Groupmax Address/Mail Version 7 システム管理者ガイド 基本操作編

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付録D.1 クラスタ環境を新規に設定する

<この項の構成>
(1) マスタ管理サーバの場合
(2) アドレスサーバの場合

(1) マスタ管理サーバの場合

マスタ管理サーバのAddress Server,Mail Serverのインストールとセットアップ,及びAddress Serverのクラスタリソースへの追加の手順を次に示します。項目の最後に(M)が記述されている手順は,Mail Serverを使用するときにだけ必要です。

(a) Address Server及びMail Serverのインストール
  1. ノード1から共有ディスクにAddress Serverをインストールします。
    このときに指定したインストール先ディレクトリは,ノード2のインストールでも使用するので覚えておいてください。また,「マスタ管理サーバ」と「マスタ管理サーバ+運転席」のどちらのインストール形式を選択したかも覚えておいてください。
  2. ノード1から共有ディスクにMail Serverをインストールします。(M)
  3. ノード2から共有ディスクにAddress Serverをインストールします。
    ノード1のインストール時に指定したディレクトリを指定してください。またインストール形式もノード1と同じにしてください。
  4. ノード2から共有ディスクにMail Serverをインストールします。(M)
(b) Address Server及びMail Serverのセットアップ
  1. ノード1でObject Serverを設定し,Object Serverを起動します。
  2. ノード1でAddress_Mail Serverセットアップを実行します。
    なお,Address_Mail Serverセットアップを初めに実行したユーザがシステム管理者になります。ノード2のシステム管理者も同じになることを想定して,システム管理者を決めてください。またノード1の設定と同じ値をノード2の設定で指定するので,覚えておいてください。
  3. Address_Mail Serverセットアップダイアログボックスの[OK]ボタンでセットアップを完了します。
  4. Address_Mail Serverセットアップダイアログボックスでデータベーステーブルの「作成(E)」を選択して[OK]ボタンを押し,データベースを作成します。
  5. セットアップを終了します。
    初回セットアップ時は,自動でデータベースの作成を促すようになっています。
  6. ノード1のObject Serverを停止します。
  7. ノード2でObject Serverを設定します。
  8. ノード2のObject Serverが停止していることを確認します。
    起動している場合は停止してください。
  9. ノード2でAddress_Mail Serverセットアップを実行します。
    ノード1のシステム管理者と同じユーザで実行してください。
  10. ノード2でも新規セットアップを実行します。
    Address_Mail Serverセットアップダイアログボックスの内容がノード1で設定したものと同じになるように設定してください。
  11. Address_Mail Serverセットアップダイアログボックスの[OK]ボタンでセットアップを完了します。
    このときに「Object Serverサービスが実行中ではありません。DB編集を中止します」というメッセージボックスが表示されますが,[OK]ボタンを押してください。
    トップの画面に戻ります。
  12. [OK]ボタンを押してAddress_Mail Serverセットアップを完了させます。
  13. <Address Serverインストール先ディレクトリ>\nxcdir\gmpublicinfoファイルに次の三つのレコードを追加します。
     
    CLUSTERING_LEVEL=1
    ノード1のIPアドレス=ネットワーク名
    ノード2のIPアドレス=ネットワーク名
     
    注※
    ネットワーク名はクラスタのグループに登録したネットワーク名リソースの値です。
    例えば,次のように記述します。
    CLUSTERING_LEVEL=1
    192.168.0.1=addnet1
    192.168.0.2=addnet1
  14. <Address Serverインストール先ディレクトリ>\nxcdir\gmhostsファイルに次のレコードを追加します。
     
    IPアドレスリソース=ネットワーク名リソース
     
    注※
    IPアドレスリソースには,クラスタリソースに追加するノード1及びノード2共通のIPアドレスを指定してください。
    例えば,次のように記述します。
     
