はじめに
このマニュアルは,Hitachi Advanced Data Binderで使用するAPを開発するための基礎技術,およびHADBクライアントの環境設定方法について説明しています。
なお,このマニュアル中,および製品が出力する情報中(メッセージ,コマンドの出力結果など)では,Hitachi Advanced Data BinderをHADBと表記することがあります。
- 〈はじめにの構成〉
■ 対象製品
-
P-8462-C611 Hitachi Advanced Data Binder 05-10 (適用OS:Red Hat Enterprise Linux Server 7(64-bit x86_64),Red Hat Enterprise Linux Server 8(64-bit x86_64))
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P-8862-C811 Hitachi Advanced Data Binder 05-10 (適用OS:Red Hat Enterprise Linux Server 9(64-bit x86_64))
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P-9W62-C311 Hitachi Advanced Data Binder Client 05-10 (適用OS:Red Hat Enterprise Linux Server 7(64-bit x86_64),Red Hat Enterprise Linux Server 8(64-bit x86_64),Red Hat Enterprise Linux Server 9(64-bit x86_64))
-
P-2462-C114 Hitachi Advanced Data Binder Client 05-10 (適用OS:Windows 10,Windows 11,Windows Server 2012,Windows Server 2012 R2,Windows Server 2016,Windows Server 2019,Windows Server 2022)
これらのプログラムプロダクトのほかにもこのマニュアルをご利用になれる場合があります。詳細は「リリースノート」でご確認ください。
■ 対象読者
このマニュアルは,次に示す方々を対象にしています。
-
AP開発者
-
HADBクライアントの管理者
なお,このマニュアルは次に示す知識があることを前提に説明しています。
-
SQLの基本的な知識
-
Java言語のプログラミングの基本的な知識,およびJDBCの基本的な知識(Java言語のAPを作成する場合)
-
ODBCの基本的な知識(ODBC対応のAPを作成する場合)
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C言語またはC++言語のプログラミングの基本的な知識(C言語またはC++言語のAPを作成する場合)
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LinuxまたはWindowsのシステム管理の基本的な知識
■ マニュアルの構成
このマニュアルは,次に示す編,章と付録から構成されています。
- 第1編 環境設定編【共通】
-
- 第1章 AP開発の概要
-
AP開発の流れ,APを開発する前に知っておく必要がある前提条件,およびAPの実行形態について説明しています。
- 第2章 クライアント定義の設計
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クライアント定義のオペランドの指定形式,内容,および文法規則について説明しています。
- 第3章 JDBCドライバの環境設定
-
JDBCドライバのインストールや環境変数の設定など,JDBCドライバの環境設定方法について説明しています。
- 第4章 HADBクライアントの環境設定(ODBCドライバおよびCLI関数を使用する場合)
-
HADBクライアントのインストールや環境変数の設定など,HADBクライアントの環境設定方法について説明しています。
- 第2編 AP作成編【共通】
-
- 第5章 APの性能向上に関する設計
-
APの性能向上に関する設計について説明しています。
- 第6章 APのチューニング
-
アクセスパスの見方について説明しています。
- 第3編 AP作成編【JDBC】
-
- 第7章 APの作成
-
JDBCドライバを使用したAPの作成方法について説明しています。
- 第8章 JDBC 1.2 API
-
JDBC 1.2 APIの各インタフェースとメソッドについて説明しています。
- 第9章 JDBC 2.1 コアAPI
-
JDBC 2.1 コアAPIで追加された機能のHADBでのサポート範囲について説明しています。
- 第10章 JDBC 2.0 Optional Package
-
JDBC 2.0 Optional Packageの各インタフェースとメソッドについて説明しています。
- 第11章 JDBC 3.0 API
-
JDBC 3.0 APIの各インタフェースとメソッドについて説明しています。
- 第12章 JDBC 4.0 API
-
JDBC 4.0 APIの各インタフェースとメソッドについて説明しています。
- 第13章 JDBC 4.1 API
-
JDBC 4.1 APIで追加された機能に対するHADBでのサポート範囲について説明しています。
