Hitachi

Hitachi Advanced Data Binder システム構築・運用ガイド


3.2.2 インストールする

HADB管理者とHADB管理グループをOSに設定し,通信情報ファイルを格納するディレクトリを作成したら,HADBサーバをインストールします。

HADBサーバをインストールする場合,HADB管理者(adbmanagerで実行します。スーパユーザでログインしている場合は,いったんログアウトして,HADB管理者(adbmanager)でログインし直してください。

〈この項の構成〉

(1) インストールデータを格納するディレクトリを作成する

HADBサーバのインストールデータを格納するディレクトリを作成します。作成するディレクトリのパス名を次に示します。

HADB管理者(adbmanager)で次に示すOSのコマンドを入力して,[Enter]キーを押してください。

mkdir /home/adbmanager/install

(2) 作成したインストールデータを格納するディレクトリを確認する

mkdirコマンドでインストールデータを格納するディレクトリが作成されているかどうかを確認するため,次に示すOSのコマンドを入力して,[Enter]キーを押してください。

ls -d /home/adbmanager/install

lsコマンドを実行すると,インストールデータを格納するディレクトリが正しく作成されたかどうかを確認できます。実行結果の例を次に示します。

■実行結果の例
/home/adbmanager/install

上記のディレクトリが表示されていれば,インストールデータを格納するディレクトリは作成されています。

(3) インストールデータを格納するディレクトリに書き込み権限を付与する

/home/adbmanager/installディレクトリ下に,HADB管理者がインストールデータを格納できるように,書き込み権限を付与してください。次に示すOSのコマンドを入力して,[Enter]キーを押してください。

chmod 755 /home/adbmanager/install

これで,インストールデータを格納するディレクトリに書き込み権限が付与されました。

(4) CD-ROMファイルシステムをマウントする

HADBサーバのインストールコマンド(adbinstallコマンド),およびHADBサーバのプログラムの圧縮ファイルtar.gzファイル)が格納されたCD-ROMファイルシステムを自動マウントしてください。

CD-ROMファイルシステムが自動マウントされない場合,CD-ROMファイルシステムをマウントする必要があります。次に示すコマンドを入力して,[Enter]キーを押してください。

mount /dev/cdrom /media

下線部分は,CD-ROMファイルシステムのマウントディレクトリ名です。環境によって異なります。

重要

CD-ROMのディレクトリ名やファイル名は,ご使用のサーバマシンによっては,ここの説明内容と表示が異なることがあります。OSのlsコマンドを実行して,表示されたディレクトリ名をそのまま入力してください。

(5) インストールコマンド(adbinstallコマンド)をコピーする

マウントしたCD-ROMファイルシステムに格納されているHADBサーバのインストールコマンド(adbinstallコマンド)を,/home/adbmanager/installディレクトリ下にコピーしてください。

次に示すOSのコマンドを入力して,[Enter]キーを押してください。

cp /media/adbinstall /home/adbmanager/install

下線部分は,CD-ROMファイルシステムのマウントディレクトリ名です。環境によって異なります。

(6) HADBサーバのプログラムの圧縮ファイル(tar.gzファイル)をコピーする

マウントしたCD-ROMファイルシステムに格納されているHADBサーバのHADBサーバのプログラムの圧縮ファイルtar.gzファイル)を,/home/adbmanager/installディレクトリ下にコピーしてください。

次に示すOSのコマンドを入力して,[Enter]キーを押してください。

cp /media/hitachi_advanced_data_binder_server-$VER.tar.gz /home/adbmanager/install

下線部分は,CD-ROMファイルシステムのマウントディレクトリ名です。環境によって異なります。

$VERは,HADBのバージョンおよびリリース番号を示します。

(7) コピーしたインストールデータを確認する

adbinstallコマンドおよびtar.gzファイルを/home/adbmanager/installディレクトリ下にコピーできたことを確認します。次に示すOSのコマンドを入力して,[Enter]キーを押してください。

ls /home/adbmanager/install

lsコマンドを実行すると,adbinstallコマンドおよびtar.gzファイルを/home/adbmanager/installディレクトリ下にコピーできているかどうかを確認できます。実行結果の例を次に示します。

