JP1/Base 運用ガイド

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7.1 イベント変換機能の設定の概要

JP1/Baseのイベントサービス機能では,ログメッセージおよびSNMPトラップをJP1イベントに変換するイベント変換機能を提供しています。変換された情報は,JP1シリーズのプログラムが発行するJP1イベントと同様にイベントサービスで管理できます。

アプリケーションプログラムのログファイル,Windowsのイベントログ,SNMPトラップをJP1イベントに変換する際,それぞれ専用のイベント変換機能を使用します。各イベント変換機能を次に示します。

ログファイルトラップ機能
アプリケーションプログラムのログファイルに出力される情報をJP1イベントに変換する機能です。
ログファイルトラップ機能を利用するには,動作定義ファイルを定義したあとコマンドを使ってログファイルトラップ機能を起動します。動作定義ファイルには,監視するログファイルの出力形式と,JP1イベントに変換したいログデータの条件を指定します。また,変換するログデータに対してイベントIDと重大度を任意に設定できます。重大度の指定を省略した場合はNoticeが仮定されます。詳細については,「7.2 アプリケーションプログラムのログファイルを変換する」を参照してください。

イベントログトラップ機能
Windowsのイベントログに出力される情報をJP1イベントに変換する機能です。
イベントログトラップ機能を利用するには,動作定義ファイルを定義したあとイベントログトラップ機能のサービスを起動します。動作定義ファイルには,JP1イベントに変換したいログの条件を指定します。ログの種別,種類,属性を組み合わせて詳細に条件を指定できます。イベントログトラップ機能によって変換されたJP1イベントのイベントIDは,00003A71で固定です。JP1イベントの重大度は,変換前のイベントログのログの種類に対応しています。詳細については,「7.3 Windowsのイベントログを変換する」を参照してください。

SNMPトラップ変換機能
HP OpenView NNMまたはJP1/Cm2/NNMが管理するSNMPトラップをJP1イベントに変換する機能です。ネットワークの障害,構成,および性能の情報を集中して管理したい場合に使用します。なお,以降の説明では,JP1/Cm2/NNMまたはHP Open View NNMをNNMと略します。
SNMPトラップ変換機能を利用するには,動作定義ファイル,およびフィルターファイルの設定をしたあと,NNMのサービスを起動します。NNMのサービスを起動するとSNMPトラップ変換機能が起動します。
なお,クラスタ運用する場合,SNMPトラップ変換機能は物理ホストでしか動作しません。SNMPトラップを変換したJP1イベントを論理ホストで管理したい場合は,論理ホストのイベントサービスにJP1イベントを転送するように設定します。
SNMPトラップ変換機能によって変換されたJP1イベントのイベントIDは,00003A80で固定です。JP1イベントの重大度は,デフォルトでSNMPトラップの重要度と対応づけられていますが,変更できます。JP1イベントの詳細については,「7.4 SNMPトラップを変換する」を参照してください。

アプリケーションプログラムが出力するログデータ,Windowsのイベントログ,およびSNMPトラップをJP1イベントに変換する際には,どのようなログデータやSNMPトラップを変換対象にするかを運用に応じて検討してください。

イベント変換機能の設定について,次節以降で説明します。

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