SEWB+/REPOSITORY 辞書設計ガイド

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4.1.7 CSV形式ファイルフォーマット

CSV形式ファイルのフォーマットは,用途に応じて,標準フォーマットとアプリケーション専用フォーマットの2種類に分類されます。標準フォーマットは通常,SEWB+/REPOSITORYの辞書情報を入出力するために使用します。また,アプリケーション専用フォーマットは,SEWB+/REPOSITORYの辞書情報を他のアプリケーションに連携するために使用します。

ここでは,基本的なファイル内部の構成と,標準フォーマットの詳細について説明します。アプリケーション専用フォーマット(ERwin/ERX)の詳細については,「付録B ERwin/ERXからの辞書登録」を参照してください。

<この項の構成>
(1) ファイル内部の構成
(2) データ項目辞書の標準フォーマット
(3) 業務ルール辞書の標準フォーマット

(1) ファイル内部の構成

基本的なファイル内部の構成を次に示します。

[図データ]

先頭の1行目には,ヘッダがあります。ヘッダには,定義項目の名称を記述してそのCSV形式ファイルにどのような定義情報があるのかを示す役割があります。ヘッダは,標準フォーマット(データ項目辞書),アプリケーション専用フォーマットで記述内容が異なります。なお,コマンド実行時の引数の指定によって,必要に応じ,ヘッダの入出力を抑止することもできます。

2行目以降からは,定義情報を記述します。定義情報の記述内容も標準フォーマット(データ項目辞書),アプリケーション専用フォーマットで異なります。

(2) データ項目辞書の標準フォーマット

データ項目辞書のファイル内部の構成を次に示します。

[図データ]

1行目にはヘッダを,2行目からは個々のデータ項目の定義情報を記述します。一つのデータ項目に対応する定義情報は,内容に応じて1から複数行で記述します。国語区分,言語区分,フィールド,及び結合項目の関連の数のように,一つのデータ項目で複数の定義内容を持つ場合は,複数行になります。

(a) データ項目のヘッダの記述内容

データ項目のヘッダの記述内容を,表4-3に示します。CSV形式ファイル入力コマンドでヘッダの入力を指定した場合には,必ずヘッダが記述されていなければなりません。

表4-3 データ項目のヘッダの記述内容

記述順 項目名 ヘッダの記述内容
1 データ項目名継承フラグ DataItemNameIFlg
2 データ項目名 DataItemName
3 標準名称継承フラグ StdNameIFlg
4 標準名称 StdName
5 フリガナ継承フラグ SymbolNameIFlg
6 フリガナ SymbolName
7 分類継承フラグ TypeIFlg
8 分類 Type
9 けた数継承フラグ DigitIFlg
10 けた数 Digit
11 小数部けた数継承フラグ FloatDigitIFlg
12 小数部けた数項目名 FloatDigit
13 反復回数継承フラグ RepeatNumberIFlg
14 反復回数 RepeatNumber
15 フィールド継承フラグ FieldIFlg
16 フィールド Field
17 名前継承フラグ SourceNameIFlg
18 名前 SourceName
19 タイプ継承フラグ SourceTypeIFlg
20 タイプ SourceType
21 タイプ修飾情報継承フラグ TypeModifyInfoIFlg
22 タイプ修飾情報 TypeModifyInfo
23 初期値継承フラグ InitValueIFlg
24 初期値項目名 InitValue
25 言語別フィールド継承フラグ SourceFieldIFlg
26 言語別フィールド SourceField
27 最上位結合項目フラグ TopCompositeFlg
28 所有者 Owner
29 グループ Group
30 アクセス権 AccessRight
31 データ項目ID DataItemID
32 親データ項目ID PrntDataItemID
33 構成項目ID ElmtDataItemID
34 コメント Comment
35 取りうる値 AvailableValue

