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COBOL2002 Professional Tool Kit データ影響波及分析ガイド


1.4.1 プログラムの影響を把握して開発規模を見積もる

データ項目に対する修正がプログラムにどのように影響するかを把握して開発規模を見積もるときにデータ影響波及分析を使用する方法です。

プログラムのエンハンスや不良修正では,影響範囲の検出が重要な作業です。この作業が不十分だとデグレードを引き起こす原因になります。このような影響範囲は,これまではCOBOLソースファイルのテキストを手作業で検索していました。しかし,引数を経由してプログラムをわたって影響が広がっている場合や,データ項目を別名参照している(同じデータ項目を異なる名前で参照している)場合は,調査するプログラムの数が増大し,かつ,漏れが発生することがあります。

データ影響波及分析は,エンハンスや保守での影響範囲を短時間かつ正確に把握できます。これによって,生産性向上,保守効率向上および品質向上を実現できます。

データ影響波及分析を使用して影響範囲を見つける手順を次に示します。

  1. 影響波及先を検出し,修正が必要かどうかを調査します。

    エンハンスや不良修正でデータ項目Xの値を変更する場合,データ影響波及分析を使って,その値から影響を受ける個所(影響波及先)を検出します。この結果から,データ項目に対する修正方法が妥当かどうか,影響波及先の修正が必要かどうかを調査できます。

  2. 影響波及元を検出し,修正が必要かどうかを調査します。

    エンハンスや不良修正でデータ項目Xの参照方法を変更する場合,データ影響波及分析を使って,そのデータ項目の値に影響を与える個所(影響波及元)を検出します。この結果から,データ項目に対する修正方法が妥当かどうか,影響波及元の修正が必要かどうかを調査できます。