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ノンストップデータベース HiRDB Version 9 システム運用ガイド(UNIX(R)用)


20.26.2 領域管理情報の破壊(バージョン07-02以前のHiRDBの場合)

〈この項の構成〉

(1) 領域管理情報の破壊とは

バージョン07-02以前のHiRDBの場合,ファイルの作成,削除,又は拡張で処理が中断すると,管理できない状態のファイル,及び参照できない領域のどちらにも該当しない状態になることがあります。これは,領域の二重割り当てなどによって,領域管理情報とファイルが破壊された状態であり,以降の運用に影響を与えます。二重割り当ての概念を次に示します。

[図データ]

領域管理情報が破壊されているため,破壊された対象ファイルを回復しても,更にほかのファイルも破壊してしまいます。この状態からバージョンアップすると,領域が破壊された状態も引き継ぐことになります。

注意事項
  • 領域管理情報が破壊された場合,pdfbkup,及びpdfrstrコマンドでの回復,並びにpdcopy,及びpdrstrコマンドでの回復では対処できません。

  • pdffsckコマンドで領域管理情報の破壊は検知できますが,修復はできません。この場合,KFPI21585-Eメッセージを出力して異常終了します。

(2) 対処方法

すべてのHiRDBファイルシステム領域を再作成してください。その後,HiRDBファイルシステム領域の使用目的(pdfmkfsコマンドの-kオプションの指定値)ごとに,次の対処をしてください。

(a) DB及びSDBの場合

バックアップを使用してデータベースを回復してください。なお,使用するバックアップは,領域管理情報が破壊される前のHiRDBファイルシステム領域に格納されているRDエリアのものです。

(b) SYSの場合

システムログファイル,シンクポイントダンプファイル,及びステータスファイルを作成してください。なお,再開始に必要なシステムファイルをそろえられないため,再開始はできません。正常開始してください。

また,セキュリティ監査機能を使用している場合は,監査証跡ファイルを作成してから,HiRDB及びセキュリティ監査機能の運用を再開してください。

(c) WORKの場合

作業表は,SQL実行時にHiRDBが自動的に作成するため,特に対処する必要はありません。

(d) UTLの場合

pdcopyコマンドのバックアップファイル,及びpdrorgコマンドのアンロードデータファイルはなくなっているため,必要に応じてpdcopy,又はpdrorgコマンドを再度実行してください。