ノンストップデータベース HiRDB Version 9 コマンドリファレンス(UNIX(R)用)

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2.22 pdcspoolトラブルシュート情報及び作業用一時ファイルの削除

<この節の構成>
(1) 機能
(2) 実行者
(3) 形式
(4) オプション
(5) 規則
(6) 注意事項

(1) 機能

HiRDBが作成した,次のファイルを削除します。

(2) 実行者

HiRDB管理者が実行できます。

(3) 形式

 
 pdcspool 〔-i〕〔-d 日数〕〔-k 種別〕
 

(4) オプション

(a) -i

トラブルシュート情報が格納された各ファイルを削除するときに,標準出力にプロンプトを返し,削除するかどうかを確認します(作業用一時ファイルの場合はプロンプトを返しません)。プロンプトにyを応答すると,該当ファイルが削除されます。省略した場合は,プロンプトを出力しないで該当ファイルを削除し,削除したファイル名が標準出力に出力されます。

(b) -d 日数 〜<符号なし整数>((0〜24855))≪1≫

pdcspoolコマンドを実行した時刻から換算して「24時間×指定した日数」以前に作成されたファイルを削除対象とします。例えば,日数に10を指定した場合,240時間前の時点より,以前に作成されたファイルが削除対象となります。

0を指定した場合は,スプール下のトラブルシュート情報,及び作業用一時ファイル格納ディレクトリ下の作業用一時ファイルをすべて削除対象とします。ただし,0を指定した場合でも,次に示すファイルについては,ファイルの更新日付がこのコマンドの起動時刻から3600秒以内のものは削除対象となりません。ファイルが残っている場合は,3600秒後に再度コマンドを実行してください。

省略した場合は,24時間以前に作成されたスプール下のトラブルシュート情報,及び作業用一時ファイル格納ディレクトリ下の作業用一時ファイルが削除対象となります。

pdcopy,pdrstrなど,処理が長時間になるコマンドを定期的に実行するような運用の場合,実行完了に要する時間以上の値を指定してください。

(c) -k 種別

削除するトラブルシュート情報の範囲を指定します。

省略した場合,アクセスパス情報以外のトラブルシュート情報が削除されます。

all:
アクセスパス情報を含め,すべてのトラブルシュート情報及び作業用一時ファイルが削除されます。ただし,システム定義のpd_tmp_directoryオペランドの指定を省略した場合,及び指定したディレクトリが/tmp,/usr/tmp,又は/var/tmpの場合,削除されません。

dump:
HiRDBが内部的に取得するファイル(デッドロック・タイムアウト情報ファイル,及びアクセスパス情報ファイルを除くファイル)が削除されます。

(5) 規則

  1. pdcspoolコマンドは,HiRDBの稼働に関係なく実行できます。
  2. pdcspoolコマンドは,各サーバマシンで実行してください。

(6) 注意事項

  1. pdcspoolコマンドのリターンコードは,0又は4の場合は正常終了,12の場合は異常終了となります。
  2. HiRDB管理者以外のユーザが実行したコマンド又はユティリティによって,出力されたトラブルシュート情報ファイルは削除されないことがあります。この場合,トラブルシュート情報ファイルの削除権限を持つユーザがOSのrmコマンドなどでファイルを削除してください。このとき,作業用一時ファイル格納ディレクトリ($PDDIR/tmpディレクトリ)下の次のディレクトリ及びファイルは削除しないでください。
    • home
    • pdommenv
    • ファイル名が"CMb"で始まるファイル
  3. 環境変数TMPDIRが設定されている場合,作業用一時ファイルの出力先は$PDDIR/tmpディレクトリではなく,環境変数に設定されたディレクトリになります。環境変数TMPDIRに設定されたディレクトリ下の作業用一時ファイルはpdcspoolコマンドでの削除対象とはなりません。また,パイプファイル(FIFO)も削除しません。このため,これらのファイルは,OSのrmコマンドなどで直接削除する必要があります。
  4. pdcspoolコマンドは,HiRDBが次のディレクトリ下に作成したすべてのファイルを削除の対象とします。
    そのため,該当ディレクトリ下にファイルを作成した場合,一緒に削除されます。削除対象ディレクトリの一覧を,次に示します。
    ディレクトリ名 出力ファイルの内容 -kオプション 備考
    上位ディレクトリ 下位ディレクトリ all dump 省略時
    $PDDIR/tmp
    (作業用一時ファイル格納ディレクトリ)
    作業用一時ファイル -dオプションに0を指定した場合,このコマンドの起動時刻から3600秒以上経過した更新日付のファイルが削除されます。
    ユニット制御情報定義のpd_tmp_directoryオペランドに指定したディレクトリ 作業用一時ファイル
    $PDDIR/spool
    (トラブルシュート情報)
    pdsqldump アクセスパス情報 × × クライアント環境定義PDVWOPTMODEに1以上を指定して,SQL文を実行した場合に出力されます。
    pdlckinf デッドロック・タイムアウト情報 × 排他制御でエラーが発生したときに出力されます。
    save 退避コアファイルなど プロセスが異常終了したときに出力されます。
    pdshmdump 共用メモリダンプファイル プロセス又はユニットが異常終了したときに出力されます。
    pdsysdump(1,2) 簡易ダンプファイル なし。
    pdsdsdump(1,2) HiRDB/シングルサーバの場合,出力されます。
    pdfesdump(1,2)
    pddicdump(1,2)
    pdbesdump(1,2)
    HiRDB/パラレルサーバの場合,出力されます。
    pdjnlinf システムログファイルの状態情報ファイル × pdsnap.で始まるファイルだけ削除されます。
    pdtrninf 回復したトランザクションの情報ファイル × リアルタイムSANレプリケーションを使用している場合にだけ出力されます。
    (凡例)
    ○:削除されます。
    ×:削除されません。
    −:該当しません。
    ただし,次のディレクトリ下のディレクトリ,又はファイルは削除されません。
    上位ディレクトリ 削除対象外のディレクトリ名,又はファイル名 出力ファイルの説明
    $PDDIR/spool
    (トラブルシュート情報)
    パイプファイル 任意のファイル名称を持つすべてのパイプファイル
    $PDDIR/tmp
    (作業用一時ファイル格納ディレクトリ)
    パイプファイル 任意のファイル名称を持つすべてのパイプファイル
    home HiRDBが起動するプロセスのカレントワーキングディレクトリ
    pdommenv 共有メモリ情報ファイル
    ファイル名称が"CMb"で始まるファイル pdbuflsコマンドの差分情報ファイル
    ユニット制御情報定義のpd_tmp_directoryオペランドに指定したディレクトリ パイプファイル 任意のファイル名称を持つすべてのパイプファイル
    home HiRDBが起動するプロセスのカレントワーキングディレクトリ
    pdommenv 共有メモリ情報ファイル
    ファイル名称が"CMb"で始まるファイル pdbuflsコマンドの差分情報ファイル

注※
pd_tmp_directoryオペランドで指定した内容が次の場合には,削除対象となりません。
  • /tmp
  • /usr/tmp
  • /var/tmp