JP1/Base 運用ガイド

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1.11 JP1/Baseの互換性

この節では,バージョン8のJP1/Baseとイベントサービス機能で連携できる製品との互換性,また,バージョン8のJP1/Baseとバージョン6およびバージョン7のJP1/Baseとの互換性について説明します。

<この節の構成>
(1) JP1/Baseとイベントサービス機能で連携できる製品との互換性
(2) 旧バージョンのJP1/Baseとの互換性

(1) JP1/Baseとイベントサービス機能で連携できる製品との互換性

バージョン8のJP1/Baseは,イベントサービス機能を持つ以下に示す製品に対して上位互換を持ち,イベントのやり取りができます。

なお,JP1/IMを除く上記製品とイベントをやり取りする場合,一部制限が発生します。上記製品とバージョン8のJP1/Baseとの互換性の詳細については,「6.8 従来のイベントサーバとの互換性」を参照してください。

(2) 旧バージョンのJP1/Baseとの互換性

バージョン8のJP1/Baseは,バージョン6およびバージョン7のJP1/Baseと互換性を持ちます。ただし,次に示す場合には注意が必要です。

(a) セカンダリー認証サーバの設置を考えている場合

セカンダリー認証サーバの設置を考え,かつ,同一認証圏にJP1/Base 06-00が存在している場合,次に示す点に注意してください。

JP1/IM - View,JP1/AJS2 - Viewのログイン先ホストやジョブ管理ホスト(JP1/AJS2 - Manager)にインストールされたJP1/Baseが06-00の場合
接続先認証サーバが一つに限られるため,認証サーバへの接続に失敗すると,業務が停止してしまいます。なお,ジョブ実行ホストにインストールされたJP1/Baseは,どのバージョンでもかまいません。

JP1/IM - View,JP1/AJS2 - Viewのログイン先ホストやジョブ管理ホスト(JP1/AJS2 - Manager)にインストールされたJP1/Baseが06-51以降の場合
接続先認証サーバおよびジョブ実行ホストにインストールされたJP1/Baseは,どのバージョンでもかまいません。

(b) JP1/IMを使用していて構成定義を変更する場合

JP1/IMを使用していて構成定義を変更する場合,06-51以降のJP1/Baseでは,イベントサービスの転送設定ファイルが動的に反映(リロード)されますが,JP1/Base 06-00ではリロードされません。このため,JP1/Base 06-00ではイベントサービスを再起動する必要があります。

(c) JP1/IMを使用していてコマンド実行履歴がある場合

バージョン8では,コマンド実行履歴ファイル(ISAM)の保存形式が変更になりました。そのため,JP1/IMを使用していてコマンド実行履歴ファイルがある場合は,JP1/Baseのバージョンアップ後,JP1/IMの運用開始までの間に必ずjcocmdconvコマンドを実行してください。

このコマンドを実行すると,バージョン7以前のJP1/Baseに蓄積されたコマンド実行履歴ファイル(ISAM)を,バージョン8のコマンド実行履歴ファイル(ISAM)に移行できます。このコマンドを実行しなかった場合,バージョン7以前に蓄積されたコマンド実行履歴が参照できません。また,クラスタ運用時には,共有ディスクにアクセスできる状態で,実行系か待機系のどちらか一方から論理ホストに対し,jcocmdconvコマンドを1回だけ実行してください。

jcocmdconvコマンドの詳細については,「13. コマンド」の「jcocmdconv」を参照してください。

なお,コマンド実行履歴はマネージャーホスト(JP1/IMと同ホスト)のJP1/Baseだけに作成されます。

(d) JP1/IM用とJP1/AJS2用のJP1ユーザーの操作権限を設定する場合

JP1/IM 08-00とJP1/AJS2 08-00では,新たにJP1ユーザーの操作権限が追加されました。新たに追加されたJP1ユーザーの操作権限を設定する場合,認証サーバのバージョンが07-51以前では設定できません。

(e) JP1/IM用定義情報を収集および配布する場合

イベントサービスの定義情報の収集と配布や,JP1製品の定義情報を収集する場合,収集元,配布元のホスト,および収集先,配布先のホストにインストールされているJP1/Baseのバージョンを07-00以降にする必要があります。

(f) コマンドの戻り値を参照するシェルスクリプトを使用している場合

JP1/Base 06-71では,次に示すコマンドの戻り値が変更されました。

06-51以前のJP1/Baseで,上記コマンドの戻り値を参照するシェルスクリプトを使用していた場合,そのシェルスクリプトは,07-00以降のJP1/Baseで正常に動作しなくなるおそれがあります。このため,上記コマンドの戻り値の利用については見直しが必要です。各コマンドの戻り値については,「13. コマンド」を参照してください。

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