JP1/Base 運用ガイド

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15.5.1 OS共通のトラブル

Windows,UNIX共通で発生する主なトラブルを次に示します。

表15-5 OS共通のトラブル

項番 トラブルの内容
1 短時間に大量のJP1イベントが発生し,登録遅延,転送遅延が発生した。
2 イベントデータベースが破損した。
3 JP1/Baseを起動すると,「SESエミュレータ用のポートIDが定義されていません」のメッセージが出力される。
<この項の構成>
(1) 短時間に大量のJP1イベントが発生し,登録遅延,転送遅延が発生した。
(2) イベントデータベースが破損した。
(3) JP1/Baseを起動すると,「SESエミュレータ用のポートIDが定義されていません」のメッセージが出力される。

(1) 短時間に大量のJP1イベントが発生し,登録遅延,転送遅延が発生した。

障害の発生によって突発的に大量のJP1イベントが発生すると,障害が発生しているのに,障害通知のJP1イベントがJP1/IM - Viewに表示されるまでに時間が掛かったり,JP1イベントを契機にしたJP1/AJS2のジョブの実行が遅れたりすることがあります。障害が発生したホストの障害を復旧しイベントサービスを再起動しても,転送処理中となったJP1イベントは転送され続けます。

JP1イベントの大量発生によるマシンの負荷や業務への影響が大きく,どうしてもJP1イベントの転送を中止したい場合は,JP1イベントの転送元イベントサーバのイベントデータベースを初期化してください。なお,イベントデータベースに登録されているJP1イベントを保存したい場合は,あらかじめjevexportコマンドでイベントデータベースをcsvファイルに出力してください。

イベントデータベースの初期化の手順については,「6.6 イベントデータベースの初期化」を参照してください。

また,JP1イベントの大量発生を防止するために,転送するJP1イベントの条件を転送設定ファイルで調整してください。

(2) イベントデータベースが破損した。

イベントデータベースは,次に示す要因によって破損することがあります。

イベントデータベースが破損しても,イベントサービスは起動または続行し,新規のJP1イベントの登録や取得は正常に行えます。ただし,破損したレコードは,イベント検索や取得の対象外となります。また,イベントデータベースに破損したレコードが存在すると,JP1/IM - Viewからのイベント検索の性能が低下するおそれがあります。

イベントデータベースが破損すると,イベントログ,syslog,および統合トレースログにメッセージ(KAJP1057-W,KAJP1058-W,またはKAJP1059-E)が出力されます。これらのメッセージが出力された場合は,イベントデータベースを初期化してください。

イベントデータベースの初期化の手順については,「6.6 イベントデータベースの初期化」を参照してください。

(3) JP1/Baseを起動すると,「SESエミュレータ用のポートIDが定義されていません」のメッセージが出力される。

JP1/Baseの起動時に,「SESエミュレータ用のポートIDが定義されていません」のメッセージが出力される場合の要因と対処について説明します。

要因
servicesファイルにJP1/SES互換用のポートIDを指定していないためです。JP1/SES形式でイベントを送受信しない場合は問題ありません。

対処
JP1/SES,JP1/AJSおよびJP1/SESのプロトコルを利用した製品(JP1/OJEなど)とイベントの送受信を行う場合は,servicesファイルにJP1AutoJob(Windowsの場合),jesrd(UNIXの場合)を追加してください。ポート番号は任意です。

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