COBOL2002 ユーザーズガイド

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28.1 マルチスレッド対応COBOLプログラムの概要

マルチスレッド対応COBOLプログラムとは,マルチスレッド環境下で,複数スレッドで同時に実行できるCOBOLプログラムのことです。

ただし,マルチスレッド対応COBOLプログラム機能は,マルチスレッド環境自体を作成するものではありません。

マルチスレッド対応COBOLプログラムには,制限や注意点があります。

<この節の構成>
(1) スレッドの制御
(2) 実行単位
(3) データの共用
(4) プログラムのコーディング

(1) スレッドの制御

スレッドの起動やスレッド間の同期制御など,スレッド制御に関する操作は,COBOLプログラムで実行できません。

(2) 実行単位

マルチスレッド対応COBOLプログラムの実行単位は,スレッドになります。各スレッドはそれぞれにCOBOL実行環境を持ち,独立して動作しています。

(3) データの共用

COBOLデータ項目の領域は,スレッドごとに割り当てられます。

COBOLデータは,同じスレッド内に限り共用できます。したがって,ほかのスレッドのCOBOLデータは共用できません。また,同じスレッド内であっても,Cプログラムのデータは共用できません。

(4) プログラムのコーディング

マルチスレッド対応COBOLプログラムは,通常のCOBOLプログラムを作成するときと同じようにコーディングできます。特殊な命令文は使用しません。