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Hitachi Advanced Data Binder システム構築・運用ガイド


12.8.3 監査証跡機能とJP1/Auditを連携する際の環境設定

ここでは,監査証跡機能とJP1/Auditを連携する際の環境設定について説明します。

監査証跡機能とJP1/Auditを連携する場合,HADBサーバとJP1/Auditの両方で環境設定が必要です。

〈この項の構成〉

(1) HADBサーバの環境設定

HADBサーバの環境設定としては,統一フォーマット用監査証跡の出力先ディレクトリを準備する必要があります。

統一フォーマット用監査証跡の出力先ディレクトリを作成する際の注意点を,次に示します。

(2) JP1/Auditの環境設定

JP1/Auditでは,HADBサーバは標準サポート外のプログラムとして扱われます。そのため,次の環境設定が必要になります。

各環境設定の詳細手順については,マニュアルJP1/Audit 構築・運用ガイドを参照してください。または,マニュアルJP1/Base 運用ガイドを参照してください。

(a) JP1/Baseのイベントサービスの設定

JP1/Baseのイベントサービスの設定を行う必要があります。HADBサーバが出力する監査証跡の件数を踏まえて,監査ログ専用イベントデータベースのサイズを適切に指定してください。

なお,1回のadbconvertaudittrailfileコマンドで変換する監査証跡の件数を見積もることができない場合は,監査ログ専用イベントデータベースには最大サイズを指定してください。

(b) 正規化ルールファイルの定義

正規化ルールファイルについては,新規に定義する必要はありません。

adbconvertaudittrailfileコマンドで統一フォーマット用監査証跡ファイルに出力する監査証跡は,日立オープンミドルウェア製品の統一フォーマット形式に従っています。そのため,JP1/Auditが標準で提供する統一フォーマット用の正規化ルールファイル(admrglrule_CALFHM.conf)を使用できます。

(c) 動作定義ファイルの作成

JP1/Auditの連携で使用する動作定義ファイルを作成する必要があります。作成手順を次に示します。

手順

  1. 動作定義ファイルのサンプルファイルをコピーする

    サーバディレクトリ下の$ADBDIR/sample/jp1auditディレクトリに格納されているサンプルファイル(admjevlog_HADB.conf)をコピーしてください。そして,JP1/Audit Management - Managerのインストール先フォルダ\conf\logdefに,サンプルファイル(admjevlog_HADB.conf)を格納してください。

  2. 動作定義ファイルのサンプルファイルの設定内容を確認する

    サンプルファイルの設定内容を変更する必要はありません。次の設定内容かどうかを確認してください。

    設定内容

    retry-times=60
    retry-interval=10
    FILETYPE=SEQ2
    ACTDEF =<Information>1000 "^CALFHM"

なお,運用テストを行うなどで,1つのサーバマシンで複数のHADBサーバを動作させる場合,動作定義ファイルはそれぞれの環境に作成する必要があります。その場合,動作定義ファイルのファイル名を「admjevlog_HADB_任意の文字列.conf」にリネームして,ほかのファイル名と重複させないでください。また,「任意の文字列」は,「(d) 製品定義ファイルの作成」で説明している製品定義ファイルと一致させてください。

(d) 製品定義ファイルの作成

JP1/Auditの連携で使用する製品定義ファイルを作成する必要があります。作成手順を次に示します。

手順

  1. 製品定義ファイルのサンプルファイルをコピーする

    サーバディレクトリ下の$ADBDIR/sample/jp1auditディレクトリに格納されているサンプルファイル(HADB.conf)をコピーしてください。そして,JP1/Audit Management - Managerのインストール先フォルダ\conf\productに,サンプルファイル(HADB.conf)を格納してください。

  2. 製品定義ファイルのサンプルファイルの設定内容を確認する

    サンプルファイルの設定内容を変更する必要はありません。次の設定内容かどうかを確認してください。

    設定内容

    AuditLogNum=4
    AuditLogName=adbcommonaudit01.log
    AuditLogName=adbcommonaudit02.log
    AuditLogName=adbcommonaudit03.log
    AuditLogName=adbcommonaudit04.log
    RegularPattern=admrglrule_CALFHM.conf
    ReadOnly=1

なお,運用テストを行うなどで,1つのサーバマシンで複数のHADBサーバを動作させる場合,製品定義ファイルはそれぞれの環境に作成する必要があります。その場合,製品定義ファイルのファイル名を「HADB_任意の文字列.conf」にリネームし,ほかのファイル名と重複させないでください。また,「任意の文字列」は,「(c) 動作定義ファイルの作成」で説明している動作定義ファイルと一致させてください。

(e) 監査ログ標準レポート定義ファイルの編集

監査ログ標準レポート定義ファイルの編集を行う必要があります。編集手順を次に示します。

重要

通常,JP1/Auditが正規化ルールファイルを使用して収集した監査証跡については,監査ログレポート定義ファイルを使用します。しかし,HADBサーバは,日立オープンミドルウェア製品の統一フォーマット形式を採用しています。そのため,監査ログレポート定義ファイルではなく,監査ログ標準レポート定義ファイルを使用できます。

手順

JP1/Audit Management - Managerの仮想ディレクトリ\conf下に格納されている監査ログ標準レポート定義ファイル(admAnalysis.ini)に,次に示す内容を追記してください。

記述内容

[HADB]
TYPE=Common

なお,記述行の最後には,必ず改行を記述してください。

(f) 監査ログの収集対象の設定

監査ログの収集対象の設定を行う必要があります。JP1/Auditの監査ログ収集マネージャを使用して,HADBサーバを収集対象として設定してください。設定方法の詳細については,マニュアルJP1/Audit 構築・運用ガイドを参照してください。

HADBサーバを収集対象に設定する場合に,[収集対象の設定]ダイアログに設定する値を次に示します。

表12‒8 監査ログの収集対象の設定値

項番

項目

設定値

1

サーバ

HADBサーバのホスト名を指定してください。

2

プログラム

プルダウンメニューから,製品定義ファイル名と一致するものを選択してください。

例えば,製品定義ファイルのファイル名が「HADB.conf」の場合は,[HADB]を選択してください。

なお,「_」は「/」に置き換えられて表示されます。

3

ログフォルダ

(1) HADBサーバの環境設定」で準備した,統一フォーマット用監査証跡の出力先ディレクトリをフルパスで指定してください。

4

コメント

任意のコメントを入力してください。

5

OS起動時に監査ログの監視を開始する

設定は不要です。

重要

統一フォーマット用監査証跡ファイル内の監査証跡をJP1/Auditが収集するためには,JP1/Auditが監査ログの監視を開始している必要があります。JP1/Auditの環境設定が終わったら,必ず監査ログの監視を開始してください。また,OS起動時に監査ログの監視を開始するように,OSを設定することを推奨します。