3.2.6 系切り替え後の負荷集中を避けるサーバの排他制御
HAモニタには,ある系に配置した複数の待機サーバのうち,どれか一つが実行サーバになった場合,ほかの待機サーバを停止させる機能があります。この停止するサーバを排他サーバと呼びます。この機能は,1:1系切り替え構成でも使用できますが,n:1系切り替え構成での使用をお勧めします(nは2以上)。
2:1系切り替え構成のように,一つの予備系に複数の待機サーバを配置する構成では,系切り替え後には,一つの系で複数の業務を実行します。メモリ量やサーバのパフォーマンスなど,系切り替え後の処理性能を考慮する場合に,このサーバの排他制御機能を使用すれば,一つの系で複数の実行サーバが稼働するのを抑止できます。
- 〈この項の構成〉
(1) サーバの排他制御の概要
サーバの排他制御機能を使用するには,あらかじめ,排他サーバを環境設定に指定しておきます。HAモニタは,系で実行サーバが起動した場合,同じ系で稼働しているほかの待機サーバを停止します。ただし,実行サーバとして起動したサーバと同じグループに属する待機サーバは停止しません。同じグループに指定されているため,連動系切り替えをします。
ユーザによって停止されている排他サーバを起動するには,同じ系で稼働している実行サーバを停止させるか,または他系に系切り替えをする必要があります。
サーバの排他制御をする場合の系切り替えの流れを,次の図に示します。この図では,2:1系切り替え構成で,待機サーバ2を排他サーバとして定義しています。
(2) 必要な環境設定
サーバの排他制御機能を使用するには,排他サーバの環境設定が必要です。排他サーバの環境設定については,「8.4.2 排他サーバの環境設定(servers_opt)」を参照してください。