Hitachi

Hitachi Advanced Data Binder システム構築・運用ガイド


2.20.2 サーバ定義のオペランドとの関係

HADBサーバが使用する各種メモリや領域のサイズを,サーバ定義のオペランドで指定します。ここでは,HADBサーバが使用するメモリとサーバ定義のオペランドの関係を説明します。

HADBサーバが使用するメモリの最大値をサーバ定義で指定する際,次に示すどちらかの方法があります。HADBでは,1の方法で指定することを推奨します。

  1. HADBサーバが使用するメモリ所要量の最大値(共有メモリとプロセスメモリの合計値の上限)をadb_sys_memory_limitオペランドに指定する

  2. プロセス共通メモリの最大値をadb_sys_proc_area_maxオペランドに指定し,リアルスレッド固有メモリの最大値をadb_sys_rthd_area_maxオペランドに指定する

上記のそれぞれの方法ごとに,HADBサーバが使用するメモリとサーバ定義のオペランドの関係を説明します。

〈この項の構成〉

(1) 1の方法の場合(adb_sys_memory_limitオペランドを指定する場合)

HADBサーバが使用するメモリとサーバ定義のオペランドの関係を次の図に示します。

図2‒77 HADBサーバが使用するメモリとサーバ定義のオペランドの関係(adb_sys_memory_limitオペランドを指定する場合)

[図データ]

上記の図のサーバ定義のオペランドの数値は例です。見積もった値を指定してください。

注※

マルチノード機能を使用する場合は,リアルスレッド固有メモリが次の計算式の分だけ確保されます。

  • ワーカーノードを使用しない場合

    adb_sys_max_usersオペランドの値セカンダリノード数×(adb_sys_max_parallel_exec_numオペランドの値×2+2)
    +15
  • ワーカーノードを使用する場合

    • プライマリノードまたはセカンダリノードの場合

      adb_sys_max_usersオペランドの値
      +(セカンダリノード数adb_sys_multi_max_worker_nodesオペランドの値)
      ×(adb_sys_max_parallel_exec_numオペランドの値×2+2)
      +15
    • ワーカーノードの場合

      adb_sys_max_usersオペランドの値セカンダリノード数×(adb_sys_max_parallel_exec_numオペランドの値×2+2)
      +adb_sys_multi_max_worker_nodesオペランドの値
      ×adb_sys_max_parallel_exec_numオペランドの値×2
      +17
重要

HADBサーバが使用するメモリ所要量の最大値(共有メモリとプロセスメモリの合計値の上限)をサーバ定義のadb_sys_memory_limitオペランドに指定します。

上記の図中の各メモリや領域とサーバ定義の関係を次の表に示します。

表2‒25 HADBサーバの各メモリおよび各領域の説明(adb_sys_memory_limitオペランドを指定する場合)

メモリまたは領域の種類

関係するサーバ定義のオペランド

見積もり方法の記載個所

HADBサーバの稼働中にメモリの使用量を確認する方法

共有メモリ

プロセス共通メモリ

6.3.1 共有メモリの所要量の求め方」の「(3) プロセス共通メモリの所要量の求め方

-aオプションを指定してadbls -d memコマンド※2を実行したときに出力されるPROCESS_USEの値で確認できます。

共有メモリ管理用のメモリ

6.3.1 共有メモリの所要量の求め方」の「(1) 共有メモリ管理の所要量の求め方

-aオプションを指定してadbls -d memコマンド※2を実行したときに出力されるOTHER_USEの値で確認できます。

グローバルバッファ用のメモリ

  • adbbuff

    グローバルバッファのページ数などを指定するオペランドです。

  • adb_dbbuff_wrktbl_glb_blk_num

    グローバル作業表用のグローバルバッファのページ数を指定するオペランドです。

-aオプションを指定してadbls -d memコマンド※2を実行したときに出力されるGBUFFER_USEの値で確認できます。

リアルスレッド固有メモリ

  • adb_sys_rthd_num

    SQL文およびコマンドの実行時に使用する処理リアルスレッドの最大数を指定するオペランドです。1つの処理リアルスレッドに対して,1つのリアルスレッド固有メモリが確保されます。

