12.1.5 監査証跡機能で使用するディレクトリの容量見積もり
「12.1.3 監査証跡のデータ容量の見積もり」および「12.1.4 監査証跡ファイルの圧縮率の見積もり」の見積もり結果を基に,監査証跡機能で使用するディレクトリの容量を見積もってください。そして,監査証跡機能で使用するディレクトリを作成するディスクを用意してください。容量の見積もりが必要なディレクトリは,次の3つです。
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監査証跡の出力先ディレクトリ
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監査証跡の保存先ディレクトリ
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監査証跡の長期保存先ディレクトリ
出力される監査証跡のデータ容量や監査証跡ファイルの圧縮率は,HADBサーバの環境,実行するSQL文やコマンドなどによって大きく異なります。そのため,見積もり結果よりも余裕を持って,ディスクの容量を準備してください。また,大容量のディスクを準備した場合でも,監査証跡機能の使用中は,ディスクの空き容量を必ず監視してください。
特に,監査証跡の出力先ディレクトリを作成するディスクが満杯にならないように,注意してください。監査証跡の出力先ディレクトリを作成するディスクが満杯になった場合,「12.1.7 監査証跡ファイルへの書き込みに失敗した場合の処理方式の検討」の選択に従って,HADBサーバは動作します。そのため,通常運用時だけでなく突発的な作業も考慮して,余裕を持ってディスクの容量を確保してください。
監査証跡機能で使用するディレクトリ容量の見積もり例を,次の表に示します。
- ■見積もり例の条件
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監査証跡ファイルに出力される監査証跡のデータ容量は,1日当たり864,005キロバイト(約850メガバイト)とする
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監査証跡の出力先ディレクトリにある監査証跡ファイルを,1日1回の頻度で監査証跡の保存先ディレクトリに移動させる
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監査証跡ファイルは,合計で10年間保存する
監査証跡の保存先ディレクトリで,監査証跡ファイルを1年間保存します。
その後,監査証跡の長期保存先ディレクトリで,監査証跡ファイルを9年間保存します。
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監査証跡の長期保存先ディレクトリで保存する監査証跡ファイルは,OSのgzipコマンドで圧縮する
このときの監査証跡ファイルの圧縮率は0.25とします。
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各ディレクトリ容量は,最低限必要な容量(必須容量)と余裕を持たせた容量(予備容量)を合計して求めることとする
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項番 |
ディレクトリの種類 |
監査証跡ファイルの格納期間 |
必須容量(単位:ギガバイト) |
予備容量(単位:ギガバイト) |
合計容量(単位:ギガバイト) |
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1 |
監査証跡の出力先ディレクトリ |
1日 |
0.9 |
1.8(2日分) |
2.7 |
2 |
監査証跡の保存先ディレクトリ |
1年(365日) |
329 |
54(2か月分) |
383 |
3 |
監査証跡の長期保存先ディレクトリ |
9年(3,285日) |
740※1,※2 |
83(1年分)※1 |
823 |
- 注※1
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圧縮後の監査証跡ファイルの総容量です。
- 注※2
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圧縮前の監査証跡ファイルの総容量は,約2,957ギガバイトです。
この見積もり例の場合,各ディレクトリを作成するために,上記の表で見積もった「合計容量」以上の容量があるディスクをそれぞれ用意する必要があります。