SEWB+/REPOSITORY 辞書設計ガイド
- <この項の構成>
- (1) SEWB+/CONSTRUCTIONを使ったアプリケーション開発
- (2) SEWB+/EUR Professional Editionを使ったレポート設計
- (3) APPGALLERY Enterpriseを使ったアプリケーション開発
(1) SEWB+/CONSTRUCTIONを使ったアプリケーション開発
- SEWB+/CONSTRUCTIONとは
SEWB+/CONSTRUCTIONは,C/Sシステムのアプリケーション開発を支援するツールです。特に,TPモニタやジョブ運用管理ツールなどを利用する大規模なC/Sシステム上で動作するサーバ側のプログラム及びバッチシステムの開発に適しています。テンプレート,データ定義,プログラム定義の機能を使い,C/Sシステムのサーバプログラムと,クライアントプログラムに必要なサーバプログラムとのリンクのインタフェースを効率良く作成できます。また,CORBA環境のC/Sシステムで,サーバオブジェクトの開発にも適しています。サーバオブジェクトは,SEWB+/CS-DESIGNの論理設計図を利用して開発できます。
- 辞書の利用の流れ
次に,SEWB+/CONSTRUCTIONから辞書に登録した資源がどのように利用されるのかについて,おおまかに説明します。この流れを,図1-7に示します。
図1-7 辞書の利用の流れ(SEWB+/CONSTRUCTION)
- データ定義
データ定義では,アプリケーションに使用するファイル,データベース,及びクライアントとサーバ間の通信のインタフェースを定義します。ここでは,データのレコードを定義するときに,辞書に用意したレコード構造(データ項目を結合して最上位結合項目として定義したもの)が利用されます。
- プログラム定義
プログラム定義では,作成するアプリケーションに必要なデータ定義や,アプリケーション固有の処理を定義します。ここでは,テンプレート※に記述された指示に従って,作成するアプリケーションに適した業務ルールの一覧が表示されます。その中から,プログラマが目的の業務ルールを選択することで,業務ルールが利用されます。
注※ テンプレートとは,ソースプログラムの生成時にアプリケーションの枠組みとなる処理構成を記述したものです。テンプレートは,実際にアプリケーション作成の作業を開始する前に,専任者(テンプレート作成者)によって作成されます。テンプレート記述言語と,開発に使用するプログラミング言語で記述されます。
- ソースプログラムの生成
プログラム定義からソースプログラムが生成されるとき,データ定義で利用したデータ項目の情報と,プログラム定義で利用した業務ルールの情報が,ソースプログラム中に展開されます。
このようにして,辞書の情報は,ソースプログラムまで引き継がれ,データ中心の開発を実現できます。
SEWB+/CONSTRUCTIONを使ったアプリケーション開発の詳細については,マニュアル「SEWB+/CONSTRUCTION アプリケーション開発ガイド」を参照してください。
(2) SEWB+/EUR Professional Editionを使ったレポート設計
- SEWB+/EUR Professional Editionとは
SEWB+/REPOSITORYと連携し,レポートの設計から印刷までを支援するツールです。SEWB+/EUR Professional Editionでは,ワープロを操作する感覚で,自由な形式のレポートを効率良く設計できます。設計時には,SEWB+/REPOSITORYの辞書のレコード定義(最上位結合項目)から,レポートの設計に必要なフィールド定義情報を自動的に生成して利用できます。また,SEWB+/CONSTRUCTIONで作成したアプリケーションとSEWB+/EUR Professional Editionで作成したレポートの設計情報を組み合わせれば,効率良くレポート出力アプリケーションを作成できます。
- 辞書の利用の流れ
次に,SEWB+/EUR Professional Editionから辞書に登録した資源がどのように利用されるのかについて,おおまかに説明します。この流れを,図1-8に示します。
図1-8 辞書の利用の流れ(SEWB+/EUR Professional Edition)
- フィールド定義情報の生成
辞書のレコード定義(最上位結合項目)を選び,レポートの設計に必要なフィールド定義情報(データのけた数やデータ種別などの情報をいいます)を生成します。
- レポート設計
生成されたフィールド定義情報を基に,けい線や印字位置などのレイアウトを編集してレポートを設計します。
辞書とSEWB+/CONSTRUCTIONで作成するアプリケーション及びレポートの関係や,レポートの設計手順などについては,「5. SEWB+/EUR Professional Editionのレポート設計」を参照してください。
(3) APPGALLERY Enterpriseを使ったアプリケーション開発
- APPGALLERY Enterpriseとは
再利用性の高い様々な部品(機能単位のソフトウェア)を組み合わせてアプリケーションを開発する,アプリケーション開発環境です。画面上で部品を組み合わせていくビジュアルプログラミングを採用しています。特に,GUI(グラフィカルユーザインタフェース)を中心としたアプリケーションの作成に適しています。大規模なC/Sシステムの開発では,クライアント側で動作するアプリケーションの作成に適しています。
APPGALLERY Enterpriseでは,SEWB+/REPOSITORYと連携して,大規模システムのアプリケーション開発を支援する機能を備えています。SEWB+/REPOSITORYの辞書の情報を開発に利用し,作成したドキュメントをリポジトリで管理することで,データの共有化,及び一元管理を図れます。
- 注 SEWB+/REPOSITORYとの連携は,APPGALLERY Enterpriseのバージョン03-01以降が前提となります。
- 辞書の利用の流れ
APPGALLERY Enterpriseから辞書に登録した資源がどのように利用されるのかについて,おおまかに説明します。APPGALLERY Enterpriseからは,2通りの利用形態があります。この利用の流れを,図1-9に示します。
図1-9 辞書の利用の流れ(APPGALLERY Enterprise)
- OpenTP1クライアントアプリケーションの開発に利用する
OpenTP1※を利用したC/Sシステムのクライアントアプリケーションを開発するとき,辞書のレコード定義(最上位結合項目)を,通信でやりとりするための電文の定義情報として利用します。通信用のレコード定義は,SEWB+/CONSTRUCTIONでのサーバアプリケーションの作成にデータ定義として利用されます。このため,電文の定義情報を共有化でき,定義の不一致を回避できます。
- 注※ OpenTP1は,日立製のTPモニタです。C/Sシステム環境でトランザクション処理を実現します。
- クライアント画面のGUIの作成に利用する
SEWB+/REPOSITORY側で, C/SシステムのクライアントアプリケーションのGUI作成に利用する部品の設定値(プロパティ)を一元管理します。GUI作成時に,その設定情報を利用します。
- マッピング情報の利用
- データ項目の定義情報を,部品の設定値に置き換えて,GUIのオブジェクトを自動的に作成できます。
- プロパティセットの利用
- 各部品の標準的な設定値をSEWB+/REPOSITORY側でプロパティセットとして設定しておけます。これによって,複数の開発者でチーム開発する場合でも,システムや業務でGUIの統一を図れます。
- なお,マッピング情報とプロパティセットは,アプリケーション開発前に,SEWB+/REPOSITORYの環境構築ユティリティを使って辞書の環境として設定しておく必要があります。
辞書とAPPGALLERY Enterpriseとの関係や連携の概要については,「6. APPGALLERY Enterpriseのクライアントアプリケーション作成」を参照してください。また,APPGALLERY Enterpriseでのアプリケーション開発の詳細については,マニュアル「APPGALLERY プログラマーズガイド」を参照してください。
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