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Hitachi Advanced Data Binder システム構築・運用ガイド


2.13.1 クライアント定義の集中管理機能とは

各HADBクライアントで個々に管理しているクライアント定義を,HADBサーバ上で一括管理できます。この機能をクライアント定義の集中管理機能といいます。この機能を使用すると,HADB管理者がクライアント定義をHADBサーバ上で一括管理できるため,各HADBクライアントの管理者がクライアント定義を個々に管理する必要がなくなります。

クライアント定義の集中管理機能を使用する場合と使用しない場合の比較を次の図に示します。

図2‒39 クライアント定義の集中管理機能を使用する場合と使用しない場合の比較

[図データ]

[説明]

クライアント定義の集中管理機能を使用すると,HADB管理者が,全HADBクライアントのクライアント定義をHADBサーバ上で追加,修正できます。

ただし,次に示すオペランドについては,HADBクライアントのクライアント定義で指定する必要があります。

  • adb_clt_rpc_srv_host

  • adb_clt_rpc_srv_port

  • adb_clt_rpc_con_wait_time

  • adb_clt_rpc_sql_wait_time

メモ

上記のオペランドには,HADBサーバへの接続時に必要となる情報を指定しています。そのため,HADBクライアントのクライアント定義に指定する必要があります。

■クライアント定義の集中管理機能を使用するメリット
  • 各クライアント定義のオペランドの指定値を,HADB管理者が管理できます。例えば,adb_sql_exe_max_rthd_numオペランド(SQL文を処理するリアルスレッド数の最大値を指定するオペランド)などの性能に関するオペランドの指定値を,HADB管理者がチューニング結果を基に変更できます。

  • クライアントグループ機能を新規に使用する場合,該当する各HADBクライアントのクライアント定義にadb_clt_group_nameオペランド(クライアントグループ名を指定するオペランド)を追加する必要があります。この場合,各HADBクライアントの管理者が,adb_clt_group_nameオペランドを追加する必要があります。クライアント定義の集中管理機能を使用すると,HADBサーバ上のクライアント定義にadb_clt_group_nameオペランドを追加すればよいため,各HADBクライアントのクライアント定義にadb_clt_group_nameオペランドを追加する必要がありません。

このようにクライアント定義の集中管理機能を使用すると,クライアント定義をより簡単に,より速く変更できます。