COBOL2002 ユーザーズガイド
管理者権限についての注意事項を次に示します。
管理者権限でプログラムを実行する場合,起動時にWindowsのユーザアカウント制御(UAC)の昇格ダイアログボックスが表示されます。また,ユーザが作成したバッチファイル内など,呼び出し元で設定した環境変数は,呼び出し先の管理者権限で動作するプロセスには引き継がれません。
これらを回避する場合は,呼び出し元のプログラムを管理者権限で実行してください。その際,次の点に注意してください。
テストデバッガ,カバレージは,管理者権限があるユーザ(Administratorユーザ,またはAdministratorsグループのユーザ)で実行してください。Administratorユーザ,またはAdministratorsグループのユーザ以外で実行すると,パスワードを求められる場合があります。この場合,パスワードを入力すれば実行できます。
インストールの時点で管理者権限に設定されているテストデバッガ,カバレージ関連のコマンド,および実行可能ファイルを次に示します。
テストデバッガ,カバレージは,標準権限で実行できますが,次に示す場合は管理者権限またはグローバルオブジェクトの作成権限が必要です。
テストデバッガ,カバレージを管理者権限で使用した場合は,デバッグ対象プログラムも管理者権限で動作します。標準権限で使用した場合は,デバッグ対象プログラムも標準権限で動作します。
なお,テストデバッガ,カバレージを標準権限で実行した場合は,Windowsリソース保護(WRP)の影響を受けるため,管理者権限で行ったときと実行結果が変わることがあります。
プログラムでISAMによる索引編成ファイルを使用する場合は,管理者権限で実行してください。管理者権限がない場合,ISAMによる索引編成ファイルにアクセスすると実行時エラーになります。
ISAMユティリティを使用する場合,管理者権限で実行してください。
また,ファイル/レコード定義でISAMによる索引編成ファイルを生成する場合は,ISAMユティリティを使用します。そのため,ファイル/レコード定義からISAMによる索引編成ファイルを生成する場合は,ファイル/レコード定義を管理者権限で実行してください。標準権限で起動したファイル/レコード定義からISAMによる索引編成ファイルを生成すると,ISAMユティリティの起動に失敗し,次に示すメッセージが表示されます。
"<ISAMのインストールフォルダ>※\ISAM\Bin\iskeydef.exe"を起動できません。 権限昇格エラーが発生しました。"<ISAMのインストールフォルダ>※\ISAM\Bin\iskeydef.exe"は標準権限では起動できません。
"<ISAMのインストールフォルダ>※\ISAM\Bin\iskeydef64.exe"を起動できません。 権限昇格エラーが発生しました。"<ISAMのインストールフォルダ>※\ISAM\Bin\iskeydef64.exe"は標準権限では起動できません。
使用するISAMユティリティによって,管理者権限での実行が必要かどうかが変わります。ISAMユティリティと管理者権限について説明します。
管理者権限での実行が必要なISAMユティリティを次に示します。
原則,管理者権限での実行が必要なISAMユティリティを次に示します。
ただし,セキュリティ上の問題で,管理者権限で実行できない場合は,コントロールパネルの[管理ツール]から[ローカルセキュリティポリシー]を使用して,標準権限にグローバルオブジェクトの作成権限を追加したユーザで実行してください。
グローバルオブジェクトの作成権限がないユーザで,これらのISAMユティリティを標準権限で実行した場合,定義ファイルの作成ユティリティ以外のISAMユティリティはエラーとなります。表示されるエラーメッセージを次の表に示します。
項番 | ISAMユティリティ | エラーメッセージ |
---|---|---|
1 |
|
KAIU001-E ISAMアクセス関数エラーが発生しました。(isopen) |
2 |
|
KAIU001-E ISAMアクセス関数エラーが発生しました。(normal,5) |
3 | isrenコマンド | KAIU001-E ISAMアクセス関数エラーが発生しました。(isrename,1010) |
また,管理者権限で起動したコマンドプロンプトでもエラーの原因を確認できます。次に示すコマンドを実行し,表示される関数エラー情報を確認してください。
ismdmpntコマンド(ラージファイル形式の場合ismdmpntLコマンド)
ismdmpnt64コマンド
該当する時間にiserrno=ESYSERR,issyserr=5,syserrknd=13のエラー情報が表示されている場合,グローバルオブジェクトの作成権限がないユーザで,これらのISAMユティリティを標準権限で実行したことを示します。
[01]14/08/01; 12:00:00; procno = 2760; thrdno = 2392 (ISAMファイル名) (ISAM関数): iserrno=ESYSERR,iserrcd = 00000113 ,issyserr = 00000005,syserrknd = 00000013
なお,定義ファイルの作成ユティリティは,ISAMファイルの作成先にすでにISAMファイルが存在する場合,アクセス権などの属性情報が引き継がれます。
標準権限で実行できるISAMユティリティを次に示します。
なお,ファイル/レコード定義は,ISAMファイルを生成する際にISAMユティリティを使用しますが,ISAMファイルは標準権限で生成できるため,ファイル/レコード定義は,標準権限,管理者権限のどちらでも起動できます。
ISAMユティリティを<ISAMのインストールフォルダ>※\Bin\Compatフォルダに格納されているISAMユティリティと置き換えることで,ISAMユティリティを管理者権限だけで使用できます。なお,置き換え前のISAMユティリティに戻すことができるように,作業前に置き換え前のISAMユティリティをバックアップしておくことを推奨します。
ISAMユティリティを置き換える手順を次に示します。
cd <ISAMのインストールフォルダ>※\Bin\Compat
xcopy *.exe ..\ /y
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