Hitachi

Hitachi Advanced Data Binder AP開発ガイド


4.7.3 バージョンダウン手順

HADBクライアントをバージョンダウンする手順を次に示します。

HADBクライアントのバージョンダウンは,HADBクライアントを管理するOSユーザが実行します。

〈この項の構成〉

(1) HADBクライアント(Windows版)のバージョンダウン

次の手順に従って,HADBクライアントをバージョンダウンしてください。

手順

  1. HADBクライアントを管理するOSユーザでログインする

  2. HADBクライアントのインストールデータをコピーする

    HADBクライアントのインストールCD-ROMに格納されている次の圧縮ファイル(zip形式ファイル)を,クライアントマシンの任意のフォルダにコピーしてください。この手順の説明では,D:\hadbclt_installフォルダにコピーするものとします。

    • 64ビット版のHADBクライアントを使用する場合hitachi_advanced_data_binder_client.zip

    • 32ビット版のHADBクライアントを使用する場合hitachi_advanced_data_binder_client32.zip

    コピー先のフォルダは,パス長が200バイト以内のフォルダにしてください。

    コピー先のフォルダのパス名に使用できる文字については,はじめにの「■このマニュアルで使用する構文要素記号」の〈パス名〉を参照してください。

  3. コピーしたファイルのハッシュ値を取得する

    重要

    手順3.~手順4.の作業は,バージョン05-02以降のHADBクライアントにバージョンダウンする場合に限り実施してください。

    コマンドプロンプトを起動して,次のコマンドを実行してください。

    • 64ビット版のHADBクライアントを使用する場合

      cd /D D:\hadbclt_install
      certutil -hashfile hitachi_advanced_data_binder_client.zip SHA256
    • 32ビット版のHADBクライアントを使用する場合

      cd /D D:\hadbclt_install
      certutil -hashfile hitachi_advanced_data_binder_client32.zip SHA256 

    下線部分は,手順2.でインストールデータをコピーしたフォルダです。

  4. ハッシュ値を比較する

    手順3.で取得したハッシュ値と,インストールCD-ROMに格納されている次のファイルに記載されているハッシュ値を比較してください。

    • 64ビット版のHADBクライアントを使用する場合:adbhashfile_winclt64_sha256.txt

    • 32ビット版のHADBクライアントを使用する場合:adbhashfile_winclt32_sha256.txt

    ハッシュ値が同じ場合は,問題ありません。次の手順に進んでください。

    ハッシュ値が異なる場合は,ファイルのコピーが失敗しているおそれがあります。手順2.から作業をし直してください。

  5. 圧縮ファイルを解凍する

    (例)hitachi_advanced_data_binder_client.zipを解凍した場合

    D:\hadbclt_install\hitachi_advanced_data_binder_client\HADBCLフォルダ下に,HADBクライアントのフォルダおよびファイルが展開されます。

    D:\hadbclt_install\hitachi_advanced_data_binder_client\HADBCLフォルダは,圧縮ファイルを解凍したときのデフォルトの解凍先です。

  6. HADBクライアントのバージョン情報を確認する

    解凍先フォルダ下に格納されているreadme.txtファイルを開いてください。

    1行目に記載されているHADBクライアントのバージョン情報を見て,次のどちらかの情報が記載されていることを確認してください。

    • P-2462-C114 vv-rr

    • P-2462-C114 vv-rr-/s

    vv-rrおよびvv-rr-/sは,HADBクライアントのバージョンを示しています。

  7. クライアントディレクトリを上書きする

    (例)

    D:\hadbclt_install\hitachi_advanced_data_binder_client\HADBCLフォルダを,環境変数ADBCLTDIRに指定しているクライアントディレクトリに上書きコピーしてください。

    クライアントディレクトリをD:\hadbclt_install\hitachi_advanced_data_binder_client\HADBCLフォルダに変更する場合は,環境変数ADBCLTDIRに指定しているクライアントディレクトリのパスを変更してください。

(2) HADBクライアント(Linux版)のバージョンダウン

次の手順に従って,HADBクライアントをバージョンダウンしてください。

手順

  1. HADBクライアントを管理するOSユーザでログインする

  2. インストールデータを格納するディレクトリを作成する

    mkdir /home/osuser01/client

    上記の例では,HADBクライアントのインストールデータを格納するディレクトリとして/home/osuser01/clientを作成しています。

  3. インストールデータを格納するディレクトリに対して書き込み権限を付与する

    chmod 755 /home/osuser01/client

    インストールデータを格納するディレクトリに対して,HADBクライアントを管理するOSユーザが書き込みできるように,ディレクトリ(この例では/home/osuser01/client)に対して書き込み権限を付与してください。

  4. CD-ROMファイルシステムをマウントする

    HADBクライアントのインストールデータが格納されているCD-ROMファイルシステムを自動マウントしてください。

    CD-ROMファイルシステムが自動マウントされない場合,次のコマンドを実行してCD-ROMファイルシステムをマウントしてください。

    mount /dev/cdrom /media

    下線部分は,CD-ROMファイルシステムのマウントディレクトリ名です。環境によって異なります。

    重要

    CD-ROMのディレクトリ名やファイル名は,ご使用のマシンによっては,ここの説明内容と表示が異なることがあります。OSのlsコマンドを実行して,表示されたディレクトリ名をそのまま入力してください。

