JP1/Power Monitor
JP1/Cm2またはHP OpenViewと連携する場合の操作について説明します。
JP1/Cm2の詳細については,マニュアル「統合ネットワーク管理システム ネットワークノードマネージャ ネットワーク管理ガイド」を参照してください。HP OpenViewの詳細については,製品のマニュアルを参照してください。
- <この項の構成>
- (1) JP1/Cm2/NNMまたはHP OpenView NNMのIP Mapの表示
- (2) JP1/Cm2/NNMまたはHP OpenView NNMのノードサブマップの表示
- (3) JP1/Cm2またはHP OpenViewと連携する場合のメニュー
- (4) シンボルの作成(指定ホストの場合)
- (5) シンボルの作成(すべてのホストの場合)
- (6) シンボルの初期化
- (7) ステータス・イベントブラウザーを使った監視
- (8) オブジェクトの定義
- (9) SNMPトラップ
- (10) SNMPトラップに任意の送信元IPアドレスを設定する
- (11) SNMPトラップの認証用コミュニティ名を変更する
(1) JP1/Cm2/NNMまたはHP OpenView NNMのIP Mapの表示
JP1/Cm2/NNMまたはHP OpenView NNMのovwコマンドを実行し,IP Mapを表示します。ovwコマンドの実行方法については,マニュアル「統合ネットワーク管理システム ネットワークノードマネージャ ネットワーク管理ガイド」を参照してください。
(2) JP1/Cm2/NNMまたはHP OpenView NNMのノードサブマップの表示
JP1/Cm2/NNMまたはHP OpenView NNMのIP Mapで,状態を表示したいホストのシンボルをダブルクリックすると,ノードサブマップが表示されます。ノードサブマップに表示されるシンボルについて次の図に示します。
図C-2 ノードサブマップに表示されるシンボルの形式
シンボルは,JP1/Power Monitorの状態を表します。JP1/Power Monitorの状態は,jaomovsdコマンドによって通知されます。ステータスは,JP1/Power Monitorの状態が変わるたびに更新されます。ステータスとJP1/Power Monitorの状態の関係を次の表に示します。
表C-1 ステータスとJP1/Power Monitorの状態の関係
ステータス 色 JP1/Power Monitorの状態 正常域 緑 正常に動作中 警戒域 黄 JP1/Power Monitorの一部機能停止
スケジュール運転の停止
機能の停止危険域 赤 JP1/Power Monitorの停止 認識不能 青 状態不明
(3) JP1/Cm2またはHP OpenViewと連携する場合のメニュー
JP1/Cm2またはHP OpenViewと連携する場合のメニューは,IP Mapまたはノードサブマップのメニューから[管理]−[JP1/AOMの管理]を選択すると表示されます。JP1/Cm2またはHP OpenViewと連携する場合の管理メニューと機能を次の表に示します。次の表では,[管理]より下のメニューを示します。
このメニューは,マネージャーでjaomovsupコマンドによって環境設定をした場合にだけ表示されます。
表C-2 JP1/Cm2またはHP OpenView連携の管理メニューと機能
メニュー メニューコマンド 機能 JP1/AOMの管理 状態表示 IP Mapで選択したホストの運転情報を表示する。 スケジュール IP Mapで選択したホストの運転スケジュール情報を表示する。 シンボルの作成 指定ホストに シンボルが自動作成されないオブジェクトにシンボルを作成する。 すべてのホストに SNMPトラップによって作成されたJP1/Power Monitorの管理オブジェクトに対するすべてのIPMap上に,"JP1AOM"シンボルを新規作成する。 シンボルの初期化 認識不能 ノードサブマップ上で選択したJP1/Power Monitorのシンボルを認識不能の状態にする。 正常 ノードサブマップ上で選択したJP1/Power Monitorのシンボルを正常の状態にする。
通常,シンボルは,JP1/Cm2またはHP OpenViewのovwコマンド実行時に自動的に作成されます。ただし,JP1/Cm2またはHP OpenViewのエージェント上のJP1/Power MonitorがJP1/Cm2またはHP OpenView連携機能をサポートしていない場合や,エージェントからSNMPトラップが送信されない場合は,"JP1AOM"シンボルは,自動作成されません。このような場合に,指定したホストにシンボルを作成する手順を次に示します。
- IP Mapで,シンボルを作成するホストのオブジェクトを選択する。
- メニューバーの[管理]−[JP1/AOMの管理]を選択する。
- オプションメニューの[シンボルの作成]−[指定ホストに]を選択する。
選択したホストのノードサブマップを開くと,シンボルが作成されています。
JP1/Cm2またはHP OpenViewのovwコマンド実行後に追加されたホストがあった場合などに,SNMPトラップによって作成されたJP1/Power Monitorの管理オブジェクトに対するすべてのノードサブマップ上に,"JP1AOM"シンボルを作成します。作成する手順を次に示します。
- メニューバーの[管理]−[JP1/AOMの管理]を選択する。
