3.2.9 HAモニタ kitコマンドの編集
SQL*Plusで使用するコマンド,およびリスナー制御ユティリティのコマンドなどを編集します。HAモニタ kitコマンドは,通常は編集する必要はありません。
- 参考
-
例えば,Oracleの設定でSYSの監査ログ取得が有効化されている場合,SYSユーザでOracleに接続すると,監査ログが監視ごとに出力され,大量のログファイルが生成されます。これを回避するために,Oracleインスタンスの監視時に接続するOracleユーザを変更したい場合,HAモニタ kitコマンドの編集を検討してください。詳細については,「(2)編集例」の「Oracleインスタンスの監視時に接続するOracleユーザを変更する場合」を参照してください。
HAモニタ kitコマンドを編集する場合は,次に示すコマンドの構造,および編集例を参考にして,編集手順に従って編集してください。
HAモニタ kitのコマンドの構造
HAモニタ kitのコマンドの構造を次に示します。
-
サーバの起動コマンドの構造
サーバの起動コマンドと,OracleインスタンスおよびOracleリスナーの起動コマンドの関係を次の図に示します。
図3‒7 サーバの起動コマンドと,OracleインスタンスおよびOracleリスナーの起動コマンドの関係 -
サーバの停止コマンドの構造
サーバの停止コマンドと,OracleインスタンスおよびOracleリスナーの停止コマンドの関係を次の図に示します。
図3‒8 サーバの停止コマンドと,OracleインスタンスおよびOracleリスナーの停止コマンドの関係 -
サーバの監視コマンドの構造
サーバの監視コマンドと,OracleインスタンスおよびOracleリスナーの監視コマンドの関係を次の図に示します。
図3‒9 サーバの監視コマンドと,OracleインスタンスおよびOracleリスナーの監視コマンドの関係(サーバ対応の環境設定のpatrolcommandオペランドでサーバの監視コマンド実行シェルを指定する場合) 図3‒10 サーバの監視コマンドと,OracleインスタンスおよびOracleリスナーの監視コマンドの関係(サーバ対応の環境設定のptrlcmd_exオペランドでサーバの監視コマンドを指定する場合)
(1) 編集手順
HAモニタ kitコマンドを編集する手順を次に示します。手順3は,必要に応じて実施してください。
-
編集したいファイルを,cp -pコマンドでコマンドファイル用ディレクトリからコマンドファイル編集用ディレクトリにコピーします。
- コマンドファイル用ディレクトリ
-
/opt/hitachi/HAmonOra/bin
- コマンドファイル編集用ディレクトリ
-
/opt/hitachi/HAmonOra/bin_ex
-
コマンドファイル編集用ディレクトリのファイルを編集します。
ここでは,haorainsbgnファイルを編集しています。
詳細については,「(2)編集例」を参照してください。
-
HAモニタ kit 01-00からバージョンアップしてから編集する場合だけこの手順を実施します。バージョンアップ後のHAモニタ kitのサーバの起動・停止・監視コマンドのサンプルファイルを使用して,サーバの起動・停止・監視コマンドを再設定します。
詳細は,「3.2.8(1) サーバの起動・停止・監視コマンドの設定」を参照してください。
- 注意事項
-
編集後にHAモニタ kit 01-01以降からバージョンアップした場合は,コマンドファイル編集用ディレクトリ(/opt/hitachi/HAmonOra/bin_ex)に新しいバージョンのファイルがインストールされません。そのため,コマンドファイル用ディレクトリ(/opt/hitachi/HAmonOra/bin)にある新しいバージョンのファイルを,編集手順に従って再度編集しなければならない場合があります。編集が必要なファイルについては,リリースノートの「使用上の注意事項」を参照してください。
(2) 編集例
任意のOracleユーザでOracleに接続したい場合の,HAモニタ kitコマンドの編集例を次に示します。
-
Oracleインスタンスの起動および停止時に接続するOracleユーザを変更する場合
編集内容に従って編集してください。次の編集内容は,パスワード認証したSYSユーザでOracleインスタンスを起動および停止する場合の例です。
- 対象ファイル
-
haorainsbgn,およびhaorainsendsub
- 編集内容
-
編集前
connect△/△as△sysdba
編集後
connect△sys/パスワード△as△sysdba
(凡例) △:半角スペース
ファイル中の該当個所はすべて同様に編集してください。
- 注意事項
-
・Oracleユーザにはsysdba権限が付与されている必要があります。
・パスワード認証とする場合,パスワード有効期限を無期限にしてください。
-
Oracleインスタンスの監視時に接続するOracleユーザを変更する場合
編集内容に従って編集してください。ただし,DB_NOACCESSにyesを指定した場合,Oracleインスタンスの監視時にOracleへ接続しないため,編集する必要はありません。
- 対象ファイル
-
haorainsptlsub,およびhaorainsptl.sql
- 編集内容1(パスワード認証したSYSTEMユーザでOracleインスタンスを監視する場合)
-
編集前
connect△/△as△sysdba
編集後
connect△system/パスワード
(凡例) △:半角スペース
ファイル中の該当個所はすべて同様に編集してください。
- 注意事項
-
パスワード認証とする場合,パスワード有効期限を無期限にしてください。
- 編集内容2(OS認証した一般DBユーザでOracleインスタンスを監視する場合)
-
編集前
connect△/△as△sysdba
編集後
connect△/
(凡例) △:半角スペース
ファイル中の該当個所はすべて同様に編集してください。
- 注意事項
-
・サーバの監視コマンド実行シェル「patrol.sh」のORACLE_USER環境変数に,新たに作成したOSユーザのアカウント名を指定してください。
・OS認証した一般DBユーザを作成してください。
・一般DBユーザにDBAロールおよびCONNECTロールを付与してください。