2.11.1 再開始による回復処理の流れ
HADBサーバが異常終了した場合,HADBを再度開始すると,HADBサーバはステータス情報を使用して(自動的に)再開始します。再開始すると,システムログを使用してデータベースの回復処理を行い,HADBサーバが異常終了する直前の状態に回復させます。
- 〈この項の構成〉
(1) ステータス情報
HADBサーバが異常終了した場合に備えて,HADBサーバは(自動的に)再開始するために必要な情報を出力します。これをステータス情報といいます。
ステータス情報は,HADBサーバの状態が変化した時点で出力され,ステータスファイルに格納されます。ステータス情報として出力される情報を次に示します。
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HADBサーバの終了モード(正常終了,異常終了など)
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HADBサーバの稼働状況(開始処理中,稼働中,終了処理中など)
ステータスファイルが作成される場所は,DBディレクトリ下($DBDIR/ADBSYS/ADBSTS)になります。
(2) システムログ
データベースを更新すると,データベースの更新履歴情報が出力されます。この情報をシステムログといいます。また,システムログが出力されるファイルをシステムログファイルといいます。
システムログは,HADBが異常終了したときの再開始,およびロールバックが発生したときの回復処理に使用されます。
(a) システムログファイルの作成先
システムログファイルは,DBディレクトリ下($DBDIR/ADBSYS/ADBSLG)に作成されます。
(b) システムログファイルの構成
システムログファイルは,マスタログファイルおよびユーザログファイルの2種類のファイルで構成されます。システムログファイルの構成を次の図に示します。
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マスタログファイル
マスタログファイルには,トランザクションの開始および終了など,システム制御に関する履歴情報(イベントログ)が格納されます。また,ユーザログファイル群を管理します。
マスタログファイルは,HADBサーバを開始したときに自動的に1つ作成されます。ファイル名称はMSTLOGになります。
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ユーザログファイル
ユーザログファイルには,データベースに対する操作履歴(ユーザログ)が格納されます。
ユーザログファイルは,データベースを更新するトランザクションおよびリアルスレッドごとに割り当てられます。
ユーザログファイルは,HADBサーバを開始したときに,ユーザの指定に従って作成されます。ファイル名称はUSRLOGで始まる名称になります。
ユーザログファイルに関する指定を変更した場合,HADBサーバを開始したときにシステムログファイルは再作成されます。