    192.168.0.100=addnet1
     
  15. ノード2でアドレスサービスを起動します。
  16. ノード2でadsrvnコマンドを-nオプション付きで実行します。
    -nオプションにはネットワーク名を指定してください。エラーが発生した場合は,IPアドレスとネットワーク名をクラスタリソースに追加してから,再実行してください。
  17. ノード2でアドレスサービスを停止します。
  18. ノード2でアドレスサービスを起動します。
  19. マスタ管理サーバに運転席を設定した場合は,ノード2で運転席を起動します。
    運転席を設定していない場合は,別のアドレスサーバで運転席を起動してください。
  20. サイト一覧ダイアログボックスでサイトを登録します。
  21. サーバ一覧ダイアログボックスでサーバを登録します。
    このときの「ドメイン名/ホスト名」欄にはネットワーク名を指定してください。
  22. メールサーバの設定ダイアログボックスでアドレスサーバをメールサーバにします。(M)
  23. apstartコマンドまたは運転席からサーバを起動します。(M)
  24. apstartコマンドまたは運転席からサーバを停止します。(M)
  25. 運転席を停止します。
  26. ノード2でアドレスサービスを停止します。
  27. <Address Serverインストール先ディレクトリ>\bin\setupディレクトリに,auto_start.batファイルを作成します。(M)
    ファイルには「<Address Serverインストール先ディレクトリ>\bin\apstart 0」を記述してください。
  28. 同一アドレス管理ドメイン内の全メールサーバ(本メールサーバも含む)で,mhs_nadr_cfgコマンドを次の形式で実行します。(M)
     
    mhs_nadr_cfg  TCP  OFF
     
    なお,mhs_nadr_cfgコマンドの実行による設定内容は次回のサーバ起動で有効となりますので,起動中のサーバは停止してから再起動してください。エラーが発生した場合は,メールサーバを一度起動して停止後に,再実行してください。

以上でAddress Server,Mail Serverのセットアップまで完了しました。続いてAddress Serverをクラスタリソースに追加します。

(c) Address Serverのクラスタリソースへの追加

手順1〜4については,Address Server,Mail Serverのインストールの前に実行しても問題ありません。

  1. クラスタアドミニストレータで,Address Serverをインストールした共有ディスクが物理ディスクリソースとして存在するグループを選択します。
  2. クラスタアドミニストレータの[ファイル]メニューの[新規作成]をクリックし,次に[リソース]をクリックします。
  3. このグループのリソースとしてIPアドレスが設定されていない場合は,IPアドレスを追加します。
    リソースの種類で「IPアドレス」を選択して,ノード1及びノード2共通のIPアドレスを入力してください。依存関係の指定は不要です。
  4. このグループのリソースとしてネットワーク名が設定されていない場合は,ネットワーク名を追加します。
    リソースの種類で「ネットワーク名」を選択して,ノード1及びノード2共通のネットワーク名を入力してください。依存関係には,IPアドレスリソースを指定してください。
  5. このグループのリソースとしてObject Serverが設定されていない場合は,次のようにして追加します。
    • リソースの種類として「汎用サービス」を選択します。
    • 依存関係に物理ディスク及びネットワーク名リソースを指定します。
    • サービス名に「GroupmaxGWL」を入力します。
    Windows 2008でObject Serverリソースを追加した場合,clusterコマンドを使用して,Object ServerリソースのStartupParametersプライベートプロパティを空に設定してください。
    設定例
    管理者権限で起動したコマンドプロンプトにて以下のコマンドを実行してください。
     
     cluster res "Object Serverリソース名" /priv StartupParameters=""
     
  6. このグループのリソースとしてAddress Serverを次のようにして追加します。
    • リソースの種類として「汎用サービス」を選択します。
    • リソースの名前は任意に設定します。例えば「Address Server」と設定してください。
    • 依存関係にObject Serverの汎用サービスリソースを指定します。
    • サービス名に「GroupmaxGWN」を入力します。
  7. クラスタアドミニストレータを使用して,Address Serverの汎用サービスリソースをノード1でオンライン状態にします。
  8. クラスタアドミニストレータでグループを移動し,ノード2に正常にフェールオーバすることを確認します。

