JP1/Base 運用ガイド
- <この項の構成>
- (1) 資料採取ツールを実行する
- (2) プロセスの状態を確認する
- (3) オペレーション内容を確認する
- (4) 画面上のエラー情報を採取する
- (5) ユーザーダンプを採取する(Windows VistaまたはWindows Server 2008の場合)
- (6) 問題レポートを採取する(Windows VistaまたはWindows Server 2008の場合)
(1) 資料採取ツールを実行する
資料採取ツール(jbs_log.bat)を実行します。
jbs_log.batを実行すると,同ホスト上のJP1/Baseの障害調査に必要な資料を採取できます。
資料採取ツールで採取する資料の総容量はご使用の環境によって大きく変化します。実行する前に次に示す方法で容量を見積もり,ご使用のマシンの空き容量を確認してください。
- jbs_log.batで物理ホストを指定した場合のデータサイズ
- jbs_log.batで物理ホストを指定し(オプションを指定しない),JP1/Baseおよびマシン環境情報の資料を採取するときは,以下の方法で採取する資料のサイズを見積もることができます。
- データサイズ = 5 + a + b + c + d MB
- a
- インストール先フォルダ\log\以下のデータサイズ(最大45MB※1)
- b
- インストール先フォルダ\sys\以下のデータサイズ(最大55MB※2)
- c
- ワトソンログおよびクラッシュダンプのデータサイズ
- d
- 以下のファイルの合計値
- システムドライブ(C:\WINNTなど)\system32\config\AppEvent.evt
- システムドライブ(C:\WINNTなど)\system32\config\SysEvent.evt
- 注※1 JP1/IM - Managerを同一のホストで使用する場合には,さらに142メガバイト必要です。
- 注※2 デフォルト値です。イベントデータベースのサイズを変更した場合には増加します。
- jbs_log.batで論理ホストを指定した場合のデータサイズ
- jbs_log.batで論理ホストを指定し,JP1/Baseおよびマシン環境情報の資料を採取するときは,以下の方法で採取する資料のサイズを見積もることができます。
- データサイズ = 5 + a + b + c + d + e + f MB
- a
- インストール先フォルダ\log\以下のデータサイズ(最大45MB※1)
- b
- インストール先フォルダ\sys\以下のデータサイズ(最大55MB※2)
- c
- ワトソンログおよびクラッシュダンプのデータサイズ
- d
- 以下のファイルの合計値
- システムドライブ(C:\WINNTなど)\system32\config\AppEvent.evt
- システムドライブ(C:\WINNTなど)\system32\config\SysEvent.evt
- e
- 共有フォルダ\jp1base\log\のデータサイズ(最大45MB※1)
- f
- 共有フォルダ\jp1base\event\のデータサイズ(最大55MB※2)
- 注※1 JP1/IM - Managerを同一のホストで使用する場合には,さらに142メガバイト必要です。
- 注※2 デフォルト値です。イベントデータベースのサイズを変更した場合には増加します。最大値の見積もりはリリースノートを参照してください。
フォルダのデータサイズは,エクスプローラ上で右クリックをして表示されるメニューの[フォルダのプロパティ]画面で確認できます。
各フォルダのディスク占有量の最大値の見積もりは,リリースノートを参照してください。
次にツールの実行例を示します。
c:\>c:\usertools\jbs_log.bat 資料格納フォルダ資料格納フォルダは,フルパスで指定してください。パスに空白を含む場合は,ダブルクォーテーションマーク(")で囲んで指定してください。
ツールを実行すると,資料格納フォルダに指定したディレクトリの下にjp1defaultフォルダが作成されます。-hオプションを指定した場合は,jp1defaultフォルダと論理ホスト名のフォルダが作成されます。各フォルダの下に,base_1stとbase_2ndのフォルダが作成され,そのフォルダの中に採取した資料がコピーされます。必要に応じて採取した資料を圧縮ツールなどで圧縮してください。
なお,jbs_log.batでは,コマンド実行履歴ファイルやイベントデータベースなどを採取しないオプションを提供しています。詳細については,「13. コマンド」の「jbs_log.bat(Windows限定)」を参照してください。
- 07-00以前のJP1/IM,JP1/AJS2をご使用の場合の注意事項
- JP1/Base 07-10では,資料採取ツールをカスタマイズしてJP1/IMおよびJP1/AJS2の資料を採取することはできません。JP1/IMおよびJP1/AJS2の資料を採取する場合は,各製品の資料採取ツールを個別に実行してください。
(2) プロセスの状態を確認する
Windowsのタスク マネージャを使って,プロセスの動作状態を確認してください。正常に動作している場合に表示されるプロセスを次に示します。なお,表内の( )内の数値は同時に実行できるプロセス数です。
親プロセス名 機能 子プロセス名 機能 hntr2srv.exe(1) 統合トレース起動用 − − hntr2mon.exe(1) 統合トレース − − jbs_service.exe(1) JP1/Baseプロセス管理起動用 − − jbs_spmd.exe(1) JP1/Baseプロセス管理※1 jbssessionmgr.exe(1) 認証サーバ※1※3
認証サーバとして設定したホスト上にだけ存在する。
jbs_spmd_statusコマンドを実行した場合の表示名はjbssessionmgrとなる。jbsroute.exe(1) 構成管理※1※3
