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Hitachi Advanced Data Binder コマンドリファレンス


38.5.15 #SET NULL(ナル値の表示形式の指定)

〈この項の構成〉

(1) 機能

検索結果がナル値の場合に表示される文字列(ナル値表示文字列)を指定します。

ナル値の場合に表示される文字列の既定値は,環境変数ADBSQLNULLCHARの指定値になります。環境変数ADBSQLNULLCHARを設定していない場合,既定値はアスタリスク(*)になります。

(2) 指定形式

#SET NULL {〔ナル値の場合に表示される文字列〕
             |REPEAT ナル値の場合に表示される埋め字
             |DELETE};
 
  ナル値の場合に表示される文字列::=文字列定数
  ナル値の場合に表示される埋め字::=文字列定数

(3) オプションの説明

ナル値の場合に表示される文字列

検索結果がナル値の場合に,表示される文字列を指定します。

指定規則を次に示します。

  • 文字列をアポストロフィ( ' )で囲んで指定します。

    (例)'NULL'

  • 0バイトから32バイトの文字列が指定できます。

  • このオプションを省略した場合,またはこのオプションに0バイトの文字列を指定した場合,検索結果がナル値のときには空白が表示されます。

  • 指定する文字列中にアポストロフィ( ' )が含まれる場合は,1個のアポストロフィを表す際にアポストロフィを2個指定してください。例えば,ナル値の場合に表示される文字列をN'ULLにしたい場合は次のように指定します。

    'N''ULL'

REPEAT ナル値の場合に表示される埋め字

検索結果がナル値の場合に,繰り返して表示する文字(埋め字)を指定します。指定した埋め字を検索結果で表示できる幅の分だけ繰り返した文字列が,ナル値の場合に表示される文字列になります。

指定規則を次に示します。

  • 埋め字をアポストロフィ( ' )で囲んで指定します。

    (例)':'

  • 指定する埋め字の長さは,1バイトにしてください。

  • 埋め字をアポストロフィ( ' )にする場合は,次のように指定してください。

    ''''

DELETE

検索結果がナル値の場合に表示される文字列を,既定値に戻します。

(4) 実行例

ナル値を既定値で表示する場合

SELECT CAST(NULL AS CHAR(4)) FROM "T1";     ...1
 
 EXP0001_NO_NAME
 ---------------
            ****                            ...2
[説明]
  1. #SET NULLを実行しないで,SQL文を実行します。

  2. 検索結果がナル値の場合,環境変数ADBSQLNULLCHARの指定値が表示されます。環境変数ADBSQLNULLCHARを設定していないときは,アスタリスク(*)が表示されます。

ナル値を文字列で表示する場合

#SET NULL 'NULL';                            ...1
SELECT CAST(NULL AS CHAR(4)) FROM "T1";      ...2
 
 EXP0001_NO_NAME
 ---------------
            NULL                             ...3
[説明]
  1. ナル値の場合に表示される文字列にNULLを指定して,#SET NULLを実行します。

  2. SQL文を実行します。

  3. 検索結果がナル値の場合,NULLが表示されます。

ナル値を空白で表示する場合

#SET NULL '';                               ...1
SELECT CAST(NULL AS CHAR(4)) FROM "T1";     ...2
 
 EXP0001_NO_NAME
 ---------------
                                            ...3
[説明]
  1. ナル値の場合に表示される文字列に0バイトの文字列を指定して,#SET NULLを実行します。

  2. SQL文を実行します。

  3. 検索結果がナル値の場合,空白が表示されます。

ナル値をコロン(:)で表示する場合(埋め字指定の場合)

#SET NULL REPEAT ':';                       ...1
SELECT CAST(NULL AS CHAR(4)) FROM "T1";     ...2
 
 EXP0001_NO_NAME
 ---------------
            ::::                            ...3
[説明]
  1. ナル値の場合に表示される埋め字にコロン(:)を指定して,#SET NULLを実行します。

  2. SQL文を実行します。

  3. 検索結果がナル値の場合,検索結果で表示できる幅の分だけ,コロン(:)が繰り返し表示されます。

(5) 留意事項