4.6.2 リソースサーバを使用した共有リソースとの接続・切り離しの流れ
リソースサーバを使用する場合,共有リソースとの接続は,リソースサーバの起動と同時に行います。また,共有リソースとの切り離しは,リソースサーバの停止と同時に行います。そのため,HAモニタは,サーバが共有リソースを使用できるように,グループ内に定義されたサーバおよびリソースサーバの起動順序を制御します。
ここでは,リソースサーバを使用する場合の,サーバとリソースサーバの起動順序,共有リソースとの接続および切り離しの流れ,およびサーバとリソースサーバの停止順序について説明します。
なお,リソースサーバを起動するときの実行サーバと待機サーバの決定方法は,ほかのサーバを起動するときと同様です。実行サーバと待機サーバの決定方法については,「4.1.1 HAモニタによるサーバの起動制御」を参照してください。
(1) サーバとリソースサーバの起動順序
HAモニタは,サーバとリソースサーバにグループ内で親子関係を持たせ,親から順番に起動します。サーバグループの例として,サーバ1,サーバ2,およびリソースサーバを含むサーバグループの,親子関係と起動順序を次の図に示します。
リソースサーバを使用するには,ユーザが環境設定で,リソースサーバをサーバ1およびサーバ2の親サーバとして指定します。リソースサーバは必ず最上位の親サーバとして指定します。HAモニタは,指定された親子関係に基づいて,最上位の親サーバから順に起動するように制御します。
(2) 共有リソースとの接続・切り離しの流れ
リソースサーバを使用した場合の,サーバが起動してから障害発生時に系切り替えをするまでの共有リソースとの接続・切り離しの流れについて説明します。ここで説明するサーバグループの親子関係については,「(1) サーバとリソースサーバの起動順序」を参照してください。HAモニタおよびサーバの処理の詳細については,「4.8 処理の流れ」を参照してください。
リソースサーバ使用時の,共有リソースとの接続および切り離しの流れを,次の図に示します。
図で示した接続の流れについて,詳細を説明します。番号は,図中の番号と対応しています。
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オペレータがサーバ1またはサーバ2を起動すると,リソースサーバを起動します。リソースサーバの起動と同時に共有リソースとの接続をします。HAモニタは,リソースサーバの起動が完了するまでは,実行系のサーバ1,およびサーバ2を「リソースサーバの起動待ち状態」にして,起動を待たせます。
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実行系で共有リソースとの接続が完了したあと,HAモニタは,サーバ1,およびサーバ2の起動を完了させます。
また,待機系で,オペレータがサーバ1,またはサーバ2を起動すると,HAモニタは,リソースサーバを起動します。
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サーバ障害が発生すると,HAモニタは連動系切り替えをします。サーバ1にサーバ障害が発生したため,HAモニタは,リソースサーバの停止前にサーバ1およびサーバ2を停止します。
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実行系のサーバ1およびサーバ2の停止が完了すると,HAモニタはリソースサーバを停止します。リソースサーバの停止と同時に共有リソースの切り離しをします。
実行系で,共有リソースの切り離しが完了すると,待機系のリソースサーバが系切り替えを開始します。系切り替えの開始と同時に,共有リソースと接続します。このとき,待機系のサーバ1およびサーバ2は,リソースサーバの系切り替え完了を待つため,「系切り替え完了待ち状態」になります。
なお,サーバ・系の状態表示コマンド(monshowコマンド)を使用すると,サーバ1およびサーバ2の状態は「(ONL)」と表示されます。「(ONL)」は実行サーバの起動中という意味ですが,実際,サーバはリソースサーバの系切り替え完了待ち状態であり,コマンドの表示と実際のサーバの状態が異なります。
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共有リソースとの接続が完了したあと,HAモニタは,待機系のサーバ1,およびサーバ2は実行サーバとして起動させます。このとき,オペレータが実行系のサーバ1またはサーバ2を再起動すると,リソースサーバ,サーバ1およびサーバ2が待機サーバとして起動されます。
(3) サーバとリソースサーバの停止順序
リソースサーバは,リソースサーバを親サーバに指定したサーバがすべて停止すると,自動停止されます。リソースサーバを親サーバに指定していない同一グループ内のサーバが停止しても,リソースサーバは自動停止されません。また,実行中のリソースサーバが停止した場合,対応する待機中のリソースサーバも自動停止されます。