8.4.8 RANDOM_NORMAL
平均μ,標準偏差σの正規分布に従う擬似乱数を返します。
なお,RANDOM_NORMALのほかにも擬似乱数を返すスカラ関数が幾つかあります。擬似乱数を返すスカラ関数の仕様差を確認して,用途に合ったスカラ関数を使用してください。擬似乱数を返すスカラ関数の仕様差については,「8.4.5 RANDOM」の「(6) 擬似乱数を返すスカラ関数の一覧」を参照してください。
- 〈この項の構成〉
(1) 指定形式
スカラ関数RANDOM_NORMAL::=RANDOM_NORMAL(〔平均μ,標準偏差σ〕) 平均μ::=値式 標準偏差σ::=値式
(2) 指定形式の説明
- 平均μ:
-
平均μを指定します。引数の指定を省略した場合,平均μには0が仮定されます。
指定規則を次に示します。
-
平均μは,値式の形式で指定します。値式については,「7.21 値式」を参照してください。
-
平均μには,数データを指定してください。数データについては,「6.2.1 データ型の種類」の「(1) 数データ」を参照してください。
-
平均μに?パラメタを単独で指定した場合,DOUBLE PRECISION型が仮定されます。
-
- 標準偏差σ:
-
標準偏差σを指定します。引数の指定を省略した場合,標準偏差σには1(標準正規分布)が仮定されます。
指定規則を次に示します。
-
標準偏差σは,値式の形式で指定します。値式については,「7.21 値式」を参照してください。
-
標準偏差σには,数データを指定してください。数データについては,「6.2.1 データ型の種類」の「(1) 数データ」を参照してください。
-
標準偏差σには,0以上の値を指定してください。
-
標準偏差σに?パラメタを単独で指定した場合,DOUBLE PRECISION型が仮定されます。
-
(3) 規則
-
実行結果のデータ型は,DOUBLE PRECISION型になります。
-
実行結果の値は,非ナル値制約なし(ナル値を許す)となります。
-
平均μまたは標準偏差σがナル値であれば,実行結果もナル値になります。
-
平均μと標準偏差σをそれぞれDOUBLE PRECISION型に変換したあとで,実行結果を計算します。
-
実行結果のデータ型で実行結果を表現できなくなった場合,オーバフローエラーになります。
(4) 留意事項
このスカラ関数は,暗号用途への使用には適していません。
(5) 例題
- 例題
-
表T1で,平均μが30で標準偏差σが20の正規分布に従うDOUBLE PRECISION型の値を求めます。
なお,SELECT文を実行するたびに,検索結果の値が変わります。
SELECT RANDOM_NORMAL(30,20) FROM "T1"