 この表の記述順に従って記述してください。

注※ SEWB+/REPOSITORY 02-00以降の記述です。02-00以前に使用していた編集文字列継承フラグ「FormatStringIFlg」,編集文字列「FormatString」のヘッダ記述は,入力だけできます。


(b) データ項目の定義情報の記述内容

データ項目の定義項目に対応する値を記述するためのフォーマットを,表4-4に示します。国語区分,言語区分,フィールド,及び結合項目の構成項目のように,一つのデータ項目で複数の定義内容を持つ場合は,最大の個数の数だけ,複数行に渡って同じ列に値を記述します。

CSV形式ファイルを入力する場合,データ項目名,及びデータ項目名継承フラグには必ず値が記述されていなければなりません。ほかの定義項目の値の記述は任意です。なお,一つのデータ項目を複数行に渡って記述する場合は,開始行にだけデータ項目名とデータ項目名継承フラグを記述します。2行目からは,この値は記述してはなりません。

表4-4 データ項目の定義情報の記述内容

記述順 記述する定義情報 記述順 記述する定義情報
1 データ項目名継承フラグ※1 ※2 18 名前
2 データ項目名※1 19 タイプ継承フラグ※2
3 標準名称継承フラグ※2 20 タイプ※3
4 標準名称 21 タイプ修飾情報継承フラグ※2 ※4
5 フリガナ継承フラグ※2 22 タイプ修飾情報※4
6 フリガナ 23 初期値継承フラグ※2
7 分類継承フラグ※2 24 初期値
8 分類 25 言語別フィールド継承フラグ※2
9 けた数継承フラグ※2 26 言語別フィールド
10 けた数 27 最上位結合項目フラグ※5
11 小数部けた数継承フラグ※2 28 所有者※6
12 小数部けた数 29 グループ※6
13 反復回数継承フラグ※2 30 アクセス権※7
14 反復回数 31 データ項目ID※8
15 フィールド継承フラグ※2 32 親データ項目ID※8 ※9
16 フィールド 33 構成項目ID※8 ※9
17 名前継承フラグ※2 34 コメント※10
35 取りうる値※11

 この表の記述順に従って記述してください。

注※1 CSV形式ファイルを入力するときは,必ず値を記述します。一つのデータ項目を複数行に渡って記述する場合は,開始行にだけ記述します。

注※2 「データ項目の継承フラグ」を参照してください。

注※3 タイプの英字の識別子を記述します。識別子の前後に空白を記述してはなりません。複数のキーワードで構成される識別子(例:unsigned int)は,半角の空白1文字で区切ります。タイプの英字の識別子以外の文字が指定された場合は,フリー定義とみなされます。

注※4 言語区分「COBOL又はOOCOBOL」で定義する編集文字列,言語区分「IDL(CORBA)」で定義するシーケンスを指します。

注※5 最上位結合項目であることを示す「1」,又は最上位結合項目ではないことを示す「0」を指定します。CSV形式ファイルの入力時には,初期値として「0」が設定されます。

注※6 サーバに登録されている所有者(ユーザ)名,グループ名を記述します。

注※7 「データ項目のアクセス権」を参照してください。

注※8 「データ項目のID」を参照してください。

注※9 「データ項目名の指定」を参照してください。

注※10 文字列の途中に改行又はタブを記述できます。

注※11 「取りうる値の指定」を参照してください。


データ項目のID
各IDの内容を次に示します。
  • データ項目ID …データ項目を一意に識別するID
  • 親データ項目ID …そのデータ項目が定義情報を継承している上位データ項目のデータ項目ID
  • 構成項目ID …その結合項目を構成している構成項目のデータ項目ID
    注※ 構成項目は空白行をはさまないで連続して記述してください。上位データ項目と同じにする場合はすべて省略してください。
IDの値は,次の2種類の形式で記述します。
  • 仮システム内部ID :「0x」で始まる最大16けたの16進の文字列。
  • システム内部ID :「&」で始まる英数字と記号からなる文字列。SEWB+/REPOSITORYが割り当てたシステム内部IDを文字列に変換した値。