- オプションメニューの[シンボルの作成]−[すべてのホストに]を選択する。
SNMPトラップによって作成されたJP1/Power Monitorの管理オブジェクトに対するすべてのノードサブマップ上にシンボルが作成されます。
JP1/Cm2/NNMまたはHP OpenView NNMのノードサブマップ上のシンボルの色を初期化します。初期化する手順を次に示します。
- 初期化したいシンボルを選択する。
- メニューバーの[管理]−[JP1/AOMの管理]を選択する。
- オプションメニューの[シンボルの初期化]から,[認識不能]または[正常]を選択する。
[認識不能]を選択すると,ステータスが認識不能になります。
[正常]を選択すると,ステータスが正常になります。
ステータス・イベントブラウザーに表示されるメッセージの見方について説明します。JP1/Cm2/NNMまたはHP OpenView NNMが,JP1/Power Monitorからイベントを受け取ると,ステータス・イベントブラウザーにメッセージが表示されます。ステータス・イベントブラウザーの重要度欄には,受け取ったイベントの重要度が表示されます。イベントが正常の場合,重要度欄には正常域と表示されます。イベントが正常以外の場合,重要度欄には注意域と表示されます。
受け取ったイベントの詳細は,JP1/Cm2/NNMまたはHP OpenView NNMの[イベント設定/イベントの変更]ダイアログボックスで確認できます。イベントの設定内容は,変更しないでください。
JP1/Power Monitorがステータス・イベントブラウザーに表示するメッセージは次のとおりです。
- オブジェクト名
ホスト名:JP1AOM
- ステータス
表C-1で示したステータスのうちのどれか。
- 挿入語句
JP1/Power Monitorの状態が変更になった場合,その情報の詳細が表示されます。表示されるメッセージを次の表に示します。
表C-3 JP1/Power Monitorの状態を示すメッセージ
ステータス メッセージ 正常域 JP1/AOM started 警戒域 Scheduled Operation inactive Districted operation inactive 危険域 JP1/AOM terminate
(8) オブジェクトの定義
JP1/Power MonitorのJP1/Cm2またはHP OpenView連携機能で使用されるオブジェクトの形式を示します。
(a) 選択名
JP1/Cm2またはHP OpenViewと連携する場合に使用されるオブジェクトの選択名は,次の形式になります。
- ホスト名:ラベル名
- ホスト名
エージェントのホスト名
- ラベル名
AOM
JP1/Power Monitorの追加フィールドを次の表に示します。
表C-4 JP1/Power Monitorの追加フィールド
フィールド名 タイプ フラグ 内容 isJP1AOM boolean capability JP1/Power Monitorの管理オブジェクトを表す。
- 0
- JP1/Power Monitorの管理オブジェクトでない
- 1
- JP1/Power Monitorの管理オブジェクトである
jp1aomStatus Enumeration capability JP1/Power Monitorが作成したシンボルに対応する動作状態を表す。
- Normal:正常動作中
- Minor:一部機能停止
- Critical:停止中
- Unknown:認識不能
jp1aomSymboltype Enumeration capability JP1/Power Monitorが作成するシンボルのタイプを表す。
"software:Process"
JP1/Cm2またはHP OpenViewに通知するSNMPトラップを次の表に示します。
表C-5 SNMPトラップ
企業ID .1.3.6.1.4.1.116.7.17.6 標準トラップ番号 6 拡張トラップ番号 1,2
- 1
- 重要度が正常域のトラップ
- 2
- 重要度が注意域のトラップ
オブジェクトID 企業ID.1.1.0 企業ID.1.2.0 企業ID.1.3.0 企業ID.1.4.0 値のシンタックス OctetString OctetString OctetString OctetString 値 シンボルのラベル名 シンボル・タイプ シンボルのステータス(次のステータスのどれかが設定される)
Normal:正常域
Warning:注意域
Minor:警戒域
Major:重要警戒域
Restricted:制限動作中
Critical:危険域
Unknown:認識不能
Testing:テスト中
Disabled:使用不可ステータス・イベントブラウザーに出力するメッセージの詳細情報
(10) SNMPトラップに任意の送信元IPアドレスを設定する
NNM連携機能を使用する場合,送信するSNMPトラップの送信元IPアドレスをユーザーが任意に設定できます。ただし任意にIPアドレスを設定した場合,そのトラップの送信元は,設定したIPアドレスに固定されます。ホストのIPアドレスを変更した場合やJP1/Power Monitorをバージョンアップして下記のjaomovtrapコマンドのモジュールが置き換わった場合には,送信元アドレスの設定に注意してください。
送信元アドレスに任意のIPアドレスを指定する方法を下記に示します。
