COBOL2002 言語 拡張仕様編

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23.1.1 通信記述項(CD)(EURを使用した通信節による帳票出力機能)

一般形式
  CD  通信記述名1  FOR  OUTPUT  WS
        MAP  NAME  IS  データ名1
     [ DATA  ABSENCE  CODE  IS  データ名3 ]
     [ STATUS  KEY  IS  データ名4 ]
     [ SYMBOLIC TERMINAL  IS  データ名5 ].

構文規則
  1. 帳票出力用の通信記述項は,プログラムに1回だけ定義できる。
  2. 通信記述項の各データ名に対して,データ項目が次の形式で暗黙に定義される。また,これらの領域はコンパイラによって自動的に割り当てられる。
    データ名 形式
    データ名1 X(8)
    データ名3 X(1)
    データ名4 X(5)
    データ名5 X(8)
  3. 通信記述名1の構成規則は,利用者語の構成規則による。
  4. 通信節は最外側プログラム,利用者定義関数,ファクトリ定義,インスタンス定義に指定できる。
  5. 帳票出力用の通信記述項にはMAP NAME句が必要である。

一般規則
  1. FOR句は,通信種別を指定する。通信種類と意味を次に示す。
    OUTPUT WS:送信先がプリンタである。
  2. MAP NAME句のデータ名1は,帳票識別名を設定する項目である。
  3. DATA ABSENCE CODE句のデータ名3は,データ有無コードを指定する。データ有無コードとは,論理項目に値を設定しているかどうかを区別するためのコードである。データ名3で指定したコードを論理項目の先頭1バイトに設定することで,その論理項目へ値を設定しないことを指示する。
  4. 通信文の実行で異常が発生した場合,STATUS KEY句の指定がないと,次のどちらかの動作となる。
    ・通信文で実行継続できない異常状態が発生すると,エラーメッセージを出力して終了する。
    ・通信文で実行継続できる異常状態が発生すると,エラーメッセージを出力して続行する。
  5. 通信文の実行で異常が発生しても,処理を実行させたい場合,STATUS KEY句を指定する。データ名4には,通信文の実行状態を表す5桁のコードが設定される。
    5桁のコードと意味については,マニュアル「COBOL2002 ユーザーズガイド」の「EURを使用した通信節による帳票出力機能」を参照のこと。
    STATUS KEY句の指定は,異常状態の発生時,ファイルのクローズなどの後処理をしてからプログラムを終了させたいときに有効である。
    ただし,STATUS KEY句を指定していても,データ名4の値がすべて空白のときは,STATUS KEY句の指定は無視される。
  6. SYMBOLIC TERMINAL句のデータ名5
    帳票の送信先の仮想端末名を指定する。
    仮想端末とは,COBOLプログラムで扱う論理的な端末である。
    送信先の仮想端末の設定方法については,マニュアル「COBOL2002 ユーザーズガイド」の「EURを使用した通信節による帳票出力機能」およびマニュアル「COBOL EUR 連携ガイド」を参照のこと。