はじめに
このマニュアルは,Hitachi HA Toolkitの機能および使用方法について説明したものです。
Hitachi HA Toolkitは,クラスタソフトを使用して構築したクラスタシステムで,サーバ(OpenTP1またはHiRDB)の障害を監視する製品です。
Hitachi HA Toolkit Extensionが対応しているクラスタソフトおよび適用OSを次に示します。
クラスタソフト |
適用OS |
---|---|
MC/ServiceGuard |
HP-UX |
CLUSTERPRO |
Windows |
Microsoft Cluster Service |
|
Microsoft Failover Cluster |
|
Windows Server Failover Cluster |
MC/ServiceGuardは,米国Hewlett-Packard Companyが開発した製品です。
なお,このマニュアルで説明する各クラスタソフトに関する記述については,各クラスタソフトのマニュアルを参照してください。
- 〈はじめにの構成〉
■ 対象読者
サーバの障害を監視するシステムを構築・運用する,システム管理者およびオペレーターの方を対象とします。
Hitachi HA Toolkitは,クラスタソフトを使用して構築されたクラスタシステム上で使用することを前提としています。また,対象となるサーバはOpenTP1またはHiRDBのため,次の知識をお持ちの方を前提とします。
-
クラスタソフトの知識
-
OpenTP1,またはHiRDBの知識
-
OSでのクラスタシステムの知識
■ 適用OSによる違いについて
(1) クラスタソフトの記述について
このマニュアルでは,MC/ServiceGuard,MSCS,WSFCまたはCLUSTERPROに機能差がない説明については,クラスタソフトと総称しています。操作およびメッセージの説明で使用している用語は,お使いのクラスタソフトによって,次のとおり読み替えてください。なお,Windows Server 2008以降かつWSFCをお使いの場合は「(2) Windowsのバージョンによる違いについて」を参照してください。
このマニュアルで使用している用語 |
MC/ServiceGuard (適用OS:HP-UX) |
MSCS (適用OS:Windows Server 2003 R2まで) |
CLUSTERPRO (適用OS:Windows) |
---|---|---|---|
サービスグループ |
パッケージ |
グループ |
グループ |
オンライン |
起動 |
オンライン |
起動 |
オフライン |
停止 |
オフライン |
停止 |
(2) Windowsのバージョンによる違いについて
Windows Server 2008以降かつWSFCを使用している場合,マニュアル中で使用している用語の一部がWindows Server 2003 R2までと異なります。Windows共通の記述では,OSがWindows Server 2003 R2までであることを前提に記述しています。
Windows Server 2008以降かつWSFCをお使いの場合,次のとおり読み替えてください。
このマニュアルでの Windows Server 2003 R2までの用語 |
このマニュアルでの Windows Server 2008での用語 |
このマニュアルでの Windows Server 2012以降の用語 |
---|---|---|
MSCS |
WSFC※ |
WSFC※ |
クラスタアドミニストレータ |
|
フェールオーバー クラスター マネージャー |
グループ,リソースグループ |
サービス |
役割 |
オンライン,オフライン |
オンライン,オフライン |
開始,停止 |
リソースの障害操作 |
リソースの障害操作 |
リソースの「他のアクション」−「エラーのシミュレート」の実行 |
- 注※
-
同じ機能を指す言葉として「MSFC」がありますが,このマニュアルでは表記を「WSFC」で統一しています。お使いのWindows環境に応じて読み替えてください。
■ このマニュアルで使用している記号
このマニュアルで使用する文法記述記号,構文要素記号,および注意の記号を説明します。
(1) 文法記述記号
文法記述記号 |
意味 |
---|---|
[ ] |
この記号で囲まれているオペランドは省略できることを示します。 |
{ } |
この記号で囲まれている項目のうち一つを選択することを示します。 (例){Y|N} 「Y」または「N」を選択することを示します。 |
| |
選択する項目の区切りを示します。 |
〜 |
この記号の前に示された項目が,記号〜に続く< >,《 》,(( ))などの規則に従わなければならないことを示します。 |
< > |
ユーザー指定値の構文要素を示します。 (例)<符号なし整数> 符号なし整数を指定することを示します。 |
(( )) |
ユーザー指定値の指定範囲を示します。 (例)((0〜32767)) 0から32767の範囲で指定することを示します。 |
《 》 |
ユーザー指定値を任意の文字列や数値で指定する場合,指定を省略したときに仮定される省略値を示します。 (例)((0〜32767))《10》 このユーザー指定値を省略した場合,「10」が仮定されることを示します。 |
下線 |
該当オペランドを省略した場合の,仮定値を示します。 (例){switch|manual|restart} switchを仮定値にすることを示します。 |
(2) 構文要素記号
構文要素記号 |
意味 |
---|---|
<符号なし整数> |
数字列(0〜9) |
<英数字> |
アルファベット(A〜Z,a〜z),_,および数字(0〜9) |
<パス名> |
先頭がアルファベット(A〜Z,a〜z)の英数字記号列,「/」(スラント),「-」(ハイフン),「_」(アンダスコア)および「.」(ピリオド) |
■ 図中で使用する記号
このマニュアルの図中で使用する記号を,次のように定義します。