Hitachi

高信頼化システム監視機能 HAモニタ Linux(R)(x86)編


2.2.2 系障害時の系切り替え

系障害時の系切り替え処理は,系のリセットをするか,共有ディスクのSCSIリザーブをするか,LANの通信可否による系切り替え制御機能を使用するかによって異なります。

〈この項の構成〉

(1) 系のリセットをする場合

系のリセットをする場合,系障害時には,待機系のHAモニタがリセットパスを介して障害が発生した系の障害管理プロセサに実行系のリセットを要求します。障害が発生した系を管理する障害管理プロセサは,入出力の停止などのリセット処理をします。障害が発生した系は,リセット処理が完了すると,待機系にその旨を連絡します。待機系では,連絡を受けたあと,系切り替え処理を開始します。

系障害時の,HAモニタの系切り替えの概要を,次の図に示します。

図2‒8 系障害時の系切り替えの概要(系のリセットをする場合)

[図データ]

(2) 共有ディスクのSCSIリザーブをする場合

共有ディスクのSCSIリザーブをする場合,系障害時には,切り替え先の系が強制的にリザーブを確保してから実行サーバを起動することで,複数系からの同時書き込みによる共有ディスクのデータ破壊を防止します。

また,監視パス障害が発生した場合に,障害などで系切り替えが発生したときは,切り替え元の系がリザーブの消滅を検知するとサーバを計画停止します。

系障害時の,HAモニタの系切り替えの概要を,次の図に示します。

図2‒9 系障害時の系切り替えの概要(共有ディスクのSCSIリザーブをする場合)

[図データ]

共有ディスクのSCSIリザーブをする場合で,監視パス障害が発生したときの系切り替えの概要を,次の図に示します。

図2‒10 系障害時の系切り替え(共有ディスクのSCSIリザーブをする場合の監視パス障害)

[図データ]

(3) LANの通信可否による系切り替え制御機能を使用する場合

LANの通信可否による系切り替え制御機能を使用する場合,系障害時には,LANの通信可否を判定します。待機系がLANの通信が可能であることを確認すると系切り替えを開始します。また,監視パス障害が発生した場合は,LANの通信が可能な唯一の系で業務処理を実行するサーバが稼働するように制御します。

系障害時の,HAモニタの系切り替えの概要を,次の図に示します。

図2‒11 系障害時の系切り替えの概要(LANの通信可否による系切り替え制御機能を使用する場合)

[図データ]

LANの通信可否による系切り替え制御機能を使用する場合で,監視パス障害が発生したときの系切り替えの概要を,次の図に示します。

図2‒12 系障害時の系切り替え(LANの通信可否による系切り替え制御機能を使用する場合の監視パス障害)

[図データ]