Hitachi

高信頼化システム監視機能 HAモニタ kit for SAP HANA


2.2.5 サーバ障害時の処理の流れ

サーバ(SAP HANAインスタンス)の障害が発生した場合に,HAモニタおよびHAモニタ kitがする処理の流れについて説明します。

〈この項の構成〉

(1) プライマリSAP HANAインスタンス障害時の系切り替え処理の流れ

プライマリSAP HANAインスタンス障害時にHAモニタおよびHAモニタ kitがする系切り替え処理の流れを次の図に示します。

図2‒14 プライマリSAP HANAインスタンス障害時の系切り替え処理の流れ

[図データ]

[図データ]

[図データ]

注※1 HAモニタが,サーバの監視コマンドを実行します(サーバ対応の環境設定のptrlcmd_exオペランドで指定する場合)。

注※2 HAモニタが,サーバの停止コマンドを実行します。

注※3 HAモニタが,サーバの起動コマンドを実行します。

予備系のSAP HANAインスタンスが実行サーバとして起動完了となったあと(系切り替え後)の監視

予備系のSAP HANAインスタンスが実行サーバとして起動完了となったあと(系切り替え後)は,予備系だけで稼働を継続します。予備系だけで稼働しているときは現用系の監視と同じ監視をします(プロセス監視,SQLによる問い合わせ応答監視,およびSystem Replicationの障害監視)。

予備系だけで稼働している状態でSAP HANAインスタンスの障害を検知した場合

予備系だけで稼働している状態でSAP HANAインスタンスの障害を検知すると,メッセージ(KAMK00348-E)を出力して,SAP HANAインスタンスを停止しないで監視を停止します。

再び予備系だけで稼働させる場合は,予備系のサーバをいったん停止して障害の対処をしたあと,再度,予備系のサーバを起動してください。予備系のサーバを起動すると,実行サーバの起動待ち状態となります。そのとき,待ち状態のサーバ起動コマンド(monactコマンド)を実行し,予備系のサーバを実行サーバとして起動してください。

予備系に系切り替えしたあとに,再度系切り替えが可能な状態にする場合

予備系に系切り替えしたあとに,再度系切り替えが可能な状態にするには,現用系でモニタモードのサーバの起動コマンド(monbeginコマンド)を実行し,サーバを起動してください。

現用系でサーバを起動すると待機サーバとして起動します。待機サーバとして起動すると,System Replicationでデータが同期されます。

ただし,System Replicationでのデータの同期中に実行サーバの障害を検知すると,同期が不完全な状態で系切り替えをします。これを防ぐには,データを完全に同期させたあとで,現用系,および予備系のサーバを起動してください。

(2) セカンダリSAP HANAインスタンス障害時の処理の流れ

セカンダリSAP HANAインスタンスの障害時は,セカンダリSAP HANAインスタンスを停止します。

セカンダリSAP HANAインスタンス障害時にHAモニタおよびHAモニタ kitがする処理の流れを次の図に示します。

図2‒15 セカンダリSAP HANAインスタンス障害時の処理の流れ

[図データ]

[図データ]

[図データ]

注※1 HAモニタが,待機サーバの監視コマンドを実行します。

注※2 HAモニタが,待機サーバの停止コマンドを実行します。