20.2.1 指定形式およびオプションの説明
- 〈この項の構成〉
(1) 指定形式
adbinit -u 認可識別子 〔-p パスワード〕 初期設定オプションファイル名 DBディレクトリ名
(2) オプションの説明
- ●-u 認可識別子
-
〜〈文字列〉((1〜100バイト))
HADBサーバの初期設定時に作成される,1人目のHADBユーザの認可識別子を指定します。なお,この1人目のHADBユーザには,DBA権限とCONNECT権限が自動的に付与されます。
このオプションに指定する認可識別子は,1~100バイトの範囲で指定してください。ただし,認可識別子を囲む二重引用符は,1~100バイトには含みません。
指定時の規則を次に示します。
-
認可識別子に使用できる文字は,半角の英大文字,半角の英小文字,半角の数字,\(バックスラッシュ),#,および@です。
-
認可識別子の文字列中に英小文字がある場合は,認可識別子を\"(バックスラッシュと二重引用符)で囲んでください。または,認可識別子を二重引用符(")で囲み,さらにアポストロフィ(')で囲んでください。
(例1)-u \"ADBuser01\"
(例2)-u '"ADBuser01"'
上記のように指定しないと,認可識別子の文字列はすべて英大文字と見なされます。例えば,「-u ADBuser01」と指定した場合,「-u ADBUSER01」と指定したと見なされます。
-
認可識別子の文字列中に\がある場合は,\の直前にエスケープ文字(\)を指定してください。または,認可識別子をアポストロフィ(')で囲んでください。
(例1)-u ADBUSER\\01
(例2)-u 'ADBUSER\01'
この場合,ADBUSER\01が認可識別子として指定されます。
認可識別子の指定規則の詳細については,マニュアルHADB システム構築・運用ガイドの認可識別子の指定規則を参照してください。
- メモ
-
初期設定後,HADBサーバに接続するために,adbinitコマンドで指定した認可識別子およびパスワードが必要になります。
-
- ●-p パスワード
-
〜〈文字列〉((1〜255バイト))
HADBサーバの初期設定時に作成される,1人目のHADBユーザのパスワードを指定します。
指定時の規則を次に示します。
-
パスワードに使用できる文字は,半角の英大文字,半角の英小文字,半角の数字,および次に示す半角の記号です。
\ @ ` ! " # $ % & ' ( ) * : + ; [ ] { } , = < > | - . ^ ~ / ? _
-
-uオプションに指定する認可識別子とは異なり,パスワードの指定は英大文字と英小文字が区別されます。
-
二重引用符("),ストローク(|)など,OSやシェルが別の意味で使用している文字がパスワードに含まれる場合は,その文字の直前にエスケープ文字(\)を指定してください。または,パスワードをアポストロフィ(')で囲んでください。
(例1)-p Password\|01
(例2)-p 'Password|01'
この場合,Password|01がパスワードとして指定されます。
パスワードの指定規則の詳細については,マニュアルHADB システム構築・運用ガイドのパスワードの指定規則を参照してください。
なお,このオプションを省略してadbinitコマンドを実行すると,パスワードの入力を求める応答メッセージが表示されます。その場合は,標準入力からパスワードを入力してください。
- メモ
-
ここで指定したパスワードは,ALTER USER文で変更できます。パスワードの変更方法については,マニュアルHADB システム構築・運用ガイドのHADBユーザのパスワードを変更する方法を参照してください。
- 重要
-
-uオプションと-pオプションでは,文字列中に英小文字が含まれているときの指定方法が異なります。
指定例を次に示します。
- (例1)認可識別子にADBUSER01,パスワードにPASSWORD01を指定する場合
-
adbinit -u ADBUSER01 -p PASSWORD01
- (例2)認可識別子にADBuser01,パスワードにPassword01を指定する場合
-
adbinit -u \"ADBuser01\" -p Password01
- (例3)認可識別子にADBuser\01,パスワードにPassword\01を指定する場合
-
adbinit -u \"ADBuser\\01\" -p Password\\01
-
- ●初期設定オプションファイル名
-
〜〈OSパス名〉((1〜1,023バイト))
初期設定オプションを記述したファイルの絶対パス名または相対パス名を指定します。初期設定オプションについては,「20.2.2 初期設定オプションの形式」を参照してください。
- ●DBディレクトリ名
-
〜〈パス名〉((2〜510バイト))
DBディレクトリ名を絶対パス名で指定します。サーバ定義のadb_db_pathオペランドに指定したDBディレクトリ名を指定してください。
adbinitコマンドを実行すると,ここで指定したDBディレクトリ下にDBエリアファイルの実体またはシンボリックリンクが作成されます。
- メモ
-
クラウドストレージ機能を使用する場合,DBディレクトリ下には作業表用DBエリアファイルの実体またはシンボリックリンクだけが作成されます。
注意事項を次に示します。
-
DBディレクトリを複数作成することはできません。
-
既存のDBディレクトリを指定した場合,DBディレクトリ下のファイルのうち,上書きされるものはいったん削除されてから再作成されます。
-
DBディレクトリは,サーバディレクトリ下に作成しないでください。また,ルートディレクトリをDBディレクトリにすることはできません。