- 第14章 JDBC 4.2 API
-
JDBC 4.2 APIで追加された機能に対するHADBでのサポート範囲について説明しています。
- 第4編 AP作成編【ODBC】
-
- 第15章 APの作成
-
HADB ODBCドライバの環境設定,およびODBC対応のAP作成時の留意事項について説明しています。
- 第16章 ODBC関数
-
HADBが提供しているODBC関数の機能と文法について説明しています。
- 第17章 トラブルシュート
-
ODBCインタフェース使用時のトラブルシュートについて説明しています。
- 第5編 AP作成編【CLI関数】
-
- 第18章 APの作成
-
C言語およびC++言語でAPを設計,作成するときに考慮する必要がある基本事項について説明しています。
- 第19章 CLI関数
-
HADBが提供しているCLI関数の機能と文法について説明しています。
- 付録A サンプルAP
-
サンプルAPの概要,およびサンプルAPを実行するための準備と手順について説明しています。
- 付録B HADBクライアントのディレクトリの構成
-
HADBクライアントのクライアントディレクトリ(インストール時),およびクライアントディレクトリ(運用時)の構成について説明しています。
- 付録C HADBクライアントのメモリ所要量の見積もり
-
HADBクライアントが使用するメモリ所要量の見積もりについて説明しています。
■ 関連マニュアル
このマニュアルの関連マニュアルを次に示します。必要に応じてお読みください。
-
Hitachi Advanced Data Binder システム構築・運用ガイド(3000-6-501)
-
Hitachi Advanced Data Binder コマンドリファレンス(3000-6-503)
-
Hitachi Advanced Data Binder SQLリファレンス(3000-6-504)
-
Hitachi Advanced Data Binder メッセージ(3000-6-505)
-
Hitachi Code Converter(UNIX編)(3020-7-358)
-
高信頼化システム監視機能 HAモニタ Linux(R)(x86)編(3000-9-201)
-
高信頼化システム監視機能 HAモニタ パブリッククラウド編(3000-9-204)
-
JP1 Version 11 JP1/Base 運用ガイド(3021-3-A01)
-
JP1 Version 11 JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(業務設計編)(3021-3-B14)
-
JP1 Version 11 JP1/Audit Management - Manager 構築・運用ガイド(3021-3-A17)
-
JP1 Version 12 JP1/Base 運用ガイド(3021-3-D65)
-
JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(業務設計編)(3021-3-D23)
なお,Hitachi Advanced Data Binderのマニュアルを本文中で参照させる場合は,Hitachi Advanced Data BinderをHADBと表記します。
(例) HADB システム構築・運用ガイド
また,HAモニタのマニュアルを本文中で参照させる場合は,次のように表記します。
-
高信頼化システム監視機能 HAモニタ Linux(R)(x86)編をHAモニタ Linux(R)(x86)編と表記します。
(例) HAモニタ Linux(R)(x86)編
-
高信頼化システム監視機能 HAモニタ パブリッククラウド編をHAモニタ パブリッククラウド編と表記します。
(例) HAモニタ パブリッククラウド編
JP1/Baseのマニュアルを本文中で参照させる場合は,JP1 Version 11 JP1/Base 運用ガイドまたはJP1 Version 12 JP1/Base 運用ガイドをJP1/Base 運用ガイドと表記します。
(例) JP1/Base 運用ガイド
JP1/AJS3のマニュアルを本文中で参照させる場合は,JP1 Version 11 JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(業務設計編)またはJP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(業務設計編)をJP1/AJS3 設計ガイド(業務設計編)と表記します。
(例) JP1/AJS3 設計ガイド(業務設計編)
JP1/Auditのマニュアルを本文中で参照させる場合は,JP1 Version 11 JP1/Audit Management - Manager 構築・運用ガイドをJP1/Audit 構築・運用ガイドと表記します。
(例) JP1/Audit 構築・運用ガイド
■ このマニュアルで使用する製品名・機能名
このマニュアルでは,製品名を次のように表記しています。
表記 |
製品名 |
|
---|---|---|
HADB |
HADBサーバ |
Hitachi Advanced Data Binder |
HADBクライアント |
Hitachi Advanced Data Binder Client |
|
Linux |
RHEL 7 |
Red Hat Enterprise Linux Server 7(64-bit x86_64) |
RHEL 8 |
Red Hat Enterprise Linux Server 8(64-bit x86_64) |
