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Hitachi Advanced Data Binder システム構築・運用ガイド


12.8.2 統一フォーマット用監査証跡ファイルの形式と出力項目

ここでは,adbconvertaudittrailfileコマンドで変換された監査証跡が出力される,統一フォーマット用監査証跡ファイルの形式について説明します。

adbconvertaudittrailfileコマンドを実行すると,統一フォーマット用監査証跡ファイルには,1行ごとに1つの監査証跡が出力されます。また,統一フォーマット用監査証跡ファイルには,最初の監査証跡が出力される前に空白行が出力されます。

統一フォーマット用監査証跡ファイルに出力される,adbconvertaudittrailfileコマンドで変換された監査証跡の出力形式と出力項目を次に示します。

adbconvertaudittrailfileコマンドで変換された監査証跡の出力形式
CALFHM 1.0,出力項目1=値1,出力項目2=値2,出力項目3=値3,…出力項目n=値n
adbconvertaudittrailfileコマンドで変換された監査証跡の出力項目

adbconvertaudittrailfileコマンドで変換された監査証跡の出力項目を,次の表に示します。

adbconvertaudittrailfileコマンドで変換された監査証跡の出力項目の大部分は,ADB_AUDITREAD関数で監査証跡ファイル中の監査証跡を表形式のデータ集合(表関数導出表)に変換したときの出力項目と同じです。ADB_AUDITREAD関数による表関数導出表の列構成については,「12.9.2 監査証跡を検索するときの表関数導出表の列構成」を参照してください。

なお,出力項目に出力されるデータが出力項目のバイト数の上限を超える場合は,データの先頭またはデータの末尾が省略されます。このとき,該当個所には,省略されたことを示す「...」が付与されます。次の表で,特に記述がない出力項目についてはデータの末尾が省略されます。

また,出力されるデータがNULLの場合,出力項目そのものが出力されません。

表12‒5 adbconvertaudittrailfileコマンドで変換された監査証跡の出力項目の一覧

項番

出力項目

出力される内容

ADB_AUDITREAD関数で変換した表関数導出表に該当する列名

区分

項目名

属性名

1

ヘッダ情報

共通仕様識別子

CALFHMが出力されます。

統一フォーマット用監査証跡ファイル内の,すべての監査証跡の先頭に共通で出力されます。

なし

2

共通仕様リビジョン番号

1.0が出力されます。

統一フォーマット用監査証跡ファイル内の,すべての監査証跡の先頭に共通で出力されます。

なし

3

共通情報

通番

seqnum

1〜2,147,483,647の値が,出力行ごとにカウントされて出力されます。

最大値に達した場合は,1に戻ります。

また,adbconvertaudittrailfileコマンドの実行ごとに1に戻ります。

なし

4

メッセージID

msgid

表12‒10 監査証跡を検索するときの表関数導出表の列構成」のEXIT_STATUS列の内容が出力されます。

EXIT_STATUS

5

日付・時刻

date

表12‒10 監査証跡を検索するときの表関数導出表の列構成」のEXEC_TIME列の内容が,次の形式で出力されます。

YYYY-MM-DDThh:mm:ss.nnnTZD

YYYY-MM-DD:年月日

T:日付と時刻の区切り

hh:mm:ss.nnn:時分秒ミリ秒

TZD:監査証跡ファイルに監査証跡が出力されたときのタイムゾーン※1

EXEC_TIME

6

発生プログラム名

progid

HADBが出力されます。

なし

7

発生コンポーネント名

compid

表12‒10 監査証跡を検索するときの表関数導出表の列構成」のADBDIR列の内容が,64バイト以内で出力されます。

64バイトを超える場合は,データの先頭が省略されます。

出力される値は,エスケープされます。※2

ADBDIR

8

発生プロセスID

pid

表12‒10 監査証跡を検索するときの表関数導出表の列構成」のHADB_PROCESS_ID列の内容が出力されます。

HADB_PROCESS_ID

9

発生場所

ocp:host

表12‒10 監査証跡を検索するときの表関数導出表の列構成」のHADB_HOST_NAME列の内容が,64バイト以内で出力されます。

HADB_HOST_NAME

10

事象の種別

ctgry

表12‒10 監査証跡を検索するときの表関数導出表の列構成」のEVENT_SUBTYPE列の内容が,統一フォーマットで定められている種別に変換されて出力されます。

変換内容については,「表12‒6 イベント種別の値と監査事象の種別の値の対応」を参照してください。

EVENT_SUBTYPE

11

事象の結果

result

表12‒10 監査証跡を検索するときの表関数導出表の列構成」のEVENT_RESULT列の内容が出力されます。

EVENT_RESULT

12

サブジェクト識別情報

subj:uid

表12‒10 監査証跡を検索するときの表関数導出表の列構成」のUSER_NAME列の内容が出力されます。

なお,USER_NAME列の内容が,NULLのときは出力されません。

USER_NAME

13

subj:euid

表12‒10 監査証跡を検索するときの表関数導出表の列構成」のOS_USER_NAME列の内容が,100バイト以内で出力されます。

なお,USER_NAME列の内容がNULLのときだけ出力されます。

OS_USER_NAME

14

表12‒10 監査証跡を検索するときの表関数導出表の列構成」のOS_USER_NAME列とUSER_NAME列の内容が,両方ともNULLの場合に,「*」が出力されます。

