18.34.3 システム構成例(クラウドストレージ機能を使用しない場合)
AWS環境でクラウドストレージ機能を使用しない場合のシステム構成例(HAモニタありのマルチノード構成)を次の図に示します。
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- 注※1
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ノードローカルのディスクを使用します。
- 注※2
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マルチアタッチ機能を使用したEBSボリュームを使用します。
- メモ
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AWS環境でもオンプレミス環境と同様に,HAモニタありのマルチノード構成にするか,HAモニタなしのマルチノード構成にするかによって,前提ソフトウェアやネットワーク構成に差異があります。この差異は,AWS環境であってもオンプレミス環境であっても基本的には同じです。
ここでは,HAモニタありのマルチノード構成についてだけシステム構成例を記載します。
- 〈この項の構成〉
(1) 前提ソフトウェア
AWS環境でHAモニタありのマルチノード構成を構築する場合,次のどれかの組み合わせのOSおよびソフトウェアが必要になります。
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RHEL 7およびHAモニタ 01-76以降
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RHEL 8およびHAモニタ 01-76以降
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RHEL 9およびHAモニタ 01-78以降
プライマリノードおよびセカンダリノードにHAモニタをインストールしてください。ワーカーノードには,HAモニタをインストールする必要はありません。
プライマリノードとセカンダリノードにインストールするHAモニタのバージョンは同じにしてください。
(2) サーバ構成
「図18‒15 クラウドストレージ機能を使用しない場合のシステム構成例(HAモニタありのマルチノード構成)」は,4つのノード(hadb01,hadb02,hadb03,およびhadb04)から成るマルチノード構成です。プライマリノードはhadb01,セカンダリノードはhadb02およびhadb03,ワーカーノードはhadb04です。
AWS環境でマルチノード機能を使用する場合,各ノードのインスタンスの性能(CPU,メモリサイズなど)は同じである必要はありません。ただし,インスタンスの性能が異なる場合,SQL文を実行するノードによってSQL文の処理性能に差異が発生するおそれがあります。そのため,できる限り全ノードのインスタンスの性能を同じにすることを推奨します。
- 重要
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詳細は「(4) ストレージ構成」で説明していますが,DBエリアファイル用のディスクや,ノード切り替え対象のファイルシステムのマウント先のディスクを,マルチアタッチ機能を使用したEBSボリュームとする共有ディスク構成をとります。そのため,各インスタンスは,同一のアベイラビリティゾーン内に起動する必要があります。
- メモ
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ここでの説明は,全ノードのインスタンスでインスタンスタイプr5b.xlargeを使用していることを前提としています。
(3) ネットワーク構成
HAモニタありのマルチノード構成をAWS環境で構築する場合,次に示すネットワークを使用します。各ネットワークは物理的に分けてください。
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クライアント-サーバ間ネットワーク
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ノード間ネットワーク
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AWSエンドポイントへのネットワーク
(a) クライアント-サーバ間ネットワーク
HADBクライアントとHADBサーバ間の通信で使用するネットワークです。
HADBクライアントは,エイリアスIPアドレスを使用してHADBサーバに接続します。そのため,マニュアルHAモニタ パブリッククラウド編の【AWS】リソースの引き継ぎを参照して,エイリアスIPアドレスを設定してください。
「図18‒15 クラウドストレージ機能を使用しない場合のシステム構成例(HAモニタありのマルチノード構成)」での,クライアント−サーバ間ネットワークのIPアドレス,およびポート番号の設定例を次の表に示します。
項番 |
設定対象 |
IPアドレス |
ポート番号 |
---|---|---|---|
1 |
クライアントマシン |
10.196.108.111 |
設定不要 |
2 |
プライマリノード(hadb01)のインスタンス |
10.196.108.11 |
23650 |
3 |
セカンダリノード(hadb02)のインスタンス |
10.196.108.12 |
23650 |
4 |
セカンダリノード(hadb03)のインスタンス |
10.196.108.13 |
23650 |
5 |
ワーカーノード(hadb04)のインスタンス |
10.196.108.14 |
23650 |
6 |
エイリアスIPアドレス |
10.196.108.143 |
23650 |
(b) ノード間ネットワーク
HADBサーバ間の通信,およびHAモニタの監視パスとして使用するネットワークです。ネットワークを構築する際に複線にする必要がある場合は,LinuxのBonding機能を使用してください。