(2) アドレスサーバの場合

アドレスサーバのAddress Server,Mail Serverのインストールとセットアップ,及びAddress Serverのクラスタリソースへの追加の手順を次に示します。項目の最後に(M)が記述されている手順は,Mail Serverを使用するときにだけ必要です。

(a) Address Server及びMail Serverのインストール
  1. マスタ管理サーバのDNS定義ファイルまたはhostsファイルに,「設定マシンのIPアドレスリソース 設定マシンのネットワーク名リソース」を記述します。
  2. ノード1から共有ディスクにAddress Serverをインストールします。
    このときに指定したインストール先ディレクトリは,ノード2のインストールでも使用するので覚えておいてください。また,「アドレスサーバ」と「アドレスサーバ+運転席」のどちらのインストール形式を選択したかも覚えておいてください。
  3. ノード1から共有ディスクにMail Serverをインストールします。(M)
  4. ノード2から共有ディスクにAddress Serverをインストールします。
    ノード1のインストール時に指定したディレクトリを指定してください。またインストール形式もノード1と同じにしてください。
  5. ノード2から共有ディスクにMail Serverをインストールします。(M)
(b) IPアドレスとネットワーク名のクラスタリソースへの追加

アドレスサーバの場合は,Address Server及びMail Serverをセットアップする前に,IPアドレスとネットワーク名をグループに登録する必要があります。

  1. クラスタアドミニストレータで,Address Serverをインストールした共有ディスクが物理ディスクリソースとして存在するグループを選択します。
  2. クラスタアドミニストレータの[ファイル]メニューの[新規作成]をクリックし,次に[リソース]をクリックします。
  3. このグループのリソースとしてIPアドレスが設定されていない場合は,IPアドレスを追加します。
    リソースの種類で「IPアドレス」を選択して,ノード1及びノード2共通のIPアドレスを入力してください。依存関係の指定は不要です。
  4. このグループのリソースとしてネットワーク名が設定されていない場合は,ネットワーク名を追加します。
    リソースの種類で「ネットワーク名」を選択して,ノード1及びノード2共通のネットワーク名を入力してください。依存関係には,IPアドレスリソースを指定してください。
  5. IPアドレスリソースとネットワーク名リソースをオンラインにしてください。
(c) Address Server及びMail Serverのセットアップ
  1. ノード1でObject Serverを設定し,Object Serverを起動します。
  2. ノード1でAddress_Mail Serverセットアップを実行します。
    なお,Address_Mail Serverセットアップを初めに実行したユーザがシステム管理者になります。ノード2のシステム管理者も同じになることを想定して,システム管理者を決めてください。またノード1の設定と同じ値をノード2の設定で指定するので,覚えておいてください。
  3. Address_Mail Serverセットアップダイアログボックスの[OK]ボタンでセットアップを完了します。
  4. Address_Mail Serverセットアップダイアログボックスでデータベーステーブルの「作成(E)」を選択して[OK]ボタンを押し,データベースを作成します。
  5. セットアップを終了します。
    初回セットアップ時は,自動でデータベースの作成を促すようになっています。
  6. ノード1のObject Serverを停止します。
  7. ノード2でObject Serverを設定します。
  8. ノード2のObject Serverが停止していることを確認します。
    起動している場合は停止してください。
  9. ノード2でAddress_Mail Serverセットアップを実行します。
    ノード1のシステム管理者と同じユーザで実行してください。
  10. ノード2でも新規セットアップを実行します。
    Address_Mail Serverセットアップダイアログボックスの内容がノード1で設定したものと同じになるように設定してください。
  11. Address_Mail Serverセットアップダイアログボックスの[OK]ボタンでセットアップを完了します。
    このときに「Object Serverサービスが実行中ではありません。DB編集を中止します」というメッセージボックスが表示されますが,[OK]ボタンを押してください。
    トップの画面に戻ります。
  12. [OK]ボタンを押してAddress_Mail Serverセットアップを完了させます。
  13. <Address Serverインストール先ディレクトリ>\nxcdir\gmpublicinfoファイルに次のレコードを追加します。
     
