Hitachi

高信頼化システム監視機能 HAモニタ AIX(R)編


7.2.1 起動する

ここでは,マシンの電源を入れてから,サーバの系切り替えができる状態になるまでの流れと,起動方法について説明します。

システムを起動するには,実行系と待機系の両方を起動します。システムの起動の流れを次の図に示します。

図7‒2 システムの起動の流れ

[図データ]

各系で電源を入れてサーバの起動が完了すると,HAモニタは,他系のHAモニタと連絡を取り合い,系切り替えができる状態になったことを確認します。このときに,メッセージKAMN252-Iが出力されます。

図7-2のうち,HAモニタ,リソースサーバ,およびサーバを起動する方法について説明します。

〈この項の構成〉

(1) HAモニタの起動

HAモニタを手動起動する場合,HAモニタの起動コマンド(monstartコマンド)を実行します。HAモニタ起動後には,HAモニタの起動が完了していることを示すメッセージKAMN002-Iが出力されていることを確認してください。

HAモニタを自動起動する場合,HAモニタは,カーネルの起動後にOSによって自動的に起動されます。

HAモニタをインストールした時点では,自動起動するように設定されています。HAモニタの起動方法を変更するには,HAモニタの環境設定コマンド(monsetupコマンド)を実行します。HAモニタの環境設定コマンド(monsetupコマンド)については,「9.21 monsetup(HAモニタの環境設定)」を参照してください。

(2) リソースサーバの起動

リソースサーバは,リソースサーバを親サーバに指定したサーバのうちどれかが起動すると,自動起動します。親サーバは,サーバ対応の環境設定で指定します。

リソースサーバは,リソースサーバを使用しているサーバがすべて停止すると,HAモニタによって自動的に停止されます。

共有リソースの接続に失敗したなどの理由からリソースサーバを手動で起動する場合,HAモニタの起動が完了していることを示すメッセージKAMN002-Iが出力されていることを確認したあとに,リソースサーバ起動コマンド(monresbgnコマンド)を実行します。

(a) 実行サーバが起動待ちになった場合の運用

リソースサーバの起動の際,実行サーバ起動待ち状態になる場合があります。 実行サーバ起動待ち状態になるケースについては,「4.1.1 HAモニタによるサーバの起動制御」,および「4.5.3 サーバの起動制御・停止制御(マルチスタンバイ)」を参照してください。

実行サーバ起動待ち状態になった場合の運用については,「7.4.1 待ち状態のサーバを起動して業務を再開する」を参照してください。

(3) サーバの起動

実行系と待機系の両方でサーバを起動します。サーバを手動で起動する前に,HAモニタの起動が完了していることを示すメッセージKAMN002-Iが出力されていることを確認してください。

サーバモードのサーバの場合,サーバを起動するには,プログラムが提供する起動コマンドを実行します。サーバを起動すると,サーバの初期設定時にサーバがHAモニタと連絡し合い,系切り替えの環境を作ります。待機系で起動したサーバは待機サーバとなり,実行系の障害に備えます。

モニタモードのサーバの場合,モニタモードのサーバ起動コマンド(monbeginコマンド)でサーバを起動します。待機系で起動したサーバは待機サーバとなり,実行系の障害に備えます。

サーバ起動後には,サーバの起動が完了していることを示すメッセージKAMN251-Iが出力されていることを確認してください。メッセージKAMN251-Iは,サーバ単位で出力されます。同じ系に複数のサーバが稼働している場合,サーバごとに出力されます。

(a) サーバをグループ化している場合に異なる点

グループ化している場合は,グループ内のすべてのサーバを起動する点が異なります。オペレータがサーバを起動した順で,サーバが起動されます。サーバ起動後には,グループ内の全サーバに対して,メッセージKAMN251-Iが出力されたことを確認してください。

(b) 実行サーバが起動待ちになった場合の運用

サーバの起動の際,実行サーバ起動待ち状態になる場合があります。 実行サーバ起動待ち状態になるケースについては,「4.1.1 HAモニタによるサーバの起動制御」,および「4.5.3 サーバの起動制御・停止制御(マルチスタンバイ)」を参照してください。

実行サーバ起動待ち状態になった場合の運用については,「7.4.1 待ち状態のサーバを起動して業務を再開する」を参照してください。