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Hitachi Advanced Data Binder システム構築・運用ガイド


16.3.6 クライアント定義の作成

検索系SQLだけを実行するAPと,更新系SQLも実行するAPとで,使用するクライアント定義を別々にし,トランザクションアクセスモードおよびトランザクション隔離性水準の指定を変えてください。JDBCドライバを使用している場合は,システムプロパティなどでトランザクションアクセスモードおよびトランザクション隔離性水準の指定を変えてください。

クライアント定義の作成については,マニュアルHADB AP開発ガイドHADBクライアントの環境設定(ODBCドライバおよびCLI関数を使用する場合)クライアント定義の作成を参照してください。クライアント定義のオペランドについては,マニュアルHADB AP開発ガイドクライアント定義の設計クライアント定義のオペランドの内容を参照してください。

■クライアント定義の指定例(検索系SQLだけを実行するAPの場合)
set adb_clt_rpc_srv_host = 10.196.108.143     ...1
set adb_clt_rpc_srv_port = 23650              ...2
set adb_clt_ap_name = "AP01"                  ...3
set adb_clt_trn_access_mode = READ_ONLY       ...4
set adb_clt_trn_iso_lv = READ_COMMITTED       ...5
set adb_clt_sql_parallel_exec = Y             ...6

[説明]

  1. 接続先のホスト名として,クライアント−サーバ間の通信で使用するエイリアスIPアドレス10.196.108.143を指定します。

  2. 接続先のポート番号として,サーバ定義adb_rpc_portオペランドの指定値である23650を指定します。

  3. AP識別子を指定します。

  4. 検索系SQLだけを実行するAPのため,READ_ONLYを指定し,トランザクションアクセスモードを読み取り専用モードにします。

  5. トランザクション隔離性水準にREAD_COMMITTEDを指定します。

    4.および5.の指定によって,プライマリノードのHADBサーバが負荷の少ないノードを選択し,そのノードで検索系SQLが実行されます。

  6. 条件を満たす検索系SQLにSQLパラレル実行機能を適用する場合に指定します。

    検索系SQLにSQLパラレル実行機能が適用された場合,プライマリノードのHADBサーバがSQLメインノードを選択し,SQLメインノードとSQLサブノードで検索系SQLを並列実行します。

■クライアント定義の指定例(更新系SQLも実行するAPの場合)
set adb_clt_rpc_srv_host = 10.196.108.143     ...1
set adb_clt_rpc_srv_port = 23650              ...2
set adb_clt_ap_name = "AP02"                  ...3
set adb_clt_trn_access_mode = READ_WRITE      ...4

[説明]

  1. 接続先のホスト名として,クライアント−サーバ間の通信で使用するエイリアスIPアドレス10.196.108.143を指定します。

  2. 接続先のポート番号として,サーバ定義adb_rpc_portオペランドの指定値である23650を指定します。

  3. AP識別子を指定します。

  4. 更新系SQLも実行するAPのため,READ_WRITEを指定し,トランザクションアクセスモードを読み書き可能モードにします。これによって,このAPが実行するSQL文はプライマリノードでだけ実行されます。