|
RHEL 9 |
Red Hat Enterprise Linux Server 9(64-bit x86_64) |
|
HDLM |
Hitachi Dynamic Link Manager Software |
|
Hitachi Code Converter |
Hitachi Code Converter - Runtime for C/COBOL(64) |
|
JP1/AJS3 |
JP1/Automatic Job Management System 3 |
|
JP1/Audit |
JP1/Audit Management - Manager |
■ このマニュアルで使用する英略語
このマニュアルで使用する英略語を次に示します。
英略語 |
英字での表記 |
---|---|
AD |
Active Directory |
Amazon S3 |
Amazon Simple Storage Service |
AP |
Application Program |
APD |
Application Parameter Descriptor |
API |
Application Programming Interface |
ARD |
Application Row Descriptor |
AWS |
Amazon Web Services |
BI |
Business Intelligence |
BLOB |
Binary Large Object |
BNF |
Backus-Naur Form |
BOM |
Byte Order Mark |
CLI |
Call Level Interface |
CLOB |
Character Large Object |
CPU |
Central Processing Unit |
CSV |
Character-Separated Values |
DB |
Database |
DBMS |
Database Management System |
DMMP |
Device Mapper Multipath |
DNS |
Domain Name System |
DRBD |
Distributed Replicated Block Device |
EBS |
Amazon Elastic Block Store |
EC2 |
Amazon Elastic Compute Cloud |
EFS |
Amazon Elastic File System |
ELF |
Executable and Linking Format |
ER |
Entity Relationship |
HBA |
Host Bus Adapter |
HDD |
Hard Disk Drive |
ID |
Identification number |
IEF |
Integrity Enhancement Facility |
IP |
Internet Protocol |
IPD |
Implementation Parameter Descriptor |
IRD |
Implementation Row Descriptor |
JAR |
Java Archive File |
JDBC |
Java Database Connectivity |
JDK |
Java Developer's Kit |
JNDI |
Java Naming and Directory Interface |
JRE |
Java Runtime Environment |
JSON |
JavaScript Object Notation |
JTA |
Java Transaction API |
LDAP |
Lightweight Directory Access Protocol |
LOB |
Large Object |
LRU |
Least Recently Used |
LV |
Logical Volume |
LVM |
Logical Volume Manager |
LWP |
Light Weight Process |
MSDN |
Microsoft Developer Network |
NFS |
Network File System |
NIC |
Network Interface Card |
NTP |
Network Time Protocol |
ODBC |
Open Database Connectivity |
OS |
Operating System |
OSS |
Open Source Software |
PAM |
Pluggable Authentication Module |
PP |
Program Product |
PV |
Physical Volume |
PVC |
Persistent Volume Claim |
RAID |
Redundant Array of Independent Disks |
RDBMS |
Relational Database Management System |
SELinux |
Security-Enhanced Linux |
SSD |
Solid State Drive |
SSSD |
System Security Services Daemon |
TLB |
Translation Lookaside Buffer |
URL |
Uniform Resource Locator |
VG |
