注※2
- PIレコードタイプのbの計算結果は,小数点以下を切り捨ててください。
- 注※3
- Storeバージョン2.0のデフォルトの保存期間を次の表に示します。
レコードタイプ データの種類 保存期間 PI 分単位 1日 時単位 7日 日単位 54週 週単位 54週 月単位 12か月 年単位 制限なし PD − 7日
- (凡例)
- −:該当しない
- 注※4
- 各レコードの固定部・可変部のサイズについては,「9. レコード」のレコードサイズを参照してください。
- 注※5
- レコードごとのインスタンス数については,「(2) Storeデータベース(Storeバージョン1.0)のディスク占有量」を参照してください。
●ファイル数
Storeデータベースで作成されるファイル数Nの見積もり式を次に示します。
N=20+2*( (A11+A12+...+A1m+m)+ (A21+A22+...+A2m+m)+ (A31+A32+...+A3m+m)+ (A41+A42+...+A4m+m)+ (A51+A52+...+A5m+m)+ (11*m)+ (B1+B2+...+Bn+n) )m:PIレコードタイプで収集しているレコードの数
n:PDレコードタイプで収集しているレコードの数
A11〜A1m:PIレコードタイプのレコードごとの分レコードの保存期間設定値(単位:日)
A21〜A2m:PIレコードタイプのレコードごとの時レコードの保存期間設定値(単位:日)
A31〜A3m:PIレコードタイプのレコードごとの日レコードの保存期間設定値(単位:週)
A41〜A4m:PIレコードタイプのレコードごとの週レコードの保存期間設定値(単位:週)
A51〜A5m:PIレコードタイプのレコードごとの月レコードの保存期間設定値(単位:月)
B1〜Bn:PDレコードタイプのレコードごとの保存期間設定値(単位:日)
●ディレクトリ数
Storeデータベースで作成されるディレクトリ数Nの見積もり式を次に示します。
N=25+2*((A1max)+(A2max)+(A3max)+(A4max)+(A5max)+11+(Bmax))A1max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「分」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:日)
A2max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「時」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:日)
A3max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「日」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:週)
A4max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「週」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:週)
A5max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「月」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:月)
Bmax:PDレコードタイプのレコードごとの保存期間設定値の最大値(単位:日)
●Storeサービスがオープンするファイル数
Storeサービスがオープンするファイル数Nの見積もり式を次に示します。
N=20+2*(6*l+m)l:PIレコードタイプで収集しているレコードの数
m:PDレコードタイプで収集しているレコードの数
(b) 見積もり例
PFM - Agent for Service ResponseのStoreデータベース(Storeバージョン2.0)の見積もり例について説明します。
●ディスク占有量
PI_HTPレコードを収集する設定にした場合を例に挙げて説明します。「(3)(a) 見積もり式」の見積もり式で示した変数が次の値とします。
d=681(バイト) e=360(バイト) f=4 g=60(秒)次に,分レコード,時レコードなどそれぞれの計算を行います。
- 分レコード
- 変数を次の値とします。
a=1,440 b=1+(60-1)/60 =1.98... =1(小数点以下切り捨て) c=3(日)- 見積もり式を次に示します。
X(分)={(360+2)*4+(681+60)*{((360+2)*4)/(65,250-681)+1}}*1,440/1*(3+1)*1.1 = {362*4+741*1}*1,440*4*1.1 = 2,189*1,440/1*4*1.1 = 13,869,504(バイト) = 約13(MB)
- 時レコード
- 変数を次の値とします。
