3.2.6 Oracleのセットアップ・データベースの構築
Oracleのインストールが完了したら,Oracleのセットアップ・データベースの構築を実施します。Oracleのセットアップ・データベースの構築手順については,Oracleのマニュアルを参照してください。
ここでは,データベースの構築時,およびOracleリスナーの構築時の注意事項について説明します。
- 〈この項の構成〉
(1) データベースの構築
ここでは,系切り替え構成に対応したデータベースを構築するために必要な設定について説明します。データベースの構築時には,次の項目を参照して設定してください。
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データベースの構築は,Oracleインスタンスを稼働させる系のどれか一つから実施してください。
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データベースは,HAモニタが制御できるファイルシステムに作成してください。
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データベースを構成する次のファイルは,共有ディスク上に格納してください。
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サーバー・パラメータファイル
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制御ファイル
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データファイル
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REDOログファイル
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アーカイブログファイル
サーバー・パラメータファイル(SPFILE)がローカルディスクに作成されている場合は,ファイルを共有ディスクに移動してから,次のどちらかを実施してください。
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初期化パラメータファイル(PFILE)に移動先のサーバー・パラメータファイルのパスを定義する。
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移動元のディレクトリに,移動先のサーバー・パラメータファイルのシンボリックリンクを作成し,移動前のパスから参照できるようにする。
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フラッシュリカバリ領域には,共有ディスク上のパスを指定してください。
(2) Oracleリスナーの構築
Oracleリスナーの構築は,現用系・予備系の全系で実施します。
クライアント接続用のIPアドレス(エイリアスIPアドレス)を使用するため,Oracleリスナー構築後に次の設定をしてください。
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/etc/hostsファイルに使用する,エイリアスIPアドレスとホスト名を登録します。全系で同じ名称にしてください。
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Oracleのローカル・ネーミング・パラメータのファイル(tnsnames.ora)のネット・サービス名のホストを,手順1.で登録したエイリアスIPアドレスのホスト名に変更します。
設定例を次に示します。
- /etc/hostsファイルの例
192.168.0.11 server1 # alias IP address
- tnsnames.oraの例
ORCL1 = (DESCRIPTION = (ADDRESS = (PROTOCOL = TCP)(HOST = server1)(PORT = 1521)) (CONNECT_DATA = (SERVER = SHARED) (SERVICE_NAME = orcl1) ) )
- 参考
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クライアントでは,手順2.で修正したtnsnames.oraを使用して,登録したホスト名で接続してください。
# sqlplus user/passwd@server1/ORCL1