6.22.1 複数系切り替え構成間での設定・定義のチェック
使用するOSに関係なく,同じリセットパスのネットワーク内に系切り替え構成が複数存在するシステムでは,HAモニタの環境設定のaddressオペランドの値,およびHAモニタのリセットパスに設定したポート番号に重複がある場合,系切り替え構成間で次のような事象が発生するおそれがあります。
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系の障害時に,無関係な別の系切り替え構成の系も障害になってしまう。
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系の再起動時に,無関係な別の系切り替え構成の系も障害になってしまう。
これらの事象を事前に回避するため,系切り替え構成が複数存在するシステムの場合は,addressオペランドの値に重複がないか,およびHAモニタのリセットパスに設定したポート番号に重複がないかをチェックします。同じリセットパスのネットワーク内にある機器のリストアップには,IPアドレス検出コマンド(monlistipコマンド)を使用できます。IPアドレス検出コマンド(monlistipコマンド)については,「9.13 monlistip(IPアドレスの検出)」を参照してください。
複数系切り替え構成間での設定・定義のチェック手順を,次の図に示します。
チェック手順の詳細について説明します。番号は,図中の番号と対応しています。
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リセットパスのネットワーク内にある機器をリストアップする。
次のどちらかの方法でリストアップできます。リストアップの漏れがないようにしてください。
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IPアドレス検出コマンド(monlistipコマンド)を実行する。
このコマンドは,どれか一つの系から実行します。実行結果は,csvファイルで出力されます。このファイルをWindows OSのマシンに転送すれば,表計算ソフトで編集できます。以降の手順の調査結果の入力などに利用できます。
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ネットワーク管理者に問い合わせる。
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HAモニタを適用できる機器かどうかを調査する。
手順1.でリストアップした機器の中から,マシンの機種,およびOSを確認し,HAモニタを使用している可能性がある機器かどうかを調査します。HAモニタを適用できるマシンの機種については,リリースノートを参照してください。HAモニタを適用できるOSは,AIX,HP-UX,およびLinuxです。OSの調査方法の例を次に示します。
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telnetでログイン時のプロンプトから判断する。
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リモートシェル(rsh)でunameコマンドを実行し,その結果から判断する。
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HAモニタの使用有無を調査する。
手順2.でHAモニタを使用している可能性があると判断した機器に,HAモニタのディレクトリが存在するかどうかでHAモニタを使用しているかどうかを判断します。手順2.で調査したマシンにログインして次のコマンドを実行します。
ls /opt/hitachi/HAmon
bin,etc,lib,spoolの四つのディレクトリが見つかった場合,HAモニタを使用していると判断できます。
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HAモニタを使用しているすべての機器に設定されている,HAモニタの環境設定のaddressオペランドの値を調査する。
複数の機器で使用しているHAモニタで,addressオペランドの値が重複していないかを確認します。
addressオペランドの値が重複している場合は,手順5.に進みます。重複していない場合,チェックはこれで完了です。
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HAモニタを使用しているすべての機器で,HAモニタの環境設定コマンド(monsetupコマンド)を実行して,リセットパスの設定を調査する。
HAモニタの環境設定コマンド(monsetupコマンド)に-ttyオプション(OSがAIXの場合)または-resetpathオプション(OSがHP-UXまたはLinuxの場合)を指定して,リセットパスの設定内容を調査します。
調査項目を次に示します。
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リセットパスのポート番号
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SVPのポート番号,または接続先の系切替機構のポート番号
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交代用リセットパスのポート番号
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接続先の交代用系切替機構のポート番号
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ポート番号の重複がないかを確認する。
手順4.で調査したaddressオペランドの指定値が重複しているそれぞれの系で,手順5.で調査した項目のどれか一つ以上が重複している場合,手順7.に進みます。重複していない場合,チェックはこれで完了です。
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ポート番号の重複に対処する。
ポート番号が重複している系同士が通信できないように,ネットワークを分けます。