7.2.3 共有リソースをメンテナンスするときの注意事項
運用後に共有ディスクのメンテナンスをする場合などに,共有リソースを手動で接続・切り離しをするときの注意事項について説明します。具体的な操作方法については,OSのマニュアルを参照してください。
- 重要
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共有リソースを操作するときは,ここで示す注意事項に必ず従ってください。これらの注意事項に従わない場合,共有リソースが破壊されたり,系切り替えができなかったりするおそれがあります。
(1) 共有リソースを操作する前に
共有リソースの接続や切り離しは,HAモニタが制御します。そのため,次のことに注意してください。
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サーバの稼働中は,共有リソースに対してコマンドなどによる外部からの操作をしないでください。
ユーザの操作とHAモニタの制御が競合すると,HAモニタによる制御が正しくできません。
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メンテナンスなどでユーザが共有リソースを操作する場合は,サーバを停止させてください。
HAモニタによる共有リソースの制御については,「4.3.6 共有リソースの状態一覧」を参照してください。
(2) ボリュームグループの運用
ここでは,ボリュームグループの運用に関して注意が必要なことについて説明します。
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サーバ起動前は,両方の系とも非活動化(varyoff)の状態にしてください。
HAモニタは,サーバ起動時にボリュームグループを活動化します。サーバ起動前にボリュームグループが活動化(varyon)の状態だった場合,次のような現象が発生するおそれがあります。
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共有ディスク内のデータが破壊される。
サーバを起動した系からもボリュームグループが活動化され,両方の系からボリュームグループにアクセスできる状態になるためです。
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系切り替えが失敗する。
ボリュームグループがリザーブありで活動化の状態だった場合に発生するおそれがあります。ボリュームグループを活動化した系でボリュームグループがリザーブされると,切り替え先の系からの活動化ができない場合があるためです。
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サーバ対応の環境設定のdisconnect_atendオペランドにnoを指定している場合は,サーバ停止後,ボリュームグループへの操作を完了したら,手動でボリュームグループの切り離しをしてください。
この場合,実行サーバを正常停止または計画停止しても共有リソースが切り離しされません。
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参照+更新接続の場合,varyonvgコマンドのオプションとして「-u」を指定してください。
「-u」を指定することで,ボリュームグループをリザーブなしで活動化します。
コマンドの実行形式を次に示します。
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参照+更新接続
varyonvg -u ボリュームグループの名称
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切り離し
varyoffvg ボリュームグループの名称
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オペレータがほかの業務でボリュームグループを使用する場合は,両方の系から活動化しないように注意してください。
両方の系から活動化されると,両方の系からボリュームグループにアクセスできる状態になり,共有ディスク内のデータが破壊される原因になります。
(3) ファイルシステムの運用
ここでは,ファイルシステムの運用に関して注意が必要なことについて説明します。
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サーバ起動前は,両方の系ともファイルシステムをアンマウントの状態にしてください。
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HAモニタがファイルシステムをマウントする前に,マウントポイント(マウント先ディレクトリ)にアクセス中のプロセスがあるとマウントに失敗する場合があります。
このような運用は避けてください。
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オペレータがほかの業務でファイルシステムを使用する場合には,両方の系からマウントしないように注意してください。
共有ディスク上に作成したファイルシステムを両方の系から同時にマウント状態にするとファイルシステム自体が破壊されます。
HAモニタが,マウントおよびアンマウントをするタイミングについては,「4.3.3 ファイルシステムの管理」を参照してください。