  • adb_sql_exe_max_rthd_num※1

    1SQL文の実行時に使用する処理リアルスレッドの最大数を指定します。

6.3.1 共有メモリの所要量の求め方」の「(4) リアルスレッド固有メモリの所要量の求め方

-aオプションを指定してadbls -d memコマンド※2を実行したときに出力されるTHREAD_USEの値で確認できます。

ハッシュグループ化領域

  • adb_sql_exe_hashgrp_area_size※1

    1つ当たりのハッシュグループ化領域のサイズを指定するオペランドです。

7.2.2 性能に関するオペランド(set形式)」のadb_sql_exe_hashgrp_area_sizeオペランド

ハッシュテーブル領域

  • adb_sql_exe_hashtbl_area_size※1

    ハッシュテーブル領域のサイズを指定するオペランドです。

7.2.2 性能に関するオペランド(set形式)」のadb_sql_exe_hashtbl_area_sizeオペランド

ハッシュフィルタ領域

  • adb_sql_exe_hashflt_area_size※1

    ハッシュフィルタ領域のサイズを指定するオペランドです。

7.2.2 性能に関するオペランド(set形式)」のadb_sql_exe_hashflt_area_sizeオペランド

ローカル作業表用バッファ

  • adb_dbbuff_wrktbl_clt_blk_num※1

    ローカル作業表用バッファのページ数を指定するオペランドです。

6.25.2 ローカル作業表用バッファのページ数の見積もり

プロセスメモリ

ヒープメモリ

6.3.2 プロセスメモリの所要量の求め方

-aオプションを指定してadbls -d memコマンド※2を実行したときに出力されるHEAP_USEの値で確認できます。

(凡例)

−:該当なし

注※1

クライアント定義の同じオペランドで,サーバ定義で指定した値を変更できます。

注※2

-aオプションを指定して実行したadbls -d memコマンドの出力項目については,マニュアルHADB コマンドリファレンスadbls -d mem(メモリの使用状況の表示)を参照してください。

メモ

HADBサーバが使用するメモリ所要量の見積もり方法については,次の個所を参照してください。

(2) 2の方法の場合(adb_sys_proc_area_maxおよびadb_sys_rthd_area_maxオペランドを指定する場合)

HADBサーバが使用するメモリとサーバ定義のオペランドの関係を次の図に示します。

図2‒78 HADBサーバが使用するメモリとサーバ定義のオペランドの関係(adb_sys_proc_area_maxおよびadb_sys_rthd_area_maxオペランドを指定する場合)

[図データ]

上記の図のサーバ定義のオペランドの数値は例です。見積もった値を指定してください。

注※

マルチノード機能を使用する場合は,リアルスレッド固有メモリが次の計算式の分だけ確保されます。

  • ワーカーノードを使用しない場合

    adb_sys_max_usersオペランドの値セカンダリノード数×(adb_sys_max_parallel_exec_numオペランドの値×2+2)
    +15
  • ワーカーノードを使用する場合

    • プライマリノードまたはセカンダリノードの場合

      adb_sys_max_usersオペランドの値
      +(セカンダリノード数adb_sys_multi_max_worker_nodesオペランドの値)
      ×(adb_sys_max_parallel_exec_numオペランドの値×2+2)
      +15
    • ワーカーノードの場合

      adb_sys_max_usersオペランドの値セカンダリノード数×(adb_sys_max_parallel_exec_numオペランドの値×2+2)
      +adb_sys_multi_max_worker_nodesオペランドの値
      ×adb_sys_max_parallel_exec_numオペランドの値×2
      +17

上記の図中の各メモリや領域とサーバ定義の関係を次の表に示します。

表2‒26 HADBサーバの各メモリおよび各領域の説明(adb_sys_proc_area_maxおよびadb_sys_rthd_area_maxオペランドを指定する場合)

