SEWB+/REPOSITORY 運用ガイド
SEWB+/REPOSITORYを利用すると,システム開発で使用する資源を効果的に管理・運用できます。
- <この項の構成>
- (1) ドキュメントの管理
- (2) 辞書の管理
- (3) 関連情報の管理
- (4) 機密保護
- (5) SI支援
- (6) 資源の配布
リポジトリに格納されたドキュメントは,バージョン(版)が付けられて管理されます。ドキュメントを更新するとバージョンが更新されます。リポジトリでは,古いバージョンのドキュメントも残されています。したがって,任意のバージョンのドキュメントをリポジトリから取り出すことができます。このため,ドキュメントを再利用するときに便利です。任意のバージョンのドキュメントをリポジトリから取り出すには,チェックアウト機能を使用します。また,リポジトリから取り出したドキュメントを更新するには,チェックイン機能を使用します。
また,システム開発の区切りなどに,開発に関係する複数のドキュメントに対して共通のバージョンを設定できます。これをシステムバージョンといいます。
複数のユーザで共用するドキュメントは,同時に更新されるおそれがあります。SEWB+/REPOSITORYでは,リポジトリに格納されたドキュメントの同時更新を防ぐために,OSの排他制御機能のほかに,チェックイン・チェックアウト機能でも排他制御します。
システム開発で共用されるドキュメントは,レイアウトや形式を統一して作成することが必要です。作成する仕様書などのドキュメントの種類ごとに,スタイルを規定したテンプレートファイルを設定できます。このため,定型的な設計文書などを効率良く作成できます。
データ項目辞書と業務ルール辞書が管理する内容,及び辞書の特長について説明します。
データ項目辞書は,システム開発で使用するデータ項目を管理する辞書です。データ項目の名称,タイプ,けた数などの属性,及びSEWB+/CONSTRUCTIONでプログラムを生成するときに必要な情報も管理しています。
- データ項目を階層化して管理
データ項目間に継承関係や結合関係を持たせて,データ項目を階層化して管理できます。また,ドメインの概念を持った辞書を構築することもでき,データ項目の管理が容易になります。
- 各国語対応
データ項目の名称やコメントは,各国語別に記述できます。このため,同じ辞書を異なる国語圏で相互に使用するような運用ができます。なお,国語区分は,標準で英語と日本語ですが,ユーザが追加することもできます。
- マルチプログラミング言語対応
プログラム生成に必要な情報は,生成するプログラムの言語ごとに定義できます。このため,SEWB+/CONSTRUCTIONで同じ辞書からCOBOL言語やC言語などの複数の言語によるプログラムが生成できます。
- 業務ルールとの連携
データ項目と業務ルールを結び付けて管理できます。
- CSV形式ファイル入出力の対応
辞書の情報をCSV(Comma Separated Values)形式ファイルで入出力できます。CSV形式ファイルは,データ項目を一括して登録するときや,ほかのアプリケーションのデータをデータ項目辞書に取り込むときに使用します。
- 既存データベースからのデータ項目の生成
ODBCインタフェースをサポートしているDBMS上の既存のデータベースから,スキーマ定義情報を取り出してデータ項目を生成できます。
- SEWB3のデータ項目辞書からの移行
SEWB3(Software Engineering Workbench 3)のデータ項目辞書からデータ項目を移行できます。
業務ルール辞書は,データ項目に対する処理や制約を,業務ルールとして管理する辞書です。業務ルールには,一つ又は複数のデータ項目間の制約を定義できます。
業務ルールは,SEWB+/CONSTRUCTIONで使用されます。
- 各国語対応
業務ルールの名称やコメントは,各国語別に記述できます。このため,同じ辞書を異なる国語圏で相互に使用するような運用ができます。なお,国語区分は,標準で英語と日本語ですが,ユーザが追加することもできます。
- マルチプログラミング言語対応
プログラム生成に必要な情報は,生成するプログラムの言語ごとに定義できます。
- CSV形式ファイル入出力の対応
辞書の情報をCSV形式ファイルで入出力できます。CSV形式ファイルは,業務ルールを一括して登録するときに使用します。
- SEWB3のデータ項目辞書からの移行
SEWB3のデータ項目辞書から,詳細項目情報を業務ルールとして移行できます。
辞書の設計や運用方法については,マニュアル「SEWB+/REPOSITORY 辞書設計ガイド」を参照してください。
SEWB+/REPOSITORYは,リポジトリの資源間の関連情報を管理できます。
関連情報は,ドキュメントを変更したときなど,変更波及の解析に利用できます。例えば,ドキュメントとデータ項目との依存関係をウィンドウに表示できます。
また,資源間の関連の種類には,ツールが自動的に付ける関連と,ユーザが任意に付けるユーザ関連があります。
資源を共用することは,情報を公開することになります。SEWB+/REPOSITORYでは,アクセス権(情報を参照したり,更新したりできる権利)を設定することで,公開したくないドキュメントや辞書の機密を保護できます。
システムバージョンの機能を利用して,システムバージョンに関連付けられたドキュメントのファイル内容を抽出できます。
また,異なるシステムバージョンに関連付けられているドキュメントのうち,差分のあるドキュメントのファイル内容を比較して抽出できます。
リポジトリの資源を複製して,ほかのリポジトリへ配布できます。
資源を複製して配布するには,エクスポート・インポート機能を使用します。ドキュメント,データ項目,業務ルール,及び関連情報を対象にできます。
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