Bonding機能の詳細については,OSのマニュアルを参照してください。HAモニタの監視パスの設定については,マニュアルHAモニタ パブリッククラウド編の監視パスの設定を参照してください。
「図18‒15 クラウドストレージ機能を使用しない場合のシステム構成例(HAモニタありのマルチノード構成)」での,ノード間ネットワークのIPアドレス,およびポート番号の設定例を次の表に示します。
項番 |
設定対象 |
IPアドレス |
ポート番号 |
---|---|---|---|
1 |
プライマリノード(hadb01)のインスタンスのHADBサーバ間通信 |
172.16.0.11 |
23651 |
2 |
プライマリノード(hadb01)のインスタンスのHAモニタの監視パス |
172.16.0.11 |
7777 |
3 |
セカンダリノード(hadb02)のインスタンスのHADBサーバ間通信 |
172.16.0.12 |
23651 |
4 |
セカンダリノード(hadb02)のインスタンスのHAモニタの監視パス |
172.16.0.12 |
7777 |
5 |
セカンダリノード(hadb03)のインスタンスのHADBサーバ間通信 |
172.16.0.13 |
23651 |
6 |
セカンダリノード(hadb03)のインスタンスのHAモニタの監視パス |
172.16.0.13 |
7777 |
7 |
ワーカーノード(hadb04)※のインスタンスのHADBサーバ間通信 |
172.16.0.14 |
23651 |
- 注※
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ワーカーノードはHAモニタの管理対象外のため,HAモニタの監視パスの設定は不要です。
通常は,HADBサーバ間の通信で使用するネットワークと,HAモニタの監視パスとして使用するネットワークを分けます。ただし,この場合,HAモニタは,HADBサーバ間の通信で使用するネットワークの障害を検知することができません。HADBサーバ間の通信で使用するネットワークと,HAモニタの監視パスとして使用するネットワークを同じにすると,ネットワーク障害をHAモニタが検知することができます。そのため,ここで説明しているとおりにノード間ネットワークを構成することを推奨します。
(c) AWSエンドポイントへのネットワーク
AWS環境の場合,HAモニタは系(インスタンス)のリセットを,AWSのエンドポイントに障害系インスタンスの強制停止を指示することで実現しています。そのため,リセットパスの代わりにAWSのエンドポイントへの接続が必要となります。詳細については,マニュアルHAモニタ パブリッククラウド編の【AWS】AWSの設定を参照してください。
(4) ストレージ構成
AWS環境でマルチノード機能を使用する場合,オンプレミス環境と同様に次のファイルシステムおよびディスクを準備します。
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ノードローカルのファイルシステム
「図18‒15 クラウドストレージ機能を使用しない場合のシステム構成例(HAモニタありのマルチノード構成)」の場合,LOC001〜LOC004が該当します。
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ノード切り替え対象のファイルシステム
「図18‒15 クラウドストレージ機能を使用しない場合のシステム構成例(HAモニタありのマルチノード構成)」の場合,FS001およびFS002が該当します。
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DBエリアファイル用のディスク
「図18‒15 クラウドストレージ機能を使用しない場合のシステム構成例(HAモニタありのマルチノード構成)」の場合,LU001〜LU005およびWRK001〜WRK004が該当します。
- ストレージ構成の方針
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ノード切り替え対象のファイルシステム(FS001,FS002),およびDBエリアファイル用のディスク(LU001~LU005)では,各インスタンスでマルチアタッチするEBSボリュームを使用してください。また,EBSのボリュームタイプは,マルチアタッチ機能が使用できるEBSプロビジョンドIOPS SSD(io2)としてください。
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上記以外は,EBS汎用SSD(gp2)とEBS汎用SSD(gp3)を使用してください。
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上記の方針を踏まえて,次のようなファイルシステムおよびディスクを各インスタンスのストレージに用意します。
格納先 |
名称 |
対象となるノード |
用途 |
---|---|---|---|
EBS(gp2) |
LOC001 |
プライマリノード(hadb01) |
ノードローカルのファイルシステム |
LOC002 |
セカンダリノード(hadb02) |
||
LOC003 |
セカンダリノード(hadb03) |
||
LOC004 |
ワーカーノード(hadb04) |
||
EBS(io2) |
LU001~LU005 |
全ノード※ |
DBエリアファイル用のディスク |
FS001~FS002 |
プライマリノード(hadb01)※ |
ノード切り替え対象のファイルシステム |
|
セカンダリノード(hadb02)※ |
|||
セカンダリノード(hadb03)※ |
|||
EBS(gp3) |
WRK001 |
プライマリノード(hadb01) |
ノードローカルのディスク |
WRK002 |
セカンダリノード(hadb02) |
||
WRK003 |
セカンダリノード(hadb03) |
||
WRK004 |
ワーカーノード(hadb04) |
