Collaboration - File Sharing システム管理者ガイド

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6.6 運用開始前のベースパス情報の設定

ここでは,運用開始前のベースパス情報の設定について,設定する画面,ベースパスの割り当てられ方,設定規則および設定例について説明します。

運用開始前のベースパス情報の設定は,[ファイル共有設定]ポートレットから表示される画面を使用して実行します。この設定は,ポータル管理グループに登録しているシステム管理者が実行します。

なお,[ファイル共有設定]ポートレットは,コミュニティのワークプレースからは使用できません。また,ポートレット機能を使用するためには,アプリケーションサーバが起動している必要があります。ポートレット機能を使用する前に,アプリケーションサーバの状態を確認してください。

注意
[ファイル共有]ポートレットを使用する(初めてログインする)のは,運用開始前のベースパス情報の設定,および最大許容サイズ情報の設定がすべて終了してからにしてください。デフォルトのベースパス情報および最大許容サイズ情報を登録したあと,デフォルト以外のベースパス情報および最大許容サイズ情報を設定しないでログインすると,作成する個人ルートフォルダ,グループルートフォルダおよびワークプレースルートフォルダには,デフォルトのベースパス情報および最大許容サイズ情報を基にベースパスおよび最大許容サイズが設定されます。
<この節の構成>
(1) 運用開始前にベースパス情報を設定する画面
(2) ベースパスの割り当てられ方
(3) ベースパス情報の割り当て条件の指定規則
(4) 運用開始前のベースパス情報の設定例

(1) 運用開始前にベースパス情報を設定する画面

デフォルトのベースパス情報を登録したあと,運用開始前にベースパス情報を設定します。運用開始前のベースパス情報の設定では,次に示す画面を使用します。

これらの画面では,次の表に示すベースパス情報の操作ができます。

表6-17 運用開始前に画面からできるベースパス情報の操作

項番 操作 操作する画面
1 ベースパス情報の参照
  • [ファイル共有設定]ポートレット
  • [ベースパス情報操作]画面
  • [プロパティ設定]画面
2 ベースパス情報の追加 デフォルトの新規登録 ×
デフォルトの追加 [ベースパス情報の追加]画面
デフォルト以外の追加 [ベースパス情報の追加]画面
3 ベースパス情報の削除 デフォルトの削除※1 [ベースパス情報操作]画面
デフォルト以外の削除 [ベースパス情報操作]画面
4 ベースパス情報の変更※2 [プロパティ設定]画面

(凡例)
×:操作できません。

注※1
デフォルトをすべて削除することはできません。少なくとも一つは登録しておく必要があります。

注※2
ベースパス情報の状態,最大予約可能容量,および最大使用可能容量を変更できます。なお,状態,最大予約可能容量,および最大使用可能容量以外の設定を変更したい場合は,変更したいベースパス情報を削除してから,変更したベースパス情報を新しく追加してください。ただし,すでに使用しているベースパス情報は削除できません。

各画面の操作方法,および画面の詳細については,マニュアル「Collaboration - File Sharing ユーザーズガイド」を参照してください。

(2) ベースパスの割り当てられ方

個人ルートフォルダ,コミュニティルートフォルダまたはグループルートフォルダを作成するときに,どのようにベースパスが割り当てられるかについて説明します。

(a) 個人ルートフォルダの場合

個人フォルダを使用するユーザが,ポータルを経由して初めてFile Sharingにアクセスしたときに,個人ルートフォルダが作成され,ベースパスが割り当てられます。条件種別ごとの割り当てられ方を次に示します。

条件種別が役職のとき
個人フォルダのベースパス情報を役職単位に割り当てる設定の場合,個人フォルダを使用するユーザのユーザ情報で役職に設定されている値と一致する条件値のベースパス情報のベースパスが,個人ルートフォルダに割り当てられます。

条件種別が所属組織のとき
所属組織単位に割り当てる設定の場合,個人フォルダを使用するユーザのユーザ情報で所属組織に設定されている値と一致する条件値のベースパス情報のベースパスが,個人ルートフォルダに割り当てられます。
(b) ワークプレースルートフォルダの場合

ユーザがコミュニティを作成するときに,コミュニティルートフォルダおよびワークプレースルートフォルダが作成され,ワークプレースルートフォルダにベースパスが割り当てられます。条件種別ごとの割り当てられ方を次に示します。

条件種別が役職のとき
コミュニティフォルダのベースパス情報を役職単位に割り当てる設定の場合,コミュニティを作成したユーザのユーザ情報で役職に設定されている値と一致する条件値のベースパス情報のベースパスが,ワークプレースルートフォルダに割り当てられます。

条件種別が所属組織のとき
所属組織単位に割り当てる設定の場合,コミュニティを作成したユーザのユーザ情報で所属組織に設定されている値と一致する条件値のベースパス情報のベースパスが,ワークプレースルートフォルダに割り当てられます。
(c) グループルートフォルダの場合

グループルートフォルダの作成コマンド(cfscrtgrpfldr)を実行してグループルートフォルダを作成したときに,ベースパスが割り当てられます。コマンド実行時の指定で代表組織の組織IDを指定するか,代表ユーザのユーザIDを指定するかで,割り当てられ方が異なります。コマンド実行時の指定ごとの割り当てられ方を次に示します。