データ項目名の指定
親データ項目,構成項目にはデータ項目名を指定できます。指定形式を次に示します。
 *〔辞書フォルダ名:|〕データ項目名
〔 〕内は省略できます。データ項目名は省略できません。
記述する文字列に「\」「*」「?」「,」「;」「/」「<」「>」,及び半角空白を含む場合は,「\」に続けて各文字を記述してください。
構成項目を定義している辞書フォルダを指定する場合は,データ項目名の直前に必ず辞書フォルダ名を記述してください。辞書フォルダ名とデータ項目名は「:|」で区切ってください。
辞書フォルダ名を含めたデータ項目名の指定の直前には,「*」を付加します。CSV形式ファイルの入力時,辞書フォルダ名を省略した親データ項目及び構成項目は,全辞書フォルダを対象として一括更新する場合,全辞書フォルダから特定されます。
全辞書フォルダを対象として一括更新する場合以外は,親データ項目に辞書フォルダ名を指定してはなりません。

データ項目の継承フラグ
継承フラグは,各定義項目の値を上位データ項目から引き継ぐかどうかを示します。継承フラグには,次の値を指定します。
1:上位データ項目から値を継承する
0:そのデータ項目で定義する値を示す
  • 継承モードとの関係
    継承フラグは,その定義項目の継承モードに「任意継承」を設定している場合だけ有効になります。継承モードが「必ず継承」の場合は継承フラグの値に関係なく「1」が設定されたものとみなされます。継承モードが「継承禁止」の場合は継承フラグの値に関係なく「0」が設定されたものとみなされます。
  • 初期値
    継承フラグが有効なとき,CSV形式ファイルの入力時には初期値として「1」が設定されます。ただし,最上位データ項目には「0」が設定されます。
     CSV形式ファイルの入力時,継承関係の下位のデータ項目に指定した値のうち,継承フラグに「1」が指定されているときの定義情報の値は無視されます。

データ項目のアクセス権
アクセス権は,次に示す形式で記述します。
[図データ]
それぞれのアクセス権は,次に示す値の組み合わせで設定します。
r :読み取り権  w :書き込み権  d :削除権

(例)「rwd:rw:r」は,次に示すアクセス権の設定を表します。
所有者…読み取り権,書き込み権,削除権
グループ…読み取り権,書き込み権
すべてのユーザ…読み取り権

取りうる値の指定
取りうる値には,記号だけ,又は記号と値を「=」で結んだ記号の定義を定義数分繰り返した文字列を記述します。
繰り返す記号の定義は「,」で区切り,定義文字列全体は「"」で囲みます。なお,記号には,半角の空白,「,」及び「=」を記述できません。ただし,記号の前後にある半角空白又は全角空白は無視されます。
値の記述に「,」「=」「\」を含む場合は,「\」に続けて各文字が記述されていなければなりません。

(例) "NAGOYA=3"  "OK=1,NG"

(3) 業務ルール辞書の標準フォーマット

業務ルール辞書のファイル内部の構成を次に示します。

[図データ]

1行目にはヘッダを,2行目からは個々の業務ルールの定義情報を記述します。一つのデータ項目に対応する定義情報は,内容に応じて1から複数行で記述します。国語区分,言語区分,フィールド,及び業務ルールに関連するデータ項目のように,一つの業務ルールで複数の定義内容を持つ場合は,複数行になります。例えば,1行目の標準名称の定義情報は国語区分「日本語」,3行目のルールスクリプトの定義情報は言語区分「SQL」とみなされます。ある特定の区分だけを入力する時,CSV形式ファイルコマンドの引数に指定する数字も定義情報の定義行に対応していますので,注意してください。