  5. インストールデータをコピーする

    マウントしたCD-ROMファイルシステムに格納されている次のファイルを,手順2.で作成したインストールデータを格納するディレクトリにコピーしてください。

    • tar.gz形式のファイル

    • adbinstallコマンドの実行形式ファイル

    cp /media/hitachi_advanced_data_binder_client-$VER.tar.gz /home/osuser01/client   ...a
    cp /media/adbinstall /home/osuser01/client                                        ...b

    [説明]

    1. tar.gz形式のファイル(HADBクライアントのプログラムの圧縮ファイル)をコピーします。

    2. adbinstallコマンドの実行形式ファイル(HADBクライアントのインストールコマンド)をコピーします。

    下線部分は,CD-ROMファイルシステムのマウントディレクトリ名です。環境によって異なります。

    $VERは,HADBクライアントのバージョンおよびリリース番号です

    重要

    上記の2つのファイルは,必ず同じディレクトリにコピーしてください。異なるディレクトリにコピーすると,HADBクライアントがインストールできません。

  6. コピーしたファイルに破損がないことを確認する

    重要

    手順6.の作業は,バージョン05-02以降のHADBクライアントにバージョンダウンする場合に限り実施してください。

    手順5.でコピーしたファイルに破損がないことを確認します。次のコマンドを実行してください。

    cd /home/osuser01/client
    sha256sum -c /media/adbhashfile_client_sha256.txt

    下線部分は,CD-ROMファイルシステムのマウントディレクトリ名です。環境によって異なります。

    ファイルが破損しているおそれがある(ファイルのハッシュ値が異なる)場合は,エラーを示すメッセージが出力されます。この場合,手順5.から作業をし直してください。

    出力されるメッセージの詳細については,OSのマニュアルを参照してください。

  7. 権限を付与する

    HADBクライアントを管理するOSユーザがadbinstallコマンド(HADBクライアントのインストールコマンド)を実行できるように,adbinstallコマンドに対する実行権限を付与してください。

    また,tar.gz形式のファイルに対する読み取り権限も付与してください。

    chmod 555 /home/osuser01/client/adbinstall
    chmod 444 /home/osuser01/client/hitachi_advanced_data_binder_client-$VER.tar.gz

    $VERは,HADBクライアントのバージョンおよびリリース番号です。

  8. HADBクライアントをインストールする

    adbinstallコマンドを実行して,HADBクライアントをインストールしてください。

    /home/osuser01/client/adbinstall -c /home/osuser01/clientdir

    下線部分には,手順2.で作成したインストールデータを格納するディレクトリを指定します。

    -cオプションには,クライアントディレクトリのパスを指定します。次のどちらかのパスを指定してください。

    • 環境変数ADBCLTDIRに指定しているパス

    • 任意のディレクトリのパス

      任意のディレクトリのパスを指定した場合は,環境変数ADBCLTDIRにそのパスを指定してください。

    -cオプションには,HADBクライアントを管理するOSユーザが書き込みできるディレクトリを指定してください。

    メモ

    adbinstallコマンドの実行方法および規則については,マニュアルHADB コマンドリファレンスadbinstall(HADBサーバおよびHADBクライアントのインストール)を参照してください

  9. HADBクライアントが正常にインストールされたことを確認する

    重要

    手順9.の作業は,バージョン05-02以降のHADBクライアントにバージョンダウンする場合に限り実施してください。

    クライアントディレクトリ下のadbinstcl.logファイルを開いて内容を確認してください。HADBクライアントが正常にインストールされている場合は,次のどちらかの情報が記載されています。

    • Hitachi Advanced Data Binder Client vv-rr (yyyymmddhhmmss)

    • Hitachi Advanced Data Binder Client vv-rr-/s (yyyymmddhhmmss)

    vv-rrおよびvv-rr-/sは,HADBクライアントのバージョンを示しています。

    yyyymmddhhmmssは,HADBクライアントのインストールを実行した日付と時刻を示しています。

    メモ
    • adbinstcl.logファイルがすでにある状態のときにadbinstallコマンドを実行すると,adbinstcl.logファイルの内容が更新されます。また,adbinstallコマンドを複数回実行した場合,最後に実行した日付と時刻が記載されます。

    • adbinstallコマンドのリターンコード(KFAA91552-Iメッセージに出力されるリターンコード)が0または4以外の場合,adbinstcl.logファイルの内容は更新されません。

    • adbinstallコマンドの実行時にKFAA91555-Iメッセージが出力された場合,adbinstcl.logファイルの内容は更新されません。

KFAA91553-Eメッセージが出力された場合の対処方法

対処方法については,「4.2.2 Linux版のHADBクライアントの場合」の「(2) HADBクライアントのインストール」の「■KFAA91553-Eメッセージが出力された場合の対処方法」を参照してください。

KFAA91558-Wメッセージが出力された場合の対処方法

対処方法については,「4.2.2 Linux版のHADBクライアントの場合」の「(2) HADBクライアントのインストール」の「■KFAA91558-Wメッセージが出力された場合の対処方法」を参照してください。