■実行結果の例
adbinstall hitachi_advanced_data_binder_server-$VER.tar.gz

$VERは,HADBのバージョンおよびリリース番号を示します。

(8) コピーしたインストールデータの完全性を確認する

adbinstallコマンドおよびtar.gzファイルが正しくコピーできたこと(破損していないこと)を,OSのsha256sumコマンドで確認します。次に示すOSのコマンドを入力して,[Enter]キーを押してください。

cd /home/adbmanager/install
sha256sum -c /media/adbhashfile_server_sha256.txt

下線部分は,CD-ROMファイルシステムのマウントディレクトリ名です。環境によって異なります。

実行結果の例を次に示します。

■実行結果の例
hitachi_advanced_data_binder_server-$VER.tar.gz: 完了                  ...1
adbinstall: 完了                                                       ...1
sha256sum: !8A9_HADB: そのようなファイルやディレクトリはありません     ...2
!8A9_HADB: オープンまたは読み込みに失敗しました                        ...2
sha256sum: 警告: 一覧にある1個のファイルが読み込めませんでした         ...2

$VERは,HADBのバージョンおよびリリース番号を示します。

[説明]

  1. チェック結果に「完了」が表示されている場合は,正しくコピーされています。

  2. このエラーは無視してください。

    体験環境構築ナビでは,意図的に!8A9_HADBファイルを/home/adbmanager/installディレクトリ下にコピーさせていません。そのため,このエラーメッセージが出力されても問題ありません。

(9) 限を付与する

/home/adbmanager/installディレクトリ下にコピーしたHADBサーバのインストールコマンド(adbinstallコマンド)に対して,HADB管理者が実行できるように,実行権限を付与してください。

また,HADBサーバのプログラムの圧縮ファイル(tar.gzファイル)に対して,読み取り権限を付与してください。

次に示すOSのコマンドを入力して,[Enter]キーを押してください。

chmod 500 /home/adbmanager/install/adbinstall
chmod 400 /home/adbmanager/install/hitachi_advanced_data_binder_server-$VER.tar.gz

$VERは,HADBのバージョンおよびリリース番号を示します。

これで,インストールコマンド(adbinstallコマンド)に対する実行権限が付与され,HADBサーバのプログラムの圧縮ファイル(tar.gzファイル)に対する読み取り権限が付与されました

(10) HADBサーバをインストールする

実行権限を付与したHADBサーバのインストールコマンド(adbinstallコマンド)を実行して,HADBサーバをインストールしてください。

次に示すHADBのコマンドを入力して,[Enter]キーを押してください。

/home/adbmanager/install/adbinstall -s /home/adbmanager/server
-s /home/adbmanager/server

adbinstallコマンドでHADBサーバをインストールする際,サーバディレクトリとして使用するディレクトリを,-sオプションに指定します。ここでは,/home/adbmanager/serverディレクトリを指定してください。

adbinstallコマンドを実行すると,HADBサーバのプログラムの圧縮ファイルtar.gzファイル)が展開されて,/home/adbmanager/serverディレクトリ下にHADBサーバを構成するディレクトリとファイルが格納されます。

重要

HADB管理者(adbmanager)ではなく,スーパユーザ(root)でadbinstallコマンドを実行した場合は,KFAA91558-Wメッセージが出力されます。この場合は,KFAA91558-Wメッセージが出力されたあとに出力されるKFAA91559-Qメッセージの入力要求に対して,nまたはNを入力してください。そのあとで,いったんログアウトして,HADB管理者(adbmanager)でログインし直してください。そして,HADB管理者(adbmanager)でadbinstallコマンドを実行してください。

(11) HADBサーバがインストールされたことを確認する

HADBサーバが正しくインストールされたかどうかを確認します。

次に示すOSのコマンドを入力して,[Enter]キーを押してください。

cat /home/adbmanager/server/adbinstsv.log

catコマンドを実行して,HADBサーバのインストール実行結果ログファイル(adbinstsv.log)の内容を表示します。実行結果の例を次に示します。

■実行結果の例
Hitachi Advanced Data Binder vv-rr (yyyymmddhhmmss)

vv-rrは,HADBサーバのバージョンを示しています。

yyyymmddhhmmssは,HADBサーバをインストールした日付と時刻を示しています。

上記の情報が表示された場合は,HADBサーバは正しくインストールされています。

また,サーバディレクトリ下のディレクトリおよびファイル構成が正しいことを確認します。

次に示すOSのコマンドを入力して,[Enter]キーを押してください。

ls /home/adbmanager/server

実行結果の例を次に示します。

■実行結果の例
adbinstsv.log  bin  client  conf  include  lib  sample  spool

上記のディレクトリおよびファイルが表示された場合は,サーバディレクトリ下の構成が正しい状態になっています。

(12) 関連項目

8.2.2 インストール手順