JP1/Base 運用ガイド
統合トレースログとは,各プログラムが出力するトレース情報を,統合トレース機能(HNTRLib2)を通じて,一つの出力先ファイルにまとめて採取するログ情報のことです。共通メッセージログより詳しい内容のメッセージが出力されます。
統合トレースログのデフォルトの出力先は次のとおりです。
- Windowsの場合
- システムドライブ\Program Files\Hitachi\HNTRLib2\spool\hntr2{1|2|3|4}.log
- UNIXの場合
- /var/opt/hitachi/HNTRLib2/spool/hntr2{1|2|3|4}.log
統合トレースログファイルは,任意のテキストエディターで参照できます。統合トレースログの出力例を次の図に示します。
図15-2 統合トレースログファイルの出力例
統合トレースログファイルに出力されるヘッダー情報と出力項目の説明を次の表に示します。
表15-1 統合トレースログファイルのヘッダー情報
ヘッダー情報 説明 OS情報 統合トレース機能が起動しているOSの情報が出力されます。 ホスト名 統合トレース機能が起動しているホスト名が出力されます。 タイムゾーン
- Windowsの場合
- OSのタイムゾーンが出力されます。
- UNIXの場合
- 統合トレースプロセスの環境変数TZが出力されます。
- 環境変数TZが設定されていない場合はUnknownと出力されます。
統合トレースログ機能起動時刻 統合トレース機能を起動した時刻が出力されます。 表15-2 統合トレースログファイルの出力項目
出力項目 説明 番号(4桁) トレースレコードの通番
番号はログを出力したプロセスごとに採番されます。日付(10バイト) トレースの取得日付:yyyy/mm/dd(年/月/日) 時刻(12バイト) トレースの取得時刻(ローカル時刻):hh:mm:ss.sss(時:分:秒.ミリ秒) AP名(16バイト以内) アプリケーションを識別するための名称(アプリケーション識別名)。
- プロセス管理
JBS_SPMD
- 起動管理
JP1ControlSvc
- 認証アクセス制御
jp1BsSess
- 操作権限アクセス制御
jp1BsAcl
- 認証サーバ
jbssessionmgr
- 構成管理
jbsroute
- コマンド実行(制御プロセス)
jcocmdrouter
- コマンド実行(JP1/Base間通信プロセス)
jcocmdcom
- コマンド実行(JP1/IM-M,JP1/Base間通信プロセス)
jcocmdapi
- コマンド実行(実行制御プロセス)
jcocmdexe
- コマンド実行(実行プロセス)
jcocmdcmc
- プラグインサービス
jbsplugin
- プラグイン(マネージャーコマンド)
jbsrmtcmd
- プラグイン(エージェントコマンド)
plAdapter_Event
- ヘルスチェック(自ホスト監視用)
jbshcd
- ヘルスチェック(他ホスト監視用)
jbshchostd
- イベントサービス
jevservice
- JP1/AJS互換プロセス
jevsessvc
- ログファイルトラップ(Windows)
jevtraplog
- ログファイルトラップ(UNIX)
jevlogd
- イベントログトラップ
jevtrapevt
- SNMPトラップ変換
jp1co_evtgw
- その他のコマンド名
コマンド名
pid プロセスID。OSが付けるプロセスID。 tid スレッドID。スレッドを識別するためのID。 メッセージID メッセージの出力形式で説明したメッセージID。この製品で使用するメッセージID。 メッセージテキスト 統合トレースログに出力されるメッセージのテキスト。この製品から出力されるメッセージテキスト。
- 注意
- 統合トレースログに出力されるログの時刻は,出力したプロセスのタイムゾーンでフォーマットされます。
- このため,環境変数TZを変更したユーザーなどがサービスを起動したり,コマンドを実行したりすると,OSに設定されているタイムゾーンと異なる時刻が出力されることがあります。
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