jbs_spmd_statusコマンドを実行した場合の表示名はjbsrouteとなる。jcocmd.exe(1)
jcocmdexe.exe(1)
jcocmdapi.exe
(コマンド実行画面数※2+1(JP1/IM - Managerがインストールされている場合))コマンド実行※1※3
jbs_spmd_statusコマンドを実行した場合の表示名はjcocmdとなる。jbsplugind.exe プラグインサービス※1※3
jbs_spmd_statusコマンドを実行した場合の表示名はjbspluginとなる。jbshcd.exe(1) ヘルスチェック(自ホスト監視用)※1※3
jbs_spmd_statusコマンドを実行した場合の表示名はjbshcdとなる。jbshchostd.exe(1) ヘルスチェック(他ホスト監視用)※1※3
jbs_spmd_statusコマンドを実行した場合の表示名はjbshchostdとなる。jbapmsrvcecon.exe(1) 起動管理 powendar.exe(1) 電源制御
JP1/Power Monitorがインストールされていると,このプロセスが生成される。jevservice.exe(1) イベントサービス※1※4 jevsessvc.exe(1) イベントサービス
このプロセスは物理ホストでだけ生成される。jevtraplog.exe(1) ログファイルトラップ − ログファイルトラップ機能を使用した場合だけ生成される。 jevtrapevt.exe(1) イベントログトラップ − イベントログトラップ機能を使用した場合だけ生成される。 imevtgw.exe(1) SNMPトラップ変換 − SNMPトラップ変換機能を使用した場合だけ生成される。
- (凡例)
- −:なし
注※1 クラスタシステムで複数の論理ホストが一つの物理ホスト上で動作する場合,または一つの論理ホストと物理ホストが同時に起動される場合は,上記のプロセスの同時に実行できるプロセス数の上限は,(論理ホスト数+1)となります。
注※2 接続しているJP1/IM - Viewがコマンド実行画面を開いている数のことです。開いている画面数だけプロセス数が増えます。コマンド実行画面を閉じると,閉じた分だけプロセスは消滅します。
注※3 これらのプロセスの状態は,jbs_spmd_statusコマンドで確認できます。jbs_spmd_statusコマンドを実行して正常にプロセスが動作しているときの表示を次に示します。
- 認証サーバが設定されている場合
jbssessionmgr
jbsroute
jcocmd
jbsplugin
jbshcd
jbshchostd
- 認証サーバが設定されていない場合
jbsroute
jcocmd
jbsplugin
jbshcd
jbshchostd
注※4 これらのプロセスの状態は,jevstatコマンドで確認できます。jevstatコマンドを実行して正常にプロセスが動作しているときの表示を次に示します。
jevservice
(3) オペレーション内容を確認する
トラブル発生時のオペレーション内容を確認し,記録しておいてください。確認が必要な情報を次に示します。
- オペレーション内容の詳細
- 発生時刻
- マシン構成(各OSのバージョン,ホスト名,JP1/IM - Managerの構成)
- 再現性
- JP1/IM - Viewからログインしている場合のログインユーザー名
(4) 画面上のエラー情報を採取する
画面にエラーが表示された場合は,その情報も採取します。次に示すハードコピーを採取してください。
- エラーダイアログボックスのハードコピー
詳細ボタンがある場合は,その内容もコピーしてください。
(5) ユーザーダンプを採取する(Windows VistaまたはWindows Server 2008の場合)
Windows VistaまたはWindows Server 2008でJP1/Baseのプロセスがアプリケーションエラーで停止した場合,エラーダイアログが表示されている状態で,次の手順でユーザーダンプを採取してください。
- 注意事項
- エラーダイアログを消してしまうと正常なダンプは取得されないため,ユーザーダンプを採取できなくなってしまいます。誤って採取前にエラーダイアログを(OKボタンなどをクリックして)消してしまった場合は,現象を再現させてからユーザーダンプを採取してください。
- タスクマネージャを起動する。
タスクマネージャは次のどちらかの手順で起動できます。
- タスクバーの空いている場所で右クリックをして「タスクマネージャ」を選択する。
- CTRL+SHIFT+ESCキーを押してタスクマネージャを起動する。
- 「プロセス」タブをクリックする。
- アプリケーションエラーで停止したJP1/Baseのプロセス名を右クリックし,「ダンプファイルの生成」を選択する。
- ユーザーダンプの出力先パスを示すダイアログが表示されるので,そこから採取する。
(6) 問題レポートを採取する(Windows VistaまたはWindows Server 2008の場合)
Windows VistaまたはWindows Server 2008でJP1/Baseのプロセスがアプリケーションエラーで停止した場合,次の手順で問題レポートを採取してください。
- [ファイル名を指定して実行]のテキストボックスに「wercon」と入力し,[OK]ボタンをクリックする。
[問題のレポートと解決策]ダイアログが開きます。
- 左側の領域で,[問題の履歴の表示]をクリックする。
- 該当する問題をダブルクリックする。
問題レポートの詳細が表示されます。
- 「クリップボードにコピー」を選択する。
- コピーした内容を,テキストファイルにコピーして保存する。
保存した問題レポートを,障害調査用の資料として利用してください。
All Rights Reserved. Copyright (C) 2006, 2008, Hitachi, Ltd.