なし

15

固有情報

オブジェクト情報

obj

表12‒10 監査証跡を検索するときの表関数導出表の列構成」のOBJECT_SCHEMA_NAME列とOBJECT_NAME列の内容が連結されて出力されます。

出力形式については,「表12‒7 オブジェクト情報の出力書式」を参照してください。

出力される値は,エスケープされます。※2

  • OBJECT_SCHEMA_NAME

  • OBJECT_NAME

16

動作情報

op

表12‒10 監査証跡を検索するときの表関数導出表の列構成」のEVENT_SUBTYPE列の内容が,32バイト以内で出力されます。

出力される値は,エスケープされます。※2

EVENT_SUBTYPE

17

リクエスト送信元ホスト

from:ipv4

表12‒10 監査証跡を検索するときの表関数導出表の列構成」のCLIENT_IP_ADDRESS列の内容が出力されます。

CLIENT_IP_ADDRESS

18

リクエスト送信元ポート番号

from:port

表12‒10 監査証跡を検索するときの表関数導出表の列構成」のCLIENT_PORT_NUMBER列の内容が出力されます。

CLIENT_PORT_NUMBER

19

メッセージ

msg

変換元の監査証跡ファイルのファイル名が出力されます。ディレクトリ名は含まれません。

出力される値は,エスケープされます。※2

なし

(凡例)

−:該当しません。

注※1

UTC(協定世界時)からのオフセットを示したタイムゾーン指定です。次のどれかが出力されます。

  • +hh:mm

    UTC(協定世界時)からhh:mmだけ進んでいることを示します。

  • -hh:mm

    UTC(協定世界時)からhh:mmだけ遅れていることを示します。

  • Z

    UTC(協定世界時)と同じであることを示します。

日本標準時は,「+09:00」となります。

注※2

エスケープによって,出力される値全体が二重引用符(")で囲まれます。また,出力される値に二重引用符(")が含まれる場合は,2つの二重引用符("")に置き換えられます。

データの長さには,エスケープによる二重引用符(")も含まれます。そのため,エスケープによる二重引用符(")を含んだデータが,出力できるバイト数の上限よりも長い場合は,データの先頭またはデータの末尾が省略されます。

HADBの監査証跡のイベント種別の値と,統一フォーマットの監査事象の種別の値の対応を,次の表に示します。

表12‒6 イベント種別の値と監査事象の種別の値の対応

項番

イベントの分類

イベントの種類

監査証跡に出力されるイベント種別の値

統一フォーマットの監査事象の種別の値

1

必須監査イベント

システムイベント

ADBSTART

StartStop

2

ADBSTOP

3

ADBCHGSRVMODE

ConfigurationAccess

4

ADBCHGNODETYPE

5

ADBCHGSQLTRC

6

ADBCLIENTDEFMANG

7

ADBMODAREA

8

ADBMODBUFF

9

ADBCOLUMNIZE

10

監査イベント

GRANT

AccessControl

11

REVOKE

12

CREATE AUDIT

ConfigurationAccess

13

DROP AUDIT

14

ALTER USER

AccessControl

15

ADBAUDITTRAIL START

ConfigurationAccess

16

ADBAUDITTRAIL STOP

17

ADBAUDITTRAIL SWAP

18

ADBAUDITTRAIL DISPLAY

19

SELECT

ContentAccess

20

ADBEXPORT

21

ADBCONVERTAUDITTRAILFILE

22

選択監査イベント

セッションイベント

CONNECT

Authentication

23

DISCONNECT

24

権限管理イベント

GRANT

AccessControl

25

REVOKE

26

CREATE USER

27

DROP USER

28

ALTER USER

29

定義系SQLイベント

CREATE INDEX

ContentAccess

30

CREATE SCHEMA

31

CREATE TABLE

32

CREATE VIEW

33

DROP INDEX

34

DROP SCHEMA

35

DROP TABLE

36

DROP VIEW

37

ALTER TABLE

38

ALTER VIEW

39

操作系SQLイベント

SELECT

40

INSERT

41

UPDATE

42

DELETE

43

TRUNCATE TABLE

44

PURGE CHUNK

45

UNKNOWN

46

GETDATA

47

GETCOUNT

48

TABLES

49

COLUMNS

50

INDEXES

51

CHUNKS

52

GETUSER

53

コマンド操作イベント

ADBIMPORT

54

ADBIDXREBUILD

55

ADBGETCST

56

ADBDBSTATUS

57

ADBEXPORT

58

ADBMERGECHUNK

59

ADBCHGCHUNKCOMMENT

60

ADBCHGCHUNKSTATUS

61

ADBARCHIVECHUNK

62

ADBUNARCHIVECHUNK

63

ADBREORGSYSTEMDATA

64

ADBSYNDICT

オブジェクト情報の出力書式を,次の表に示します。オブジェクト情報は,OBJECT_SCHEMA_NAME列およびOBJECT_NAME列の値によって,次に示すどれかの書式で出力されます。

表12‒7 オブジェクト情報の出力書式

項番

OBJECT_SCHEMA_NAME列

OBJECT_NAME列

書式

出力例

1

非ナル値

非ナル値

OBJECT_SCHEMA_NAME列とOBJECT_NAME列の値を,ピリオド(.)で連結します。

obj="ADBUSER01.T1"

2

ナル値

非ナル値

OBJECT_NAME列の値だけを出力します。

obj="ADBUSER01"

3

ナル値

ナル値

出力されません。

(凡例)

−:該当しません。

注※

CREATE SCHEMA文の出力例です。この例の場合,OBJECT_NAME列にはスキーマ名が出力されます。