Volume Group |
VPC |
Amazon Virtual Private Cloud |
WWN |
World Wide Name |
XFS |
Extents File System |
■ このマニュアルで使用する記号
サーバ定義などのオペランド,およびコマンドの説明で使用している記号を次に示します。
なお,これらの記号は説明のために使用している記号のため,オペランドまたはコマンド中に記述しないでください。
記号 |
意味 |
例 |
---|---|---|
〔 〕 |
この記号で囲まれている項目は省略できます。 |
adbsql 〔-V〕 この例の場合,adbsqlと指定してもよいし,adbsql -Vと指定してもよいことを意味しています。 |
{ } |
この記号で囲まれている複数の項目のうちから,1つを選択できます。 |
adbcancel {--ALL|-u コネクションID} この例の場合,--ALLまたは-u コネクションIDのどちらかを指定できることを意味しています。 |
… |
この記号の直前の項目を繰り返し指定できます。 |
adbbuff -n DBエリア名〔,DBエリア名〕… この例の場合,DBエリア名を繰り返し指定できることを意味しています。 |
{{ }} |
この記号で囲まれた複数の項目を1つの単位として,繰り返し指定できます。 |
{{adbinitdbarea -n データ用DBエリア名}} この例の場合,「adbinitdbarea -n データ用DBエリア名」を繰り返し指定できることを意味しています。 |
_ (下線) |
この記号で示す項目は,省略時の解釈値です。 |
adb_import_errmsg_lv = {0|1} この例の場合,オペランドの指定を省略したとき,0が仮定されることを意味しています。 |
〜 |
この記号のあとに,指定値の属性を説明しています。 |
adb_sys_max_users = 最大同時接続数 〜〈整数〉((1〜1,024))《10》 この例の場合,1〜1,024の整数が指定できます。オペランドの指定を省略した場合は,10が仮定されます。 |
〈 〉 |
指定値の種別を説明しています。 |
|
(( )) |
指定値の範囲を説明しています。 |
|
《 》 |
省略値を説明しています。 |
■ このマニュアルで使用する構文要素記号
構文要素記号 |
意味 |
---|---|
〈パス名〉 |
パス名には次に示す文字が使用できます。
ただし,OSによって使用できる文字が異なります。 |
〈OSパス名〉 |
OSパス名には,OSでパス名として使用できるすべての文字が使用できます。使用できる文字の詳細については,OSのマニュアルを参照してください。 |
〈文字列〉 |
任意の文字列を指定できます。 |
〈単位付き整数〉 |
数字(0~9)の末尾に,MB(メガバイト),GB(ギガバイト),またはTB(テラバイト)のどれかの単位を付けた形式で指定します。数字と単位の間に空白を入れることはできません。
|
注 すべて半角文字を使用してください。
■ このマニュアルで使用する計算式の記号
このマニュアルで使用する計算式の記号の意味を次に示します。
記号 |
内容 |
---|---|
↑ ↑ |
計算結果の値を小数点以下で切り上げることを意味しています。 (例)↑34÷3↑の計算結果は12になります。 |
↓ ↓ |
計算結果の値を小数点以下で切り捨てることを意味しています。 (例)↓34÷3↓の計算結果は11になります。 |
MAX |
計算結果のうち,最も大きい値が有効になることを意味しています。 (例)MAX(3×6,4+7)の計算結果は18になります。 |
MIN |
計算結果のうち,最も小さい値が有効になることを意味しています。 (例)MIN(3×6,4+7)の計算結果は11になります。 |
■ パス名の表記について
-
サーバディレクトリ(インストール時)のパスは,$INSTDIRと表記します。
-
サーバディレクトリ(運用時)のパスは,$ADBDIRと表記します。
-
DBディレクトリのパスは,$DBDIRと表記します。
-
クライアントディレクトリのパスは,%ADBCLTDIR%(HADBクライアントがWindows版の場合)または$ADBCLTDIR(HADBクライアントがLinux版の場合)と表記します。
-
HADB ODBCドライバトレースファイルの格納フォルダのパスは,%ADBODBTRCPATH%と表記します。
■ \の表記について
本文中で使用されている\は,Linux版の場合は半角のバックスラッシュを意味しています。
■ メソッドの略記について
-
先頭に「get」が付くメソッドをまとめて表す場合,getXXXメソッドと表記しています。
-
先頭に「set」が付くメソッドをまとめて表す場合,setXXXメソッドと表記しています。
-
先頭に「execute」が付くメソッドをまとめて表す場合,executeXXXメソッドと表記しています。
■ 関数の略記について
-
先頭に「SQL」が付く関数をまとめて表す場合,SQLxxx関数と表記しています。
-
先頭に「SQL」が付き,最後に「W」が付く関数をまとめて表す場合,SQLxxxW関数と表記しています。
■ このマニュアルで使用するKB(キロバイト)などの単位表記
1KB(キロバイト),1MB(メガバイト),1GB(ギガバイト),1TB(テラバイト),1PB(ペタバイト),1EB(エクサバイト)はそれぞれ1,024バイト,1,0242バイト,1,0243バイト,1,0244バイト,1,0245バイト,1,0246バイトです。