a=24 b=1+(60-1)/3,600 =1.01... =1(小数点以下切り捨て) c=3(日)- 見積もり式を次に示します。
X(時)={(360+2)*4+(681+60)*{((360+2)*4)/(65,250-681)+1}}*24/1*(3+1)*1.1 = {362*4+741*1}*24*4*1.1 = 2,189*24*4*1.1 = 231,158.4(バイト) = 約0.2(MB)
- 日レコード
- 変数を次の値とします。
a=7 b=1+(60-1)/86,400 =1.00... =1(小数点以下切り捨て) c=1(週)- 見積もり式を次に示します。
X(日)={(360+2)*4+(681+60)*{((360+2)*4)/(65,250-681)+1}}*7/1*(1+1)*1.1 = {362*4+741*1}*7*2*1.1 = 2,189*7*2*1.1 = 33710.6(バイト) = 約0.03(MB)
- 週レコード
- 変数を次の値とします。
a=1 b=1+(60-1)/604,800 =1.00... =1(小数点以下切り捨て) c=1(週)- 見積もり式を次に示します。
X(週)={(360+2)*4+(681+60)*{((360+2)*4)/(65,250-681)+1}}*1/1*(1+1)*1.1 = {362*4+741*1}*1*2*1.1 = 2,189*1*2*1.1 = 4815.8(バイト) = 約0.005(MB)
- 月レコード
- 変数を次の値とします。
a=1 b=1+(60-1)/2,592,000 =1.00... =1(小数点以下切り捨て) c=1(月)- 見積もり式を次に示します。
X(月)={(360+2)*4+(681+60)*{((360+2)*4)/(65,250-681)+1}}*1/1*(1+1)*1.1 = {362*4+741*1}*1*2*1.1 = 2,189*1*2*1.1 = 4815.8(バイト) = 約0.005(MB)
- 年レコード
- 変数を次の値とします。
a=1 b=1+(60-1)/31,622,400 =1.00... =1(小数点以下切り捨て) c=10(固定)- 見積もり式を次に示します。
X(年)={(360+2)*4+(681+60)*{((360+2)*4)/(65,250-681)+1}}*1/1*(10+1)*1.1 = {362*4+741*1}*1*11*1.1 = 2,189*1*11*1.1 = 26486.9(バイト) = 約0.03(MB)以上から,PI_LOGDレコードの見積もりは次のようになります。
X(合計)=X(分)+X(時)+X(日)+X(週)+X(月)+X(年) =13.27(MB) =約13(MB)●ファイル数
PI_HTPおよびPI_HTPSレコードを収集する場合を例に挙げて説明します。「(3)(a) 見積もり式」の見積もり式で示した変数が次の値とします。
m=2 n=なし A11〜A1m=3(日) A21〜A2m=3(日) A31〜A3m=1(週) A41〜A4m=1(週) A51〜A5m=1(月) B1〜Bn=不要Storeデータベースで作成されるファイル数Nの見積もり式を次に示します。
N=20+2*( (A11+A12+...+A1m+m)+ (A21+A22+...+A2m+m)+ (A31+A32+...+A3m+m)+ (A41+A42+...+A4m+m)+ (A51+A52+...+A5m+m)+ (11*m) ) =20+2*{(3+3+2)+(3+3+2)+(1+1+2)+(1+1+2)+(1+1+2)} =20+2*{8+8+4+4+4} =20+2*28 =76●ディレクトリ数
PI_HTPおよびPI_HTPSレコードを収集する場合を例に挙げて説明します。
「(3)(a) 見積もり式」のディレクトリ数の見積もり式で示した変数が次の値とします。
A1max=3(日)(考え方:PI_HTPが2日,PI_HTPSが3日の場合は3日となります) A2max=3(日) A3max=1(週) A4max=1(週) A5max=1(月) Bmax=なしStoreデータベースで作成されるディレクトリ数Nの見積もり式を次に示します。
N=25+2*((A1max)+(A2max)+(A3max)+(A4max)+(A5max)+11+(Bmax)) =25+2*(3+3+1+1+1+11) =25+2*20 =65●Storeサービスがオープンするファイル数
PI_HTPおよびPI_HTPSレコードを収集する場合を例に挙げて説明します。
「(3)(a) 見積もり式」の見積もり式で示した変数が次の値とします。
l=2 m=0Storeサービスがオープンするファイル数Nの見積もり式を次に示します。
N=20+2*(6*2) =20+2*12 =44
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