メモリまたは領域の種類

関係するサーバ定義のオペランド

見積もり方法の記載個所

HADBサーバの稼働中にメモリの使用量を確認する方法

共有メモリ

プロセス共通メモリ※1

  • adb_sys_proc_area_max

    プロセス共通メモリの最大値を指定するオペランドです。

6.3.1 共有メモリの所要量の求め方」の「(3) プロセス共通メモリの所要量の求め方

-aオプションを指定してadbls -d memコマンド※3を実行したときに出力されるPROCESS_USEの値で確認できます。

共有メモリ管理用のメモリ

6.3.1 共有メモリの所要量の求め方」の「(1) 共有メモリ管理の所要量の求め方

-aオプションを指定してadbls -d memコマンド※3を実行したときに出力されるOTHER_USEの値で確認できます。

グローバルバッファ用のメモリ

  • adbbuff

    グローバルバッファのページ数などを指定するオペランドです。

  • adb_dbbuff_wrktbl_glb_blk_num

    グローバル作業表用のグローバルバッファのページ数を指定するオペランドです。

-aオプションを指定してadbls -d memコマンド※3を実行したときに出力されるGBUFFER_USEの値で確認できます。

リアルスレッド固有メモリ※1

  • adb_sys_rthd_area_max

    1つ当たりのリアルスレッド固有メモリの最大値を指定するオペランドです。

  • adb_sys_rthd_num

    SQL文およびコマンドの実行時に使用する処理リアルスレッドの最大数を指定するオペランドです。1つの処理リアルスレッドに対して,1つのリアルスレッド固有メモリが確保されます。

  • adb_sql_exe_max_rthd_num※2

    1SQL文の実行時に使用する処理リアルスレッドの最大数を指定します。

6.3.1 共有メモリの所要量の求め方」の「(4) リアルスレッド固有メモリの所要量の求め方

-aオプションを指定してadbls -d memコマンド※3を実行したときに出力されるTHREAD_USEの値で確認できます。

ハッシュグループ化領域

  • adb_sql_exe_hashgrp_area_size※2

    1つ当たりのハッシュグループ化領域のサイズを指定するオペランドです。

7.2.2 性能に関するオペランド(set形式)」のadb_sql_exe_hashgrp_area_sizeオペランド

ハッシュテーブル領域

  • adb_sql_exe_hashtbl_area_size※2

    ハッシュテーブル領域のサイズを指定するオペランドです。

7.2.2 性能に関するオペランド(set形式)」のadb_sql_exe_hashtbl_area_sizeオペランド

ハッシュフィルタ領域

  • adb_sql_exe_hashflt_area_size※2

    ハッシュフィルタ領域のサイズを指定するオペランドです。

7.2.2 性能に関するオペランド(set形式)」のadb_sql_exe_hashflt_area_sizeオペランド

ローカル作業表用バッファ

  • adb_dbbuff_wrktbl_clt_blk_num※2

    ローカル作業表用バッファのページ数を指定するオペランドです。

6.25.2 ローカル作業表用バッファのページ数の見積もり

プロセスメモリ

ヒープメモリ

6.3.2 プロセスメモリの所要量の求め方

-aオプションを指定してadbls -d memコマンド※3を実行したときに出力されるHEAP_USEの値で確認できます。

(凡例)

−:該当なし

注※1

(1) 1の方法の場合(adb_sys_memory_limitオペランドを指定する場合)」と差異がある個所です。

HADBサーバが使用するメモリ所要量の最大値を指定するadb_sys_memory_limitオペランドを指定しない場合,プロセス共通メモリの最大値(adb_sys_proc_area_maxオペランド)と,1つ当たりのリアルスレッド固有メモリの最大値(adb_sys_rthd_area_maxオペランド)を指定する必要があります。

注※2

クライアント定義の同じオペランドで,サーバ定義で指定した値を変更できます。

注※3

-aオプションを指定して実行したadbls -d memコマンドの出力項目については,マニュアルHADB コマンドリファレンスadbls -d mem(メモリの使用状況の表示)を参照してください。

メモ

HADBサーバが使用するメモリ所要量の見積もり方法については,次の個所を参照してください。