- /usr/bin/jp1_aom/OV/jaomovtrapコマンド(スクリプトファイル)をエディターなどで開きます。
ファイルは,下記のような内容になっています。
#! /bin/sh # All Rights Reserved, Copyright (C) 2000, Hitachi,Ltd. MADDRS= OID=".1.3.6.1.4.1.116.7.17.6" AADDR="" :- 5行目の「AADDR=""」を,「AADDR="任意のIPアドレス"」と修正する。
(11) SNMPトラップの認証用コミュニティ名を変更する
NNM連携機能を使用する場合,送信されるSNMPトラップの認証用コミュニティ名は"public"を使用します。このコミュニティ名は,次の方法で設定が変更できます。セキュリティ監査などに対応する場合,この設定を使用してください。
(a) 状態通知時のsnmptrap発行時(SNMPエージェント側での設定)
テキストエディタで/usr/bin/jp1_aom/OV/jaomovtrapコマンドのスクリプトファイルを編集します。
- /usr/bin/jp1_aom/OV/jaomovtrapコマンドのバックアップファイルを作成する。
jaomovtrapコマンドを編集する場合には,編集前に必ずバックアップを行う必要があります。
# cp -p /usr/bin/jp1_aom/OV/jaomovtrap /usr/bin/jp1_aom/OV/jaomovtrap_bkup- jaomovtrapコマンドからsnmptrapコマンドを発行している次の行を探します。
- snmptrapコマンドに,「-c コミュニティ名」のオプションを追加します。必ず,snmptrapと"$MADDR"の間に指定してください。
- 修正したjaomovtrapコマンドを保存します。
- 注意事項
- JP1/Power Monitorのパッチを適用する場合
- パッチ適用前に,操作3で編集したjaomovtrapコマンドを一時的に退避します。
# mv /usr/bin/jp1_aom/OV/jaomovtrap /usr/bin/jp1_aom/OV/jaomovtrap_com- 1で作成したバックアップファイルを元に戻します。
# mv /usr/bin/jp1_aom/OV/jaomovtrap_bkup /usr/bin/jp1_aom/OV/jaomovtrap- JP1/Power Monitorのパッチを適用します。
- jaomovtrapコマンドのバックアップファイルを作成します。
# cp -p /usr/bin/jp1_aom/OV/jaomovtrap /usr/bin/jp1_aom/OV/jaomovtrap_bkup- 1で退避していたjaomovtrapコマンドを戻します。
# mv /usr/bin/jp1_aom/OV/jaomovtrap_com /usr/bin/jp1_aom/OV/jaomovtrapJP1/Power Monitorパッチ適用後は,jaomovtrapコマンドのバックアップファイルを必ず作成してください。編集したjaomovtrapコマンドを配置したままでは,JP1/Power Monitorのパッチ適用に失敗します。
- JP1/Power Monitorを上書インストールする場合
- インストール前に,操作3で編集したjaomovtrapコマンドを一時的に退避します。
# mv /usr/bin/jp1_aom/OV/jaomovtrap /usr/bin/jp1_aom/OV/jaomovtrap_com- JP1/Power Monitorのインストールをします。
- jaomovtrapコマンドのバックアップファイルを作成します。
# cp -p /usr/bin/jp1_aom/OV/jaomovtrap /usr/bin/jp1_aom/OV/jaomovtrap_bkup- 1で退避していたjaomovtrapコマンドを戻します。
# mv /usr/bin/jp1_aom/OV/jaomovtrap_com /usr/bin/jp1_aom/OV/jaomovtrapJP1/Power Monitorのインストール時にjaomovtrapコマンドは上書かれます。
なお,JP1/Power Monitorインストール後はjaomovtrapコマンドのバックアップファイルを必ず作成してください。
(b) NNM側でシンボル色を変更する際に発行するsnmptrap発行時(NNM側での設定)
テキストエディタで/usr/bin/jp1_aom/OV下のjaomovset,jaomovset2コマンドのスクリプトファイルを編集します。なお,これらのコマンドはNNM連携の環境設定コマンドjaomovsupを実行した場合に作成されます。
- コマンドを発行している次の行を探します。
- snmptrapコマンドに,「-c コミュニティ名」のオプションを追加します。必ず,snmptrapと`hostname`の間に指定してください。
- 修正ファイルをセーブします。
- 注意事項
- /usr/bin/jp1_aom/OV下のjaomovset,jaomovset2コマンドはNNM連携の環境設定コマンドjaomovsupを実行した場合,コマンドが置き換えられます。jaomovsupコマンドを実行した場合は,上記の設定を再度行ってください。
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