    CLUSTERING_LEVEL=1
     
  14. マスタ管理サーバの<Address Serverインストール先ディレクトリ>\nxcdir\gmpublicinfoファイルに次のレコードを追加します。
     
    ノード1のIPアドレス=ネットワーク名
    ノード2のIPアドレス=ネットワーク名
     
    注※
    ネットワーク名はクラスタのグループに登録したネットワーク名リソースの値です。
    例えば,次のように記述します。
     
    192.168.0.3=addnet2
    192.168.0.4=addnet2
     
  15. <Address Serverインストール先ディレクトリ>\nxcdir\gmhostsファイルに次のレコードを追加します。
     
    IPアドレスリソース=ネットワーク名リソース
     
    注※
    IPアドレスリソースには,クラスタリソースに追加するノード1及びノード2共通のIPアドレスを指定してください。
    例えば,次のように記述します。
     
    192.168.0.101=addnet2
     
  16. ノード2でアドレスサービスを起動します。
  17. マスタ管理サーバなどの既存サーバの運転席を起動します。
    このアドレスサーバを使用する場合は,ノード2で運転席を起動してください。
  18. サイト一覧ダイアログボックスでサイトを登録します。
  19. サーバ一覧ダイアログボックスでサーバを登録します。
    このときの「ドメイン名/ホスト名」欄にはネットワーク名を指定してください。
  20. メールサーバの設定ダイアログボックスでアドレスサーバをメールサーバにします。(M)
  21. apstartコマンドまたは運転席からサーバを起動します。(M)
  22. apstartコマンドまたは運転席からサーバを停止します。(M)
  23. 運転席を停止します。
  24. ノード2でアドレスサービスを停止します。
  25. <Address Serverインストール先ディレクトリ>\bin\setupディレクトリに,auto_start.batファイルを作成します。(M)
    ファイルには「<Address Serverインストール先ディレクトリ>\bin\apstart 0」を記述してください。
  26. 同一アドレス管理ドメイン内の全メールサーバ(本メールサーバも含む)で,mhs_nadr_cfgコマンドを次の形式で実行します。ただし,一度実行したことがあるメールサーバでは不要です。(M)
     
    mhs_nadr_cfg  TCP  OFF
     
    なお,mhs_nadr_cfgコマンドの実行による設定内容は次回のサーバ起動で有効となりますので,起動中のサーバは停止してから再起動してください。エラーが発生した場合は,メールサーバを一度起動して停止後に,再実行してください。

以上でAddress Server,Mail Serverのセットアップまで完了しました。続いてAddress Serverをクラスタリソースに追加します。

(d) Address Serverのクラスタリソースへの追加
  1. このグループのリソースとしてObject Serverが設定されていない場合は,次のようにして追加します。
    • リソースの種類として「汎用サービス」を選択します。
    • 依存関係に物理ディスク及びネットワーク名リソースを指定します。
    • サービス名に「GroupmaxGWL」を入力します。
    Windows 2008でObject Serverリソースを追加した場合,clusterコマンドを使用して,Object ServerリソースのStartupParametersプライベートプロパティを空に設定してください。
    設定例
    管理者権限で起動したコマンドプロンプトにて以下のコマンドを実行してください。
     
     cluster res "Object Serverリソース名" /priv StartupParameters=""
     
  2. このグループのリソースとしてAddress Serverを次のようにして追加します。
    • リソースの種類として「汎用サービス」を選択します。
    • リソースの名前は任意に設定します。例えば「Address Server」と設定してください。
    • 依存関係にObject Serverの汎用サービスリソースを指定します。
    • サービス名に「GroupmaxGWN」を入力します。
  3. クラスタアドミニストレータを使用して,Address Serverの汎用サービスリソースをノード1でオンライン状態にします。
  4. クラスタアドミニストレータでグループを移動し,ノード2に正常にフェールオーバすることを確認します。