6.4.2 LVMを使用する場合の共有ディスクのSCSIリザーブに必要なオペランドの指定値の求め方
LVMを使用する場合の,サーバ対応の環境設定のscsi_deviceオペランド,およびdmmp_deviceオペランドの指定値の求め方について説明します。
scsi_deviceオペランドは次の場合に指定します。
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シングルパス構成の場合
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VMware ESXiでの仮想化環境の場合(ただし,DMMPを使用する場合を除く)
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マルチパスソフトウェア(HDLM)による冗長化構成の場合
また,マルチパスソフトウェア(DMMP)による冗長化構成の場合は,dmmp_deviceオペランドを指定します。
(1) scsi_deviceオペランドの指定値
(a) シングルパス構成,VMware ESXiでの仮想化環境,およびHFC-PCMの場合
scsi_deviceオペランドには,共有ディスクのシンボリックリンクを指定します。シンボリックリンクは,LVMの物理ボリューム名を基に取得した共有ディスクのパス名から求めます。
scsi_deviceオペランドの指定値を求める手順を次に示します。
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物理ボリューム名を確認する。
確認方法を次に示します。
#/sbin/vgdisplay -v ボリュームグループ名
ボリュームグループ名に,vg01を指定する場合の例を次に示します。
- 実行例
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#/sbin/vgdisplay -v vg01
- 実行結果
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--- Volume group --- VG Name vg01 ・ ・ --- Physical volumes --- PV Name /dev/sda1 ・ ・ (以降省略)
下線で示す部分が物理ボリューム名です。また,末尾の数字はパーティション番号です。
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シンボリックリンクを取得する。
次のコマンドで,OSが作成する/dev/disk/by-id配下に存在するシンボリックリンクを取得します。物理ボリューム名には,手順1.で確認した物理ボリューム名から,「/dev/」とパーティション番号を除いた値を指定します。
# ls -l /dev/disk/by-id | grep 物理ボリューム名$
物理ボリューム名に,sdaを指定する場合の例を次に示します。
- 実行例
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# ls -l /dev/disk/by-id | grep sda$
- 実行結果
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lrwxrwxrwx 1 root root 9 Jun 7 17:08 scsi-360060e8010462fe004f2b6ae00000065 -> ../../sda
下線で示す部分がシンボリックリンクです。scsi_deviceオペランドに指定するときは,絶対パスで指定します。
- 注意事項
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次のシンボリックリンクはscsi_deviceオペランドに指定しないでください。
・末尾に"part"が含まれるシンボリックリンク
・先頭が"wwn-"で始まるシンボリックリンク
(b) マルチパスソフトウェア(HDLM)による冗長化構成の場合
共有ディスクのパスをHDLMで冗長化する場合は,scsi_deviceオペランドにHDLMの論理デバイスを絶対パスで指定します。LVMの物理ボリューム名がHDLMの論理デバイス名にパーティション番号を加えた値であるため,LVMの物理ボリューム名から求めます。
次のコマンドを実行して,物理ボリューム名を確認します。
#/sbin/vgdisplay -v ボリュームグループ名
ボリュームグループに,vg01を指定する場合の例を次に示します。
- 実行例
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#/sbin/vgdisplay -v vg01
- 実行結果
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--- Volume group --- VG Name vg01 ・ ・ --- Physical volumes --- PV Name /dev/sddlmaa1 ・ ・ (以降省略)
下線で示す部分がLVMの物理ボリューム名です。末尾の「1」はパーティション番号です。LVMの物理ボリューム名からパーティション番号を除いた値をscsi_deviceオペランドに指定します。
- 重要
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HDLMの論理デバイス名は,系間で一致していない可能性があります。系切り替え構成内のすべての系でこの手順を実施し,scsi_deviceオペランドの指定値を確認してください。
(2) dmmp_deviceオペランドの指定値(マルチパスソフトウェア(DMMP)による冗長化構成の場合)
dmmp_deviceオペランドには,DMMPの論理デバイスを絶対パスで指定します。LVMの物理ボリューム名がDMMPの論理デバイスであるため,LVMの物理ボリューム名から求めます。
次のコマンドを実行して,物理ボリューム名を確認します。
#/sbin/vgdisplay -v ボリュームグループ名
ボリュームグループに,vg01を指定する場合の例を次に示します。
- 実行例
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#/sbin/vgdisplay -v vg01
- 実行結果
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--- Volume group --- VG Name vg01 ・ ・ --- Physical volumes --- PV Name /dev/mapper/mpath1p1 ・ ・ (以降省略)
下線で示す部分がLVMの物理ボリューム名,すなわちDMMPの論理ボリュームです。また,末尾の「p1」はパーティション番号です。DMMPの論理ボリュームからパーティション番号を除いた値をdmmp_deviceオペランドに指定します。