6.4.4 SCSI関連のメッセージのsyslog出力時の対応方法
SCSI関連のメッセージがsyslogに出力される場合があります。syslogに出力されるメッセージと対応方法について説明します。
(1) 出力されるメッセージ
syslogに出力されるSCSI関連のメッセージには次の種類があります。なお,ここで示すメッセージ中のxには英数字が表示されます。また,メッセージの形式は,OSによって異なる場合があります。
- シングルパス構成,マルチパス構成に関係なく出力されるメッセージ
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稼働中のサーバがディスク保護のためにリザーブしていることから出力されるメッセージです。正常な動作なため,メッセージへの対応は不要です。
表6‒2 シングルパス構成,マルチパス構成に関係なく出力されるメッセージ 出力されるメッセージ
出力される契機
kernel: sd x:x:x:x: reservation conflict
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他系で実行系として稼働中のサーバがある場合に,OSを再起動すると出力されます。
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系切り替えをすると出力されます。
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- マルチパス構成(DMMP)の場合に出力されるメッセージ
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稼働中のサーバがディスク保護のためにリザーブしていることから出力されるメッセージです。正常な動作なため,メッセージへの対応は不要です。ただし,syslogへのメッセージの出力量を抑制するため,メッセージを退避することを推奨します。メッセージの退避方法については,「(2) syslogからSCSI関連のメッセージを退避するための設定例」を参照してください。
表6‒3 マルチパス構成(DMMP)の場合に出力されるメッセージ 実行系/待機系
出力されるメッセージ
出力される契機
実行系
kernel: sdx: sdxx
稼働中のサーバがある場合に,5秒間隔(デフォルトの設定の場合)で,マルチパス構成にしているデバイスの数だけ出力されます。なお,scsi_checkオペランドを指定している場合はその値に従った秒数の間隔で出力されます。
待機系
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kernel: sdx: sdxx
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kernel: sd x:x:x:x: reservation conflict
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kernel: sd x:x:x:x: [sdx] Test Unit Ready failed: Result: hostbyte=DID_OK driverbyte=DRIVER_OK
待機サーバがある場合に,1分間隔(デフォルトの設定の場合)で,マルチパス構成にしているデバイスの数に応じて複数回ずつ出力されます。なお,scsi_pathcheckオペランドを指定している場合はその値に従った分数の間隔で出力されます。
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(2) syslogからSCSI関連のメッセージを退避するための設定例
syslogから別のログファイルに退避するための設定例を示します。必要に応じて,ログローテーションを設定することを推奨します。ここでは,SCSI関連のメッセージを/var/log/messagesには出力しないで,/var/log/hamon-scsiファイルに出力する設定例を示します。
- 作成する設定ファイルパス
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/etc/rsyslog.d/hamon-scsi.conf
- 設定ファイルの内容
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# kernel: sdb: sdb1 :msg, regex, "^ sd[a-z]: sd[a-z][0-9]$" /var/log/hamon-scsi & stop # kernel: sd 0:0:0:2: reservation conflict :msg, regex, "^sd [0-9]..*[0-9]: reservation conflict$" /var/log/hamon-scsi & stop # kernel: sd 0:0:0:2: [sdb] Test Unit Ready failed: Result: hostbyte=DID_OK driverbyte=DRIVER_OK :msg, regex, "^sd [0-9]..*[0-9]: .sd[a-z]. Test Unit Ready failed: Result: hostbyte=DID_OK driverbyte=DRIVER_OK" /var/log/hamon-scsi & stop