代表組織の組織IDを指定するとき
代表組織の組織IDを指定してグループルートフォルダを作成すると,代表組織の組織IDまたは代表組織が属する組織の組織IDと一致する条件値のベースパス情報のベースパスが割り当てられます。代表組織が属する組織の組織IDと一致する条件値のベースパス情報が複数ある場合は,いちばん下位にある組織の組織IDを条件値とするベースパス情報のベースパスが割り当てられます。

代表ユーザのユーザIDを指定するとき
代表ユーザのユーザIDを指定してグループルートフォルダを作成すると,代表ユーザが所属する組織の組織IDと一致する条件値のベースパス情報のベースパスが割り当てられます。代表ユーザが所属する組織の組織IDと一致する条件値のベースパス情報が複数ある場合は,いちばん下位にある組織の組織IDを条件値とするベースパス情報のベースパスが割り当てられます。

(3) ベースパス情報の割り当て条件の指定規則

ベースパス情報に設定する割り当て条件の指定規則について説明します。

割り当て条件には,種別ごとに条件種別,条件値,パス,最大予約可能容量および最大使用可能容量を指定します。パス,最大予約可能容量および最大使用可能容量の指定規則については,デフォルトのベースパス情報を登録する場合の指定方法と同じです。デフォルトのベースパス情報の登録については,「6.4 デフォルトのベースパス情報の登録」を参照してください。

条件種別および条件値を指定する場合の規則を次に示します。

条件種別の指定規則
  • 種別ごとに条件種別を一つだけ指定できます。
  • 個人ルートフォルダまたはワークプレースルートフォルダのベースパス情報を設定する場合,指定できる条件種別は役職または所属組織です。
  • グループルートフォルダのベースパス情報を設定する場合,指定できる条件種別は組織IDです。

条件値の指定規則
  • 条件種別に役職を指定する場合,条件値には,ルートフォルダを作成するユーザのユーザ情報から参照できる役職と同じ値を指定します。
    ユーザ情報から参照できる役職は,Collaboration - Directory Accessのプロパティファイルで指定した役職に相当する属性名です。
  • 条件種別に所属組織を指定する場合,条件値には,ルートフォルダを作成するユーザのユーザ情報から参照できる所属組織と同じ値を指定します。
    ユーザ情報から参照できる所属組織は,Collaboration - Directory Accessのプロパティファイルで指定した所属組織に相当する属性名です。
  • 条件種別に組織IDを指定する場合,条件値には,ルートフォルダを作成するときに指定する代表組織の組織ID,または代表ユーザが所属する組織の組織IDを指定します。
    組織IDは,Collaboration - Directory Accessのプロパティファイルで指定した組織IDに相当する属性名です。

(4) 運用開始前のベースパス情報の設定例

運用開始前のベースパス情報の設定例について説明します。

デフォルトのベースパス情報を次のように登録している場合を考えます。デフォルトのベースパス情報の登録方法については,「6.4 デフォルトのベースパス情報の登録」を参照してください。

表6-18 デフォルトのベースパス情報を登録する例

項番 種別 条件種別 条件値 パス 最大予約可能容量 最大使用可能容量
1 個人フォルダ デフォルト G:\FILE1 20GB 20GB
2 コミュニティフォルダ デフォルト G:\FILE2 30GB 30GB
3 グループフォルダ デフォルト G:\FILE3 50GB 50GB

デフォルトのベースパス情報を登録したあと,[ベースパス情報の追加]画面を使用して,デフォルト以外のベースパス情報を追加します。

表6-19 運用開始前にベースパス情報を追加する例

項番 種別 条件種別 条件値 パス 最大予約可能容量 最大使用可能容量
1 個人フォルダ 所属組織 A事業所 E:\FILE1 20GB 20GB
2 個人フォルダ 所属組織 B事業所 F:\FILE1 10GB 10GB
3 グループフォルダ 組織ID A事業所の組織ID H:\FILE1 20GB 20GB
4 グループフォルダ 組織ID B事業所の組織ID I:\FILE1 10GB 10GB

個人フォルダの場合,ユーザが所属する組織がA事業所であればE:\FILE1,B事業所であればF:\FILE1,A事業所およびB事業所以外であればデフォルトのG:\FILE1が,個人ルートフォルダに対するベースパスとして割り当てられます。グループフォルダの場合,A事業所に所属するユーザのユーザIDまたは組織の組織IDを指定して作成するグループルートフォルダにはH:\FILE1,B事業所に所属するユーザのユーザIDまたは組織の組織IDを指定して作成するグループルートフォルダにはI:\FILE1,A事業所およびB事業所以外に所属するユーザまたは組織が作成するグループルートフォルダにはデフォルトのG:\FILE3が,ベースパスとして割り当てられます。なお,コミュニティフォルダ下のワークプレースルートフォルダについては,デフォルトのベースパス情報だけを設定して使用することになります。

このように設定した場合の運用については,「6.2.3(1) 最大許容サイズを設定した運用の考え方」を参照してください。