Hitachi

高信頼化システム監視機能 HAモニタ kit for Oracle


3.2.9 定義ファイルの作成(サーバ)

HAモニタ kitの設定が完了したら,「3.1.1 Oracleの構成と系切り替え単位の検討」で決定したサーバごとに,HAモニタのサーバ対応の環境設定を作成します。作成方法については,マニュアル「HAモニタ Linux(R)編」の「サーバ対応の環境設定(servers)」の説明を参照してください。

サーバ対応の環境設定のオペランドで注意が必要なものについてだけ,次の表に示します。

表3‒6 注意が必要なサーバ対応の環境設定のオペランド

オペランド名

注意事項

name

4.2 サーバの起動コマンドの設定」で設定した,サーバの起動コマンドの絶対パスを指定します。

acttype

monitorを指定します。

termcommand

4.3 サーバの停止コマンドの設定」で設定した,サーバの停止コマンドの絶対パスを指定します。

patrolcommand

Oracleのデータベース構成が,シングル構成で,サーバ対応の環境設定のpatrolcommandオペランドでサーバの監視コマンド実行シェルを指定する場合に指定します。

4.5.2 サーバの監視コマンド実行シェル」で設定した,サーバの監視コマンド実行シェルの絶対パスを指定します。

ptrlcmd_ex

Oracleのデータベース構成が次の場合に指定します。

  • CDB(シングルテナント)構成の場合

  • シングル構成で,サーバ対応の環境設定のptrlcmd_exオペランドでサーバの監視コマンドを指定する場合

HAモニタの機能によって,サーバ稼働中にOracleインスタンスおよびOracleリスナーの監視を一時停止および再開できるため,このオペランドを指定することを推奨します。

3.2.7(1) サーバの起動・停止・監視コマンドの設定」で設定した,サーバの監視コマンドの絶対パスを指定します。

ptrlcmd_ex_inter

サーバ対応の環境設定のptrlcmd_exオペランドでサーバの監視コマンドを指定する場合に指定します。5秒を指定してください。

ptrlcmd_ex_retry

サーバ対応の環境設定のptrlcmd_exオペランドでサーバの監視コマンドを指定する場合に指定します。ptrlcmd_exオペランドに指定したサーバの監視コマンドで監視処理に失敗した場合に,監視をリトライする回数を指定します。

サーバの監視コマンドが一時的に失敗する場合を考慮して,2回リトライすることを推奨します。

ptrlcmd_ex_tmout

サーバ対応の環境設定のptrlcmd_exオペランドでサーバの監視コマンドを指定する場合に指定します。

OracleインスタンスおよびOracleリスナーのスローダウンの検知については,PATROLで監視しますが,ptrlcmd_ex_tmoutオペランドではサーバの監視コマンドの無応答を監視します。監視がいつまでも無応答とならないようにするため,ptrlcmd_ex_tmoutオペランドの指定を推奨します。ただし,監視時間が小さいと誤検知につながりますので,十分大きな値を指定してください。

目安として,サーバの監視コマンドの開始から終了までの時間(監視するOracleインスタンスおよびOracleリスナーのPATROL値の総和)の2倍以上の値を指定してください。

(例)

Oracleインスタンス数が1でPATROLが120秒,Oracleリスナー数が1でPATROLが120秒である場合,480以上を指定します((120秒+120秒)×2=480秒)。

servexec_retry

0を指定することを推奨します。

ただし,サーバ障害を検出した際に再起動をしたい場合は,指定を省略するか,または再起動回数を指定してください。

waitserv_exec

yesを指定します。

group

3.1.1 Oracleの構成と系切り替え単位の検討」で検討したとおり,サーバを分けてグループ化する場合に指定します。同じグループのサーバには,同じグループ名を指定します。

start_timeout

このオペランドを指定する場合は,HAモニタの環境設定のtermcmd_at_abortオペランドにyesを指定し,タイムアウト時にサーバの停止コマンドを実行して,再起動できるようにします。

stop_timeout

指定しないでください。stop_timeoutオペランドの指定による停止処理のタイムアウトでは,OracleインスタンスおよびOracleリスナーの強制停止が実行されない場合があります。