||
EFS |
- |
- |
分散ファイルシステム |
- (凡例)
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-:該当しません。
- 注※
-
各インスタンスでマルチアタッチするEBSボリュームを使用します。
(a) EBS(gp2)の使い方
EBS(gp2)は,ノードローカルのファイルシステムとして使用します。各インスタンスのOS用の領域(ルートボリューム)として使用するEBS(gp2)上のファイルシステム(/home下など)に,次のディレクトリを配置します。
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サーバディレクトリ
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DBディレクトリ
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監査証跡の出力先ディレクトリ(監査証跡機能を使用する場合に必要)
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統一フォーマット用監査証跡の出力先ディレクトリ(監査証跡機能を使用する場合に必要)
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マルチノード機能で使用する同義語辞書ファイルの格納ディレクトリ(同義語検索を使用する場合に必要)
(b) EBS(io2)の使い方
EBS(io2)は,ノード切り替え対象のファイルシステム,およびDBエリアファイルのディスクとして使用します。
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ノード切り替え対象のファイルシステム
次の2つのノード切り替え対象のファイルシステムは,プライマリノードおよびセカンダリノードから参照できるように,マルチアタッチ機能を使用してプライマリノードおよびセカンダリノードにアタッチしたEBS(io2)上に作成してください。
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システムディレクトリ用のファイルシステム
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同義語辞書ファイルを格納するファイルシステム(同義語検索を使用する場合に必要)
- メモ
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ノード切り替え対象のファイルシステム(FS001,FS002)のVG名称とLV名称は,「18.2.4 ストレージ構成」の「(2) ノード切り替え対象のファイルシステム」に記載されているVG名称とLV名称と同じです。
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ノード切り替え対象のファイルシステムを作成する際は,マニュアルHAモニタ パブリッククラウド編の業務ディスクの管理および業務ディスクの設定を参照してください。
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DBエリアファイル用のディスク
次のDBエリアのDBエリアファイルごとにEBS(io2)を用意します。次のDBエリアとして使用するEBS(io2)は,全ノードから参照できるようにマルチアタッチ機能を使用して各インスタンスにアタッチしてください。
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マスタディレクトリ用DBエリア
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ディクショナリ用DBエリア
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システム表用DBエリア
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データ用DBエリア
- メモ
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DBエリアファイル用のディスク(LU001~LU005)と対応するDBエリアは,「18.2.4 ストレージ構成」の「(3) DBエリアファイル用のディスク」に記載されているDBエリアと同じです。
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(c) EBS(gp3)の使い方
EBS(gp3)は,ノードローカルのディスクとして使用します。作業表用DBエリアとして使用するEBS(gp3)を各インスタンスに用意してください。
- メモ
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ノードローカルのディスクWRK001~WRK004に対応するブロックスペシャルファイル名は,「18.2.4 ストレージ構成」の「(3) DBエリアファイル用のディスク」に記載されているブロックスペシャルファイル名と同じです。
(d) EFSの使い方
全インスタンスでNFSとして使用できるEFSに,次のディレクトリを配置します。
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監査証跡の保存先ディレクトリ(監査証跡機能を使用する場合に必要)
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ADB_CSVREAD関数を使用してアクセスするCSVファイルを格納するディレクトリ(ADB_CSVREAD関数を使用した検索をする場合に必要)
- 重要
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全ノードで,同じパスのディレクトリにマウントしてください。