(a) 業務ルールのヘッダの記述内容

業務ルールのヘッダの記述内容を,表4-5に示します。CSV形式ファイル入力時にヘッダの入力を指定した場合には,必ずヘッダが記述されていなければなりません。

表4-5 業務ルールのヘッダの記述内容

記述順 項目名 ヘッダの記述内容
1 業務ルール名 BusiRuleName
2 標準名称 StdName
3 フリガナ SymbolName
4 フィールド Field
5 所有者 Owner
6 グループ Group
7 アクセス権 AccessRight
8 業務ルールID BusiRuleID
9 共用情報 ShareInfo
10 キーワード Keyword
11 適用条件 ApplyCond
12 関連データ項目ID ReltnDataItemID
13 ルールスクリプト RuleScript
14 コメント Comment

 この表の記述順に従って記述してください。


(b) 業務ルールの定義情報の記述内容

業務ルールの定義項目に対応する値を記述するためのフォーマットを,表4-6に示します。国語区分,言語区分,フィールド,及び業務ルールに関連するデータ項目のように,一つの業務ルールで複数の定義内容を持つ場合は,最大の個数の数だけ,複数行に渡って同じ列に値を記述します。

表4-6 業務ルールの定義情報の記述内容

記述順 記述する定義情報 記述順 記述する定義情報
1 業務ルール名※1 8 業務ルールID※4
2 標準名称 9 共用情報※5
3 フリガナ 10 キーワード
4 フィールド 11 適用条件※6
5 所有者※2 12 関連データ項目ID※7※8
6 グループ※2 13 ルールスクリプト※9
7 アクセス権※3 14 コメント※9

 この表の記述順に従って記述してください。

注※1 CSV形式ファイルを入力するときには,必ず値を記述します。一つの業務ルールを複数行に渡って記述する場合は,開始行にだけ記述します。

注※2 サーバに登録されている所有者(ユーザ)名,グループ名を記述します。

注※3 アクセス権の設定方法は,データ項目と同様です。「(2)(b) データ項目の定義情報の記述内容」のデータ項目のアクセス権の説明を参照してください。

注※4 「業務ルールのID」を参照してください。

注※5 データ項目の適用形態が「共用する」の場合は何も記述しません。「専用にする」の場合は,すべての関連データ項目IDを記述する行に「M」を記述します。同一項目用業務ルールでは,「専用にする」を示す「M」を記述します。

注※6 適用条件が入力の場合は「I」,出力の場合は「O」を記述します。

注※7 業務ルールに関連するデータ項目のシステム内部IDを記述します。ただし,同一項目用業務ルールの場合は,「すべての単項目」を関連付けるときは「?S」,「すべての項目」を関連付けるときは「?A」を記述します。同一項目用業務ルールでは関連データ項目を2行に記述します。この2行はどちらも同じ形式で記述しなければなりません。

注※8 「関連するデータ項目のID」を参照してください。

注※9 文字列の途中に改行又はタブを記述できます。


業務ルールのID
IDの値は,次の2種類の形式で記述します。
  • 仮システム内部ID:「0x」で始まる最大16けたの16進の文字列。
  • システム内部ID:「&」で始まる英数字と記号からなる文字列。SEWB+/REPOSITORYが割り当てたシステム内部IDを文字列に変換した値。

関連するデータ項目のID
関連するデータ項目のIDはシステム内部IDと同じ形式,又は次の形式で記述します。
 *〔辞書フォルダ名:|〕データ項目名
〔 〕内は省略できます。データ項目名は省略できません。リポジトリに登録されているデータ項目を識別するデータ項目名を記述してください。
記述する文字列に「\」「*」「?」「,」「;」「/」「<」「>」,及び半角空白を含む場合は,「\」に続けて各文字を記述してください。
関連データ項目を定義している辞書フォルダを指定する場合は,データ項目名の直前に必ず辞書フォルダ名を記述してください。辞書フォルダ名とデータ項目名は「:|」で区切ってください。
また,指定する関連データ項目が入出力対象の辞書フォルダに定義されている場合は,辞書フォルダ名の指定は必要ありません。

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