7.5.12　共有ディスクのSCSIリザーブの解除手順

共有ディスクのSCSIリザーブの解除手順を説明します。障害の対処手順に記載がない場合は，この手順は実施しないでください。

リザーブの解除は，スーパユーザで行います。どの系で実施しても問題ありません。また，シングルパス構成，VMware ESXiでの仮想化環境，またはマルチパスソフトウェアによる冗長化構成かに関係なく，同じ手順で実施できます。

共有ディスクがリザーブされていることを確認する。

確認方法を次に示します。
```
# /usr/bin/sg_persist --in --no-inquiry --read-reservation --device=デバイス名
```
（凡例）

デバイス名：メッセージKAMN725-Wに出力される値です。シングルパス構成，またはVMware ESXiでの仮想化環境（DMMP未使用時）の場合はシンボリックリンク，マルチパスソフトウェアによる冗長化構成の場合は論理デバイスです。また，メッセージKAMN725-Wが出力したデバイス名の後ろにパス名が出力されている場合は，パス名です。

デバイス名に，/dev/disk/by-id/scsi-360060e8010462fe004f2b6ae00000065を指定する場合の例を次に示します。
実行例
```
# /usr/bin/sg_persist --in --no-inquiry --read-reservation --device=/dev/disk/by-id/scsi-360060e8010462fe004f2b6ae00000065
```
実行結果
次のように表示された場合は，「0x1」が，メッセージKAMN725-Wに出力されたキーと一致していることを確認してください。
```
PR generation=0xnn, Reservation follows:
  Key=0x1
  scope: LU_SCOPE,  type: Write Exclusive, registrants only
```
メッセージKAMN725-Wに出力されたキーと異なる場合，または次のように出力された場合は，指定したデバイス名を見直してコマンドを再度実行してください。
```
PR generation=0xnn, there is NO reservation held
```
リザーブを解除するための準備をする。

準備方法を次に示します。
```
# /usr/bin/sg_persist --out --no-inquiry --register --param-sark=キー --device=デバイス名
```
（凡例）

キー，デバイス名：メッセージKAMN725-Wに出力される値です。シングルパス構成，またはVMware ESXiでの仮想化環境（DMMP未使用時）の場合はシンボリックリンク，マルチパスソフトウェアによる冗長化構成の場合は論理デバイスです。また，メッセージKAMN725-Wが出力したデバイス名の後ろにパス名が出力されている場合は，パス名です。

デバイス名に，/dev/disk/by-id/scsi-360060e8010462fe004f2b6ae00000065を指定する場合の例を次に示します。
実行例
```
# /usr/bin/sg_persist --out --no-inquiry --register --param-sark=0x1 --device=/dev/disk/by-id/scsi-360060e8010462fe004f2b6ae00000065
```
実行し，何も表示されなければ準備は完了です。

なお，次のように出力されることがありますが，この場合も準備は完了しています。リザーブの解除を続行してください。
```
persistent reserve out: scsi status: Reservation Conflict
PR out: command failed
```
リザーブを解除する。

解除方法を次に示します。
```
# /usr/bin/sg_persist --out --no-inquiry --clear --param-rk=キー --device=デバイス名
```
（凡例）

キー，デバイス名：メッセージKAMN725-Wに出力される値です。シングルパス構成，またはVMware ESXiでの仮想化環境（DMMP未使用時）の場合はシンボリックリンク，マルチパスソフトウェアによる冗長化構成の場合は論理デバイスです。また，メッセージKAMN725-Wが出力したデバイス名の後ろにパス名が出力されている場合は，パス名です。

デバイス名に，/dev/disk/by-id/scsi-360060e8010462fe004f2b6ae00000065を指定する場合の例を次に示します。
実行例
```
# /usr/bin/sg_persist --out --no-inquiry --clear --param-rk=0x1 --device=/dev/disk/by-id/scsi-360060e8010462fe004f2b6ae00000065
```
実行して，何も表示されなければリザーブの解除は成功です。
リザーブが解除されたことを確認する。

確認方法を次に示します。
```
# /usr/bin/sg_persist --in --no-inquiry --read-reservation --device=デバイス名
# /usr/bin/sg_persist --in --no-inquiry --read-keys --device=デバイス名
```
（凡例）

デバイス名：メッセージKAMN725-Wに出力される値です。シングルパス構成，またはVMware ESXiでの仮想化環境（DMMP未使用時）の場合はシンボリックリンク，マルチパスソフトウェアによる冗長化構成の場合は論理デバイスです。

デバイス名に，/dev/disk/by-id/scsi-360060e8010462fe004f2b6ae00000065を指定する場合の例を次に示します。
実行例
```
# /usr/bin/sg_persist --in --no-inquiry --read-reservation --device=/dev/disk/by-id/scsi-360060e8010462fe004f2b6ae00000065
# /usr/bin/sg_persist --in --no-inquiry --read-keys --device=/dev/disk/by-id/scsi-360060e8010462fe004f2b6ae00000065
```
実行結果
```
PR generation=0xnn, there is NO reservation held
PR generation=0xnn, there are NO registered reservation keys
```
このように表示されれば，リザーブは解除されています。表示されなかった場合は，